国の緊急医師派遣システムに基づいて、竹田医師会病院(竹田市)に昨年8月から派遣されている日本医科大の高橋明子医師が、半年間の任期を終え、今月末に同大に戻る。高橋医師は離任を前に「市民や患者が病院に求めることと、提供できる医療の差をはっきりさせることも大切なこと」と語り、医療関係者が過剰な負担を負わずに医療を続ける体制づくりを求めた。

 竹田医師会病院は医師不足のため、昨年6月から救急病院の指定を返上、今月再開した。常勤医不足の中での勤務について、高橋医師は「患者の数と比較すると、これほど過酷な診察を目の当たりにしたのは初めてだ」と述べた。

 高橋医師はまた、仕組みの改善を助言。患者搬送システムとして、患者を送り出す側と引き受ける側が中間点で落ち合う方法を指摘。「例えば脳梗塞(こうそく)の場合、3、40分の差が明暗を分ける」と、へき地医療の工夫の必要性を主張した。「症状に応じた搬送先をマップにして的確に振り分けることで、近隣の医療機関で相当の手当てができる」と病院地図の整備を提案した。

=2008/01/27付 西日本新聞朝刊=