 | “排出削減 国別総量目標を” 特別演説の中で福田総理大臣は、まず、アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに先行きに不透明感が漂う世界経済を取り上げ、「現状を過度に悲観することなく、緊急に対応する意識をもって、各国が必要な対策をとっていくこともたいへん大事だと考えている」と述べ、金融危機を防ぐための各国の協調した取り組みを訴えました。そして、焦点の地球温暖化対策では、「北海道洞爺湖サミットの議長として、温室効果ガスのすべての主要排出国が参加する仕組み作りや、公平な目標設定に責任をもって取り組む」としたうえで、排出削減の中期的な「国別総量目標」を掲げて取り組むことを初めて表明しました。そして、この「国別総量目標」については、国内の部門別の削減目標を積み上げる「積み上げ方式」を提案するとともに、京都議定書では西暦1990年となっている削減の基準年を見直すべきだと訴えました。また、「日本の省エネルギー技術を主要排出国に移転することなどを通じて、世界全体で、2020年までに30%のエネルギー効率の改善を目標とすることを提案する」と述べました。そのうえで福田総理大臣は「わたしはサミットで、真に世界の期待する解決へ向けてさらなる前進を図る」と述べ、京都議定書に続く新たな枠組み作りを主導する決意を示しました。温室効果ガスの新たな削減目標をめぐっては、先月、インドネシアで開かれた国連の温暖化防止会議で、ヨーロッパ各国や発展途上国が先進国の数値目標を明確に打ち出すよう求めたのに対し、日本はアメリカとともに反対したため、「温暖化対策に消極的だ」と強い批判を受けました。今回の会議に向けて、総量目標を掲げる方針を示すべきか、政府内でも意見が分かれていました。特別演説で、日本が国別総量目標を掲げることを初めて表明したことについて、温暖化問題に取り組むNGO「WWFジャパン」の鮎川ゆりか気候変動特別顧問は「総量目標を掲げることは評価できるが、部門別の積み上げでは大きな削減量にはならず、温暖化を止めるためには不十分だ。産業界への配慮を優先するのではなく、どれだけ削減しなければならないかを考えたうえで、抜本的な削減目標を掲げることが求められている」と話しています。   | 1月26日 20時53分 |
|  |  | “排出削減 国別総量目標を” 1月26日 20時53分
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