磐田署は25日、道交法違反(酒気帯び運転)の現行犯で、磐田市豊田の磐田市役所道路建設課長の容疑者(50)を逮捕した。磐田市では昨年10月、職員2人が酒気帯び運転で摘発されたばかり。相次ぐ職員の不祥事に、市民の間からは市の取り組みの甘さを指摘する声も上がっている。
調べでは、容疑者は同日午前0時25分ごろ、同市豊田の市道で、乗用車を酒気帯び運転した疑い。同乗者はいなかった。
付近を巡回中の署員が職務質問のために、同容疑者の車を停止させ、酒のにおいがしたので飲酒検知を行った。飲酒検知では基準値の0・15ミリグラムを大幅に上回るアルコールが検出された。
調べに対し、同容疑者は同市内の居酒屋で約3時間、同僚とビールや焼酎を、それぞれ2杯程度飲み、帰宅する途中だったと供述しているという。
昨年10月の職員摘発を受け、同容疑者は飲酒運転をしないと誓う宣言書にほかの職員とともに署名し、磐田署に提出していた。
同市では、昨年10月2日に磐田市内で男性職員(32)=当時=、27日に袋井市内で男性係長(51)=同=が、いずれも乗用車を酒気帯び運転したとして摘発され、それぞれ懲戒免職、停職6カ月・1等級降格の処分を受けた。 ※
全庁で「撲滅宣言」の矢先
磐田市の道路建設課長が酒気帯び運転で逮捕されたことを受け、鈴木望市長は25日午前、市役所で行った定例会見で「職員が逮捕されたことは非常に残念。市民におわび申し上げます。詳細を把握した上で厳正に対処したい」と謝罪した。昨年10月に職員2人が酒気帯び運転で摘発され、市民の信頼回復に向けて再出発しようとした矢先の不祥事に、鈴木市長は苦悩の表情を浮かべた。
同市は10月の不祥事の後、再発防止策として職員全員に飲酒運転撲滅の宣言書を提出させ、特別の交通安全講習会を受講させるなどの対策を講じてきた。同課長も宣言書を提出し、講習を受けたという。これらの対策が効果を上げなかったことに、鈴木市長が「これ以上どうすれば、飲酒運転を防げるのか」と自問する場面もあった。
10月に摘発された2人の処分内容について、市民からは係長への処分が甘いとの批判も出ていた。また、懲戒免職となった元職員は、係長の処分と著しく均衡を欠くとして市公平委員会に不服を申し立てている。鈴木市長は「現在でも酒気帯び運転は原則懲戒免職」「係長は前夜の飲酒が残っていたため(懲戒免職にしなかった)」とし、懲戒処分の基準見直しについては明言しなかった。
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