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自宅からウイルス流布 中辻容疑者 IPアドレスで特定

2008年01月26日

 アニメ画像を無許可で使ったコンピューターウイルスを大学院生が作成していた事件で、著作権法違反容疑で京都府警に逮捕された中辻正人容疑者(24)=大阪府泉佐野市中庄=が、ウイルスを仕組んだファイルを交換ソフト「Winny」(ウィニー)を介して流布する際、自宅のパソコンや通信機器から接続していたことが分かった。各通信機器はネット上の住所にあたる特定のIPアドレスをもっていることから、府警はこれを手がかりにウィニーの利用記録の解析を進め、同容疑者を特定したという。

 府警生活経済課ハイテク犯罪対策室の調べによると、中辻容疑者は「原田ウイルス」や、その亜種で逮捕容疑となった「クラナドウイルス」などを作成。これらのウイルスを仕込んだファイルを、自宅の通信機器や回線を使ってウィニーのネットワークに流布し、06年から蔓延(まんえん)させていた疑いが持たれている。府警は数年前からウィニーで大量に出回っていたファイルの利用記録などをたどり、一番最初にウイルスを流した接続先のIPアドレスを特定した。

 中辻容疑者は、匿名性の高いネットカフェなどを利用せず、自宅から通信。さらにウイルスに感染したパソコン画面に表示される人名や大学名なども、手がかりになったという。

 逮捕直後の調べに対し、中辻容疑者は「どうして特定されたのか」などと供述。府警は、同容疑者が匿名性の高いウィニーを使ってウイルスを流していたことから、簡単に特定されないと過信していたとみている。

 府警は24日、同容疑者の自宅からパソコン2台や通信機器などを押収。保存されていたデータを分析するなどして、ウイルスの作成や流布について裏付け捜査を進めている。

 《IPアドレス》 ネット利用者がIP(インターネット・プロトコル)と呼ばれる米国で作成されたルールに基づいてインターネットなどに接続する際、使用する通信機器を識別するために割り振られる番号。ネット上の住所のようなもので、個々の通信機器に個別のアドレスがある。

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