憂楽帳

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憂楽帳:立ち会い出産

 「五体不満足」の著者、乙武洋匡(ひろただ)さんが長男の誕生に立ち会った様子を、女性誌が報じている。陣痛の間じゅう妻の背をさすっていたらしい。心温まる光景だ。しかし私の目撃した立ち会い出産では、妻が痛みを怒りに変え、夫にぶつけていた。「頑張れ」「頑張ってるわよッ!」という調子。

 横浜市金沢区の池川クリニックでは家族がお産に立ち会える。「命は日常に近い形で迎えたいから」と池川明院長。その場で最も劇的な反応を示すのは、大抵「産婦の母」だという。「ぎくしゃくしていた母娘関係が一気に修復されることも、珍しくありません」

 夫とは対照的に、母は全員が出産経験者だ。しかし「経過が順調なら放置、異常があれば即、帝王切開」をされた世代。「つらいお産の記憶をもつ人も多い。孫の幸せな誕生によって、産み直した気分になれるようです」

 生まれることで祖母をも“再生”させ、家族のきずなを強める……赤ちゃんは、つくづく偉大だ。立ち会いに向かない夫をもつ産婦にはぜひ、母の立ち会いを勧めたい。【斉藤希史子】

毎日新聞 2008年1月22日 12時44分

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