院生作成ウイルス、韓国での被害確認
コンピューターウイルスを組み込んだ無断使用のアニメ画像がインターネット上に流出した事件で、大阪電気通信大大学院生・中辻正人容疑者(24)(著作権法違反容疑で逮捕)が作成したウイルスの感染被害が、韓国でも発生していたことが、京都府警の調べでわかった。ウイルスを組み込んだ画像ファイルには、「機動戦士ガンダム」など海外でも人気の日本製のアニメ作品に見せかけた名前が付けられており、府警は、ウイルス感染が海外にも広範囲に広がっているとみて、被害の実態解明を進める。
中辻容疑者が作ったウイルスに感染したパソコンからは、インターネットにつながるパソコンの識別番号「IPアドレス」などの個人情報やデスクトップ画面が、中辻容疑者のホームページ(HP)に転送される仕組みになっていた。府警がHPを閲覧したところ、ハングルでフォルダー名が記されたデスクトップ画面を発見。内容から、韓国から転送されたものと判断したという。
一方、中辻容疑者は、ウイルスを組み込んでファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに送信したアニメ画像ファイルを動画ファイルに偽装。検索画面に表示されるファイル容量数を動画並みの数メガ・バイトに引き上げるため、不要なプログラムを加えるなどの工作もしていた。
(2008年1月26日 読売新聞)