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パレスチナ:ガザのろう学校が窮地 補聴器用電池も届かず

「今のガザ地区は屋根のない強制収容所」と語るジェリー・シャワ校長=東京都内で25日、草野撮影
「今のガザ地区は屋根のない強制収容所」と語るジェリー・シャワ校長=東京都内で25日、草野撮影

 イスラエルに封鎖されたパレスチナ自治区ガザ地区で、NGO(非政府組織)「パレスチナ子どものキャンペーン」(東京都豊島区)などによって設立された「アトファルナろう学校」が窮地に陥っている。海外からの支援が届かず、子供たちの補聴器用の電池すら無い状態にあるからだ。米国人のジェリー・シャワ校長(64)が25日、東京都内で会見し「ガザは屋根の無い強制収容所と化している」と窮状を訴えた。

 92年設立の同校には現在、3~17歳の子供たち約300人が在籍。ガザ地区のろうあ者施設の中心的存在として、年長者を対象にした職業訓練や教員養成も行われている。

 イスラム原理主義組織ハマスによる昨年6月のガザ制圧を受け、イスラエルは同地の孤立化を強化。ガザからの対イスラエル・ロケット弾攻撃の激化を理由に、今月中旬から完全封鎖に踏み切った。

 シャワ校長によると、こうした事実上の経済制裁によって電池のほか、海外から送られてきた中古の補聴器も届かなくなり、数カ月間も補聴器を使えない子供が出ている。学校の運営資金に充てていた海外からの寄付金も激減した。

 シャワ校長は「ロケット弾攻撃と子供たちは関係ない」と指摘。イスラエルの報復と同国への米国の支持に「失望した」と語る。「全住民を罰するような方法は、絶望的な反応しか生み出さない」からだ。「砂の上で字を書いてでも学校は続けたい」と述べ、国際社会の支援を呼びかけている。【草野和彦】

毎日新聞 2008年1月26日 10時57分 (最終更新時間 1月26日 11時04分)

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