タイ政府とバイオ研究機関がバンコクで開いていた「鳥インフルエンザ国際会議」は25日、閉幕した。鳥インフルエンザの被害がインドなどへ広がる中、参加した研究者らはヒトからヒトへの感染が発生するリスクが高まっているとの認識を確認。壊滅的な被害を防ぐために世界的な警戒を強化していく重要性を確認した。
米セント・ジュード大学小児研究病院のロバート・ウエブスター教授は3日間の研究発表を総括し、「パンデミック(感染症の世界的大流行)は起こりうるが、対策はあり、そのための仕事をすべきだ」と述べた。
世界中で大流行の恐れが指摘される「新型インフルエンザ」は、健康被害にとどまらない。ミシガン大学のマイケル・オスターホルム教授は「世界経済が高度に連携した中で初めて迎えるパンデミックとなる」と指摘。感染拡大防止のためヒトやモノの移動が妨げられることで、エネルギーや食料の供給が滞り、数日間で市民生活に甚大な影響が出ると説明した。(バンコク=伊東義章)(25日 23:59)