本を読んでいると、面白い本に当たることがあります。
自分の内だけに留めておくのももったいないので、本コーナーを設け紹介していくことにしました。
★5個〜1個で重要度を示しますが、もちろん独断と偏見に満ち満ちています。
ベスト15を選んでおきます。これこそほんとうに偏見にみちていますし今後順位がどんどん入れ替わっていきます。
実際は、甲乙つけ難く素晴らしいものばかり!ぜひクリックしてみてください。
[独断と偏見のベスト15] 2008/1/26変更
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1位 「未来からの警告 ジュセリーノ予言集T」(マリオ・エンジオ著、韮澤潤一郎監修、山川栄一訳、たま出版)
2位 「竜であり蛇であるわれらが神々」(デーヴィッド・アイク著、安永絹江訳、徳間書店)の(上)(下)
3位 「あやつられた龍馬」(加治将一著、祥伝社)
4位 「”闇”の世界権力構造と人類の針路」(中丸薫著、文芸社)
5位 「進化のイコン 破綻する進化論教育」(ジョナサン・ウェルズ著、渡辺久義監訳、創造デザイン学会訳、コスモトゥ−ワン)
6位 「拒否できない日本」(関岡英之著、文春新書)
7位 「超不都合な科学的真実」(ケイ・ミズモリ著、徳間書店、5次元文庫)
8位 「生き方は星空が教えてくれる」(木内鶴彦著、サンマーク出版)
9位 「昭和史からの警告」(副島隆彦/船井幸雄著、ビジネス社)
10位 「世界はここまで騙された」(コンノ ケンイチ著、徳間書店)
11位 「隠された証言 -日航123便墜落事故-」(藤田日出男著、新潮文庫)
12位 「タヴィストック洗脳研究所」(ジョン・コールマン博士著、太田龍監訳、成甲書房)
13位 「日本とユダヤ/魂の隠された絆」(中丸薫、ラビ・マーヴィン・トケイヤー著、徳間書店)
14位 「プリオン説はほんとうか?」(福岡伸一著、講談社ブルーバックス)
15位 「霊山パワーと皆神山の謎」(長池透著、今日の話題社)
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「超不都合な科学的真実」(ケイ・ミズモリ著、徳間書店、5次元文庫)★★★★★
「こんなことがあっていいのか!」と思わせる書。非常に内容の濃い本であった。
なぜこれだけ素晴らしい医学発見が、科学技術が迫害されなければならないのか?この書を読めば、我々がいかに
真実から遠ざけられているのかを痛感する。
前半、千島学説とともに私が気になっていたソマチッドが出てきた。天才ガストン・ネサンが発見し、健康に決定的な
役割をはたすソマチッド。血液中に存在するその超微小生命体の発見とそれをヒントに作られた画期的な薬714Xが権力
によりつぶされていった事実が書かれる。日本では牛山篤夫氏がネサンとは独立に発見したが、これも医学会につぶさ
れていった。脳卒中、心臓発作の原因も突き止めた横田学説もつぶされ・・
電子レンジに潜む不都合な真実とは?電子レンジは本当に安全なのか。
西洋医学の常識を覆す驚異の医療・バイオ・アコースティックス。それは人間の声を録音して健康状態をわり出し、
低周波音を聞かせて行う治療技術のことだが、それが大きな成果を上げている!
HAARPと絡む「北米東部一帯を襲った大停電は計画的に起こされたのか!?」というびっくりの推論。
人間の言葉に秘められた驚くべき事実。発した言葉を逆回転で読みとることで本人の無意識の本音が出てくるリバース・
スピーチが様々に研究されている状況が描かれる。
昆虫学者が自然の中から見つけた反重力の話。
癌などに驚異的な治癒率をもったワクチン(チャチョーワ博士の開発)もつぶされた。カリフォルニア州で人気の高かった
電気自動車が巨大権力に握りつぶされ・・。
素晴らしい本であった。一読をお勧めする。
2008/1/20
「ジュセリーノ未来予知ノート」(ジュセリーノ著、山川栄一訳、ソフトバンク・クリエイティブ)★★★★★
(後半部分)
前半は一つ下で書いた。後半部分を紹介したい。
第4章は各国の大使へあてた手紙、第5章はジュセリーノへの雑誌インタビュー、第6章が本書の発刊にあたって
2007年10月にジュセリーノになされた未来に関する質問と回答(Q&A)である。
どれも面白いが、インタビューとQ&Aから、とくに私が惹かれたものを載せる。ジュセリーノは、毎晩予知夢を見て、
助言者により予言の詳細が与えられる。
第5章 インタビュー
--予知夢を見ているときの感覚はどのようなものですか?
ジュセリーノ 大きな出来事や大惨事の予知夢は、見ているときはとても自然です。わたし自身が、現場の近くにいて
事件を目の当たりにしているように感じられます。すべて明確で立体的です。
--夢は観察するのですか?それとも、別な情報も受け取っているのでしょうか?
ジュセリーノ 視覚的な情報以外に、声が聞こえてきます。その<助言者>はわたしに、人物の氏名、住所、電話番号を
知らせてくれます。そして、何をすべきかを導いてくれます。
--意識だけの状態で移動するときは、行けない場所はないのでしょうか?
ジュセリーノ 多くの場合、わたしは過去や未来に移動できます。しかし、接触する場所は、いつも地球や付近の天体に
限られます。
--予知夢で聞こえてくる、その低い声は、今日にいたるまで同じですか?
ジュセリーノ はい、同じです。わたしが9歳のときからずっとそうです。
第6章 Q&A
--地球温暖化が問題になる一方で、氷河期が来るという説を唱える科学者もいます(あるいは、氷河期が来るのを
地球温暖化が防いでいるという説もあります。)氷河期は近いうちに訪れるのでしょうか?
ジュセリーノ はい、地球温暖化はむしろ、新たな氷河期(場合によっては前回以上の規模)が訪れやすい状況を
つくっています。
--デング熱が流行している地域がありますが、今後、この疫病は日本にもやってきますか?
ジュセリーノ はい、4年ほどで日本にも来ます。世界中に広がって大きな危険をもたらします。
--2008年に、誰も予期しなかった出来事が日本で起きるでしょうか?
ジュセリーノ はい、突然変異による「新しいウイルス」の出現、そして猛暑がそれにあたります。
--富士山は噴火しますか?
ジュセリーノ はい、これから8年以内に噴火します。
--今後、日本が直面する事態でもっとも危険なものは何でしょう?(地震、台風、戦争など)
ジュセリーノ 疫病と地震です。
--人間が月に住めるようになるのはいつですか?
ジュセリーノ 月に住むのは不可能です。月は年々、地球から離れていっていますから。
--2010年の最大の事件は?
ジュセリーノ ニューヨーク株式市場の暴落です。
--人類の最後はいつ訪れますか?
ジュセリーノ 環境破壊を食い止めるための策を講じなければ、2043年までに世界人口は80%も減少するおそれが
あります。
この辺にしておきたい。長い回答のものは書いていない。この他に多くの興味あるQ&Aがなされているので、
ぜひ本を読んでいただきたい。
最後はジュセリーノから日本の読者へのメッセージである。
「日本のみなさまへ。
あなた方は、地球にも良い変化が訪れているという何よりの証です。知恵と団結心に恵まれた日本人の貢献を、
世界は必要としています。辛抱強く努力家であるというその国民性は、あらゆる地球環境問題に取り組むうえで
模範となるものです。
母なる大地への愛と慈しみの気持ちをもう一度思い起こすために、あなた方の言葉はとても大事な役割を
果たすことでしょう。努力と知恵によって世界中の大地を響かせ、多くの民族に愛と調和と友情の風を強く
送ってほしいと思います。
みなさまの一人ひとりに神の祝福がありますように。 」
「ジュセリーノ未来予知ノート」(ジュセリーノ著、山川栄一訳、ソフトバンク・クリエイティブ)★★★★★
(前半部分)
驚異の予言者・ジュセリーノの新刊が出たので、読んでいる途中だが、前半部分で重要と思う箇所だけを紹介する。
ほんのわずかであるが。
(ジュセリーノに詳しくない人は2007年5月に紹介した「未来からの警告 ジュセリーノ予言集T」をまずご覧ください。)
本のことを述べる前に・・、「ジュセリーノの予言」についてすこし述べたい。
まず昨年のアル・ゴアのノーベル平和賞受賞を当てたことが、衝撃的な印象として残っている。また「2007年あるい
は2008年の7月13日に日本で地震が発生」との予言も、7月16日に起きた新潟県中越沖地震で当たったといえるだ
ろう。3日ずれたが多少前後することはジュセリーノの予言ではときどきある。
予言が外れることもあるが、私が見ているところ、8割〜9割ほどの確率で当てている。「未来から・・」でも書いたが、
ジュセリーノは予言が外れることを祈っているのだから、外れるほうがよいのである。
未来は、人間にゆだねられており人間の意識改革で変えることができる。ジュセリーノの予言はふかいところから来て
いるものにちがいない。日本にも岡本天明が自動書記した巨大な霊的書物・日月神示があって
「身魂(みたま)磨きを急げ、洗濯せよ、掃除せよ」
と、しきりに人間に警告している。
(日月神示は、ひつくしんじ、ひつきしんじ、また、一二三しんじ、ひふみしんじ などともよばれ、呼び方はさまざま)
前置きが長くなった。日本に関する箇所だけを紹介する。
第一章「災害」の地震の所。p.42各国への予言の中から日本で起こる地震のうち近いものだけ記す。
・2008年2月15日〜28日 M6.3(川崎)
・2008年4月または5月の14日 M6.7(千葉)
・2008年8月6日 M6.5(東京)
・2008年9月13日 M8.6(東海) 3万人が被災し、600人以上の死者。この地震は日本ではなく、中国で
起きる可能性もある。その場合は日本より被害が拡大する。
・2009年1月25日 M8.9(大阪・神戸) 死者数十万人
・2009年11月17日 M8.2(大阪・神戸) 死者数千人
・2010年5月14日 M7.7(東京)
・2010年9月15日 M8.4(東京と横浜) 死者7万人以上
2025年までの地震が列挙されているが略す。詳細は本を参照のこと。また多くの各国の状況も細かく記される。
近年、ジュセリーノの予言の正確さを信用して災害を事前に回避する動きもあるようである。
航空機事故の例が出ている。
第4章のp.92〜p.103に書いてあることだが、ジュセリーノはタム航空機3054便が2007年7月17日に、そして3300便が
2007年10月29日に事故を起こすことを予言し関係者に事態回避を呼びかける手紙を何通も送っている(その手紙も公開)。
その警告にもかかわらず、3054便の事故は現実のものとなってしまう!
警告の手紙。
「アンナ・マリア・ブラガ様
親愛なるアンナ・マリア・ブラガ様
ふたたび、あなた宛てに手紙を書きます。JJ3300便とJJ3054便のことが心配だからです。
後者(JJ3054便)は、2007年7月17日、コンゴニャス空港で事故を起こす可能性があります。17時17分に
ポルト・アレグレを出発した同機は、タービンに深刻な欠陥があるために、着陸の際にスリップ事故を起こします。
「逆噴射装置」がこの機体では作動せず、百人以上の死者が出る可能性があります。それで、今日、この手紙
を書くことにしました。
・・・・
それから、JJ3300便が2007年10月29日が、セアラ州のセアラ州のフォルタレーザを出発することも忘れないで
ください。・・」
この予言は現実となった。「訳注」に次のようにある。
2007年7月17日に午後6時50分、ブラジル・サンパウロの市街地にあるコンゴニャス空港で、ポルト・アレグレ発の
タム航空3054便が滑走路をオーバーランし、給油施設や貨物ターミナルに衝突、炎上。乗客・乗員187人全員と、
地上にいた3人が死亡した。
ジュセリーノは正確に言い当てていたのであった!
事態を重くみた航空会社はJJ300便のフライトを取り止め、事なきを得た。2007年10月29日の事故は回避されたのである。
後半は一つ上に書くことにする。
「主権在米経済」(小林興起著、光文社)★★★★★
小林興起(こうき)氏は、郵政民営化法案が、結局日本人の資産を米国に売り渡すものになる売国法案であることを
見抜き、最後まで徹底して反対した愛国的・「前」衆議院議員である。
「前」とするは911選挙で氏が刺客として送り込まれた小池百合子氏に敗れ去ったからである。
本書では小泉政権によりマスコミあげての洗脳作戦が大々的に行われ、国民がまんまと騙されて法案が成立した
過程が克明に描かれる。渦中の中心にいた人であるだけに説得力がある。国民を巧妙に騙して郵政米営化法案が
通ったのであった。
何度も「年次改革要望書」と関岡英之氏の名前が出ている。
郵政民営化法案が完全なる売国法案であることは、関岡氏のみならず副島隆彦氏らの大活躍で広く知られるが、
いまだ「まさかそんなはずない」などというのんきな日本人が多いのではないか。しかし、実際は、とんでもないことがウラ
で進行していたのであった。外資がスポンサーであるマスコミの情報はひどくなるばかり、信用できない。
マスコミの偏向報道に関しては、喜八さんのブログ喜八ログを参考にされたい。
郵政民営化のみならず、それに匹敵するほど重要な法案が、陰で通されていたこともはじめて知った。
庶民にとってかけがえのない”共済”までも民営化へともっていく重大法案「保険業法等の一部を改正する法律」が、
本質を隠すような形でこっそり通されていた!
民営化=外資による日本の乗っ取り
というのが隠された不都合な真実である。
本書では、アジア通貨危機のときに郵貯がじつに大切な役割を演じたことを説明。なぜ日本がIMF管理下におかれず
に済んだのかそれは自国の巨大資金・郵貯という「最後の砦」があったおかげであるという。
その「最後の砦」=郵貯がいま消えようとしている・・。
毎年日本に提出される年次改革要望書(在日米国大使館により公開されている!)の指令通りに、おかしな法律がどん
どんと作られていく。次の「規制改革」の「規制改革要望書」の箇所(他も重要)を見てください。
(じつにこと細かに指示・命令が行われていることに驚かれるであろう。そして、あろうことか、米様の命令?を実行に
移すための法律がどんどん作られているのが、ここ10年の日本の姿である。おかしな法律ができるなあ・・という感覚
の原点は、この年次改革要望書にあったのだ!)
なぜこんなにも重大なものをマスコミは報道しないのか?その理由を問う質問状を小林氏は各新聞社に出し、その回答
が掲載されている。小選挙区制に対する小泉氏の信じがたい変節など・・興味深い内容が満載である。
だから私は最後の最後まで言い続けたい。
「これからも貢ぎつづける日本でいいのか」と。
との小林氏の切なる叫びで本書は終わっている。氏の今後の活躍を祈りたい。
小林氏のサイトにも氏の考えが明瞭に示されている。-->小林興起氏のHP
「竜であり蛇であるわれらが神々(上)(下)」(デーヴィッド・アイク著、安永絹江訳、徳間書店)★★★★★
天才アイクの巨大な書。NHKのニュースが好きで、新聞をよく読んでいる人にはぜったいに理解できない書だ。
本書は、長大であり豊かであり深遠であり究極を述べているため、短評はむずかしい。
アイクを高く評価する太田龍氏は、2007/9/25の太田龍の時事寸評で、次のように述べた。
○現代世界で、イルミナティの次のアジェンダを全面的に曝露しつつ
ある、またそれをいかに超克すべきかを開示しつつある、 ○その第一人者は、または唯一の人間は、 ○英国の天才的思想家、 デーヴィッド・アイクである。 同感である。
「この世はなにかおかしい」、「世の中はなぜ悪いほうへ向かっているのか?」、「どうして愛をとく宗教がもとで戦争が
おこったりするの?」
根本に疑問をいだく人、マスコミや学校教育の情報に飽き足らない人は本書を読むべきだ。
それでも、途中で投げだす人が大部分であることを私が保証する!
目に見えないマトリックスという監獄に一生気づかぬ大多数の人たち・・、正義の仮面をかぶり、ぜったいに気づかれぬ
ように巧妙に押しすすめられる驚くべきアジェンダ(計画)の数々・・。
本書には誤りも多くあると思う。しかし、とてつもない真実が随所に含まれている。
(参考)
オルタナティブ通信とも重なるところあり、また目に見えぬ世界に関しては日月神示(ひふみ神示)などとも関連がある
と思う。
「ドル覇権の崩壊」(副島隆彦著、徳間書店) ★★★★★
静かに恐慌化する世界
真実を暴露する評論家・副島隆彦氏の最新作。氏は金融・経済面では信頼のおける人であり、嘘だらけのマスコミ
情報とは全く違う情報を発信しつづけている。
本書によれば、今後米ドルが崩壊に向かい、同時にユーロと中国人民元が台頭してくるという。
副島氏は数年後(2008〜2009)の米ドル暴落による大恐慌は避けられないと予言。米ドルの信用は現在なくなりつつ
あり、そのためドルを見限りユーロ決済に変える国が増えつつあることを指摘する。ドルの価値は低下する一方であり、
もはや世界中で信用されていない事実を述べる。
では、なぜ信用されていないのか?
それがロン・ポール下院議員の論文「ドル覇権の終焉」に大幅に手を加えた副島訳で、明快に示された。
ロン・ポール氏はアメリカ金融史を説明する論文中で、米ドルの信用が低下していった原因をじつにわかりやすく解説
している。当初「米ドル1ドルは、1/35オンス(オンスは約31.1g)のゴールドに等しい」と決まっていたにもかわらず、だから
ドルの信用が保持されていたのに、アメリカが好き勝手に莫大な量のドル紙幣をすりちらかしていったため、ついにドル
と金を交換できない事態におちいり一挙に信用をなくした。46年前のニクソンによる「ドルと金の兌換の停止」である。
そこでドルは実質的に崩壊したはずなのに、軍事力と石油の力にものをいわせ世界を脅したり世界会議で秘密裏に
操作したりして、なんとか世界機軸通貨の面目を騙し騙し演じてきたが、もはや限界であると説く。
・・そんなことが、非常にわかりやすく書いてある。
この「ロン・ポール+副島隆彦」の大論文(p.90〜180)を読むだけでも価値がある。マスコミ情報では決してわからな
い、水面下で行われてきた真実の歴史、本当の姿が暴露されている。
では、我々は、これからどうすればよいのか?金を買えと副島氏はいう。これからは実物(金などの鉱物)こそ見直さ
れていくというのだ。
ところで、この金融本の中で副島氏は一つ気になる文を挿入している。
「・・・そして本当に信長を殺したのはスペインのイエズス会(カソリック)である。
信長は、ポルトガルとつながって硝石や鉄砲を手に入れていた。信長を一気に焼き殺したのは、本能寺のとなりに
あった南蛮寺からスペイン人たちが放った焼夷弾(ナパーム弾)である。これで一気に信長は焼き殺された。明智
光秀の主君殺しの犯罪などではない。・・」
驚愕である!なんたる文か。もし本当なら、私たちは歴史のなにを学んでいるというのか?
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追記2007/9/22
上の本能寺の変の件が気になったので、すこし調べたところ、次の二つのサイトを見つけた。
http://soejima.to/boards/undefine/98.html <---立花京子著 『信長と十字架』を紹介するあたり
これらを見ると、歴史の闇はあまりに深く、教科書の記述など表層的なものにすぎないことがよくわかる。
織田信長の驚異的な権力・財力は、イエズス会などの南蛮勢力によって支えられ、信長はある意味利用されていた
ともいえそうである。
ここに「あやつられた龍馬」(加治将一著、祥伝社)でも指摘された、明治維新とそっくりな構造が見える。
グラバーやパークスらの巨大な権力をバックに活躍した維新の英雄・坂本龍馬や伊藤博文たち。英国の力によって
明治維新は成し遂げられていったわけであるが、しかし教科書にはそんな記述は一切ないのだ。
「ハイゼンベルクの顕微鏡」(石井茂著、日経BP社) ★★★★
不確定性原理は超えられるか
量子論におけるハイゼンベルクの不等式が破れている可能性を指摘し、小澤の不等式を紹介した画期的な書。
ハイゼンベルクの不等式は量子論において不確定性原理の基礎となる最も基本的なものだが、それが間違っており、
日本の小澤正直(まさなお)東北大学教授が発見した不等式に書き換えられる可能性が高くなってきたことが示される。
前半、量子論の歴史と解釈問題が詳述される。ボーアらのコペンハーゲン解釈とアインシュタインらの反論。長い沈黙を
へてボームの「隠れた変数」の理論が登場、解釈問題に議論が巻きおこる。ノイマンらの数学理論やボームの理論に
影響をうけたベルが生み出した”ベルの不等式”、その破れを見出しEPR問題に決着をつけたアスペの実験。さらに
別方面から出たエヴァレットの多世界解釈・・。これらの歴史がまず語られた。
小澤氏は、物理学者というより数学者に近い。はじめ電気系、情報理論などで多くの数学的な仕事をされたが、ユーエン
の発表をきっかけに、途中から量子論の根本問題にもふかく関わっていく。自分が作り出した”測定の理論”がユーエンら
の問題に有効に働くことに気づく。荒木不二洋や柳瀬睦男らの理論とも関係しつつ、ついに画期的な”小澤の不等式”に
たどり着く。それはある条件ではハイゼンベルク不確定性原理の不等式に一致するものであるが、ハイゼンベルクは誤差
と標準偏差をごっちゃにしてしまっており、量子論の教科書に必ず載る不確定性原理の不等式は厳密には正しくないの
であった。本書はかなり難解であり私もまだ十分に理解できているわけではないが、直感的に小澤の不等式は正しいよう
に感じる。きわめて興味深い姿をしている。ハイゼンベルクの考察は雑なところがあり間違っている可能性が高い。
小澤の不等式は理論的に導出された段階であり、まだ実験で証明されたわけではないが、いつか実験でも証明される
ときがくるのだろうか。
深い研究を経て、様々な学者とのかかわりの中なら小澤の不等式が生み出されていく過程(後半)には、わくわくさせ
られた。一読をお勧めする。量子論の基礎分野も、あちこち見落としがあったのだ。
確立されている!と思われているところにも、見落としが多い。本書をよんで改めて痛感した。哲学者のことば「すべてを疑え・・」は至言だ。
著者 石井茂 1953年生まれ。
大阪大学物理学科卒業。日立電子勤務後、日経BP社へ。技術解説記事を書く。2003年、日経BP社編集委員室長。
「霊山パワーと皆神山の謎」(長池透著、今日の話題社) ★★★★★
興味深い本であった。著者は、長野県松代地方にある皆神山(みなかみやま)周辺の山々と神社を訪ね潜象エネルギー
の観点から霊山のもつ秘密をさぐり、また1960年代後半、数年間にわたり皆神山周辺で何百回と起こった群発地震・松代
群発地震とそのとき多数回目撃され撮影された山の発光に関する調査、研究を行う。山の発光ではさまざまな色の光が
観測されているが、この異常な現象は現代の地震学や科学では全く解明されていない。その謎の解明に挑んでいる。
皆神山周辺の地下ぼボーリング調査で石英閃緑岩等の石英(水晶)の層が発見されている。水晶と潜象エネルギー
との関連から、振動と発光の原因を推論し仮説を提唱。中部地方には、富士山をはじめ立山、白山、穂高連峰など古来
より霊山と崇められてきた山が多いのだが、著者・長池氏はあることをきっかけにして目を閉じると山が発する潜象光と
いう光が見えるようになる。訪ね歩いた山々と神社で立ちのぼる潜象光の様をえがく。潜象光の色や形は山に特有で
あり神社なども強い潜象光を発している。中でも皆神山は特別な山であって周辺の山々から潜象光が皆神山に集まって
きているという。
霊山や神社のある場所はやはりある意味で特別なエネルギー地帯なのであり、古来の人々にはわかっていたのだと
思う。
驚くべきことに、皆神山に霊的巨人・出口王仁三郎が登っていることがわかった!
「真素美翁に伴われて、大本教の教祖であり、「霊界物語」の著者である出口王仁三郎が、皆神山へ登っている。
爾来、大本教にとって、富士山を天教山、皆神山を地教山としており、この山は至高の聖域となっているそうである。」
とある(p.29)。
さらに、第二次大戦の末期、皆神山周辺の下に地下壕を掘って、大本営を移そうとした計画があったという驚愕
の事実が記されている。実際に工事が施工され、約75%完成したところで終戦となり、計画は中止となった。
「・・政府とNHKは象山、大本営は白鳥山(舞鶴山)、天皇御座所は皆神山、食料庫も同じく皆神山、仮皇居は
白鳥山(舞鶴山)、賢山は弘法山という計画になっていた。」(p.27)
皆神山の謎はいったいどこまで深いのであろうか?
皆神山に関連するサイトを見つけた。参考にされたい。
日本のピラミッド 皆神山の謎 <---最後に長池透氏の名前が見える!
著者 長池透(ながいけ・とおる) 1933年生まれ。作家・超古代文明研究家。
電気通信大学卒業後、日本航空整備会社入社。航空整備業務等を経て、磁気浮上リニア・モータ開発業務に従事。1993年定年退官。
20数年にわたり、超古代文明、遺跡の調査研究を行う。
「シオン長老の議定書」(四天王寺延孝原訳、太田龍氏補訳・解説、成甲書房) ★★★★★
「シオン長老の議定書」は、「シオン賢者の議定書」、「シオンの議定書」、「プロトコール」などとも呼ばれる。
20世紀最大の怪文書と言われ、一般にはユダヤ人を陥れるためにつくられた偽書とされている。しかし、偽書ではない
という意見も根強くある。今回読み、これは偽書でないと思った。なぜなら20世紀世界はこの書の通りに動いており
不気味なほど現代社会の動きに符号しているからである。必読の文献といえる。
第一議定書から第二十四議定書までありテーマごとにゴイム(一般人、非ユダヤ人)を支配する方法論が記される。
”ゴイム”という言葉が頻出するがタルムード的には”家畜人、獣、動物”などの意味もあるという。
偽書説が流布される奥に、複雑な真相が隠されている。その辺り太田龍氏の解説に詳しい。ユースタス・マリンズや
W・G・カーの仕事を紹介しそられを統合する形で太田氏がわかりやすくまとめている。太田解説も必見。
ルシファー(サタン)、創世記、イルミナティ秘密結社、ロスチャイルド、改革派ユダヤ教 等がキーワードである。
第十六議定書の「視覚による教育」の箇所では、
「思想を屈従させる方式は、視覚教育と呼ばれるもので既に行なわれている。この方法は、ゴイムの間にすべての脳
の働きをなくして、物を考えないで理解するためにはひたすら見ようとする従順な動物にする。フランスでは、我々の
最良の手先の一人たるブルジョア氏が既に視覚教育の計画を広告した。」
とある。
他にもおそろしい内容が随所にあるが、略す。現在、闇勢力によって世界支配が着々と進んでいる。何も知らない
日本人は「ばかな」でしまいである。常識だけで判断するとなにもわからない。この世には恐るべき真相が存在する。
隠された真相を知るには次サイトを見るべし。日本人必見!!
■オルタナティブ通信 <---驚くべき内容が記される。過去記事を全て読む価値あり。
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(武田邦彦著、洋泉社) ★★★
環境問題のさまざまなウソが暴露した本。現在ベストセラーとなっている。
リサイクル、ダイオキシン、地球温暖化・・。
最も驚いたのは、ダイオキシンがじつは猛毒ではなかったという事実である。ダイオキシンの毒性は低いということが、
現在毒物の専門家により証明されてしまっている。にもかかわらず、マスコミは連日ダイオキシンを「人類史上、もっとも
強い毒性をもつ化合物」と報道しつづけた。そして、私たちはいまだダイオキシンと聞くと、恐ろしい!というイメージを
もっている。しかし、マスコミ報道は嘘だった。あれはなんだったのか?
第2章「ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか」にその歴史が詳述される。
地球温暖化問題。@「北極の氷が溶けて海水面が上がる」という現在だれもが信じていることも嘘だった。北極の氷が
溶けても海水面は上がらない(アルキメデスの原理)。水に浮かぶ氷がとけても水面の高さは不変なのであった。にもか
かわらず、マスコミの流す嘘@を我々は信じている。
その他、リサイクルされたものも実際はほとんど再利用されず焼却されているだけというびっくりの事実、リサイクル-
政治-ビジネスに関わる醜い構図、国民への騙し、税金の無駄使いが語られる。「森林は二酸化炭素を吸収しない」と
主張する箇所はおかしいと思ったが。
京都議定書の本当のこと、現代の花形・水素エネルギーに隠された嘘、そして悪者・塩ビの実際の正体は?・・。
Kさんからの情報で気になりま読んだのだが面白かった。
マスコミによって情報操作がたやすくなされていることを認識させられる一冊。
著者 武田邦彦 1943年生まれ。名古屋大学大学院教授を経て、現在、中部大学総合工学研究所教授。
「UFOと悪魔の世界政府 666」(コンノ ケンイチ著、学研) ★★★★★
本書により、私の中であいまになっていたことがかなり明確になった。驚くべき内容が列挙される。
まず米国政府が隠蔽しつづけてきたUFO情報が地位ある人物たちによって暴露された歴史的事件デスクロジャー・
プロジェクト(2001年5月9日)の詳細が記される。(世界には大きく報道されたが、日本にはほとんど知らされていない。)
UFO推進技術が米政府よって極秘に研究、開発され、湾岸戦争にUFOテクノロジーが使われたことなど多くの秘密情報
が暴露された。元NASA職員ドナ・ヘアーは、NASA勤務の多くの者は月がUFOの基地と知っており、アポロ飛行士が
撮った多くのUFO写真を見ていると証言。アポロ月面写真は多くの修正がなされている。
同時多発テロ。決定的な証拠もないままビン・ラディンを勝手に犯人にしてテロへの報復を叫びアフガニスタンを攻撃。
同時テロで巨利を得た軍事産業、新兵器の実験場と化したアフガン。世界を支配する陰の超国家勢力は存在する。
ノーベル賞級の膨大な科学者を導入した”ソリューションG”計画。「反重力を実用化しようとする信じがたいプロジェクト
が国防総省の指揮のもとで実施されており、・・どんな急激なコースの変化も身体にはGがかからず・・急速に移動でき
る」究極の技術を研究。米はUFO航法原理から重力制御による航空機をすでに開発している。
1917年、ポルトガルで起きたファティマ大奇跡。計6回、3人の牧童の前で現実化したUFOによる奇跡現象。UFOの
ジグザグ運動と光の乱舞による一大スペクタクルを多くの人が目撃。6回目は約10万人もが目撃し、ヨーロッパ中に
センセーションを巻きおこした。聖母マリアから少女ルシアに託された三つの予言とは?
牛神と龍神。旧約聖書と新約聖書を聖典とするキリスト教はとんでもない自己矛盾をはらんでいた!
シリウス星系-爬虫類-龍神-旧約。オリオン星系-哺乳類-牛神-新約。神々の壮大な闘い、龍神がたくらむ超遠大な
計画。陰の勢力が前者に関係していたとは・・。
1982年、考古学者ワイアットは失われた聖櫃(アーク)を発見。それが契機に起こった大事件。アーク発見の事実は
イスラエル政府によって最大の機密扱いとなり、発掘跡は埋め戻された。終末、ロシアが聖櫃をめざす?
聖書が述べる数々の不気味な予言。それらは日本の日月神示と酷似している。神の奥義、一段上のレベルとは?
かけ離れた点と点とむすびつけ立体にしたてあげ、この世の真相を提示するコンノ氏の考察には驚嘆するほかない。
「般若心経の宇宙論」(コンノ ケンイチ著、学研) ★★★★★
著名なサイエンスライター・コンノ ケンイチ氏の書。非常に内容の濃い本であった。
まず氏は、般若心経の”空”の概念をとりあげ、空(空間)が、モノを生じ滅しさせる母体物質であると説き、量子物理学
との観点からそれを示していく。「色即是空・空即是色」の意味を与え、空は科学の死角となっていることを指摘する。
相対性理論、ビッグバン宇宙論が大嘘であることを説明。相対論の証拠とされた実験の捏造や、ビッグバンを否定
する数々の観測結果が示される。いまだにアインシュタイン教から抜け出せない現代科学のふがいなさを指摘。
UFO問題にも言及し、アポロ計画の本当の目的はじつは「月UFO基地の有人による軍事偵察」だったことを暴露した。
本書は後半が最重要。古今東西の文献を縦横に横断し共通点をさぐりつつ「人間はなぜこの世に生まれたのか?」とい
う古来よりの最大の命題に答えを与えている。とくにスウェディングボルグや出口王仁三郎ら霊的巨人たちが示す霊界
の構造を解説した箇所は必読。スウェディングボルグの「霊界からの手記」と、王仁三郎(おにさぶろう)の「霊界物語」には
多くの共通点がみられる。人間の常識は霊界の観点からは常識ではないのであった。この世に生まれてきたのは魂の
向上、修行の意味があり、”この世は一種の刑務所”とコンノ氏は述べるが言い当て妙である。
スウェディングボルグによれば、霊界では距離やスピードという観念は存在せず、人の意識は瞬時に伝わり、行きたい
場所を意識するだけで瞬時に移動できるという。下で紹介した彗星探索家・木内氏の臨死体験と似ているのは注目す
べきである。出口王仁三郎は多くの予言を驚くべき精度で的中させた。
スウェディングボルグは「霊界と地獄界は、力の均衡で共存しており、この均衡が崩れて天国界がなくなれば、地獄界も
存在しなくなり、逆に地獄界がなければ、天国界も存在できなくなる」という。これは日本の日月神示でも同じことが書か
れており、この世の深遠の理を述べている。スウェディングボルグは自分の死ぬ日を予言、その日に死んでいる。
「チベット死者の書」、「ヴェーダ聖典」、「聖書」、「エジプト死者の書」などの古典から深い事例が紹介された。
『王仁三郎は、「この世は、あの世(全霊界)の写し絵であり、霊界の構造仕組みが箱庭のようにレプリカ化されたのが
現世で、日本が最初の鋳型になる」と言っている。・・・そして、王仁三郎は常々「この世の大掃除が迫っている」と語って
いたが、今の世界情勢を見れば、その時間は差し迫っているように思える。』とコンノ氏は述べる。
私たちは、たいへんな世に生きているのだ。
2007/7/16
「オーパーツと天地創造の科学」(久保有政著、学研) ★★
オーパーツという言葉にひかれ手にとった書だが、面白い内容であった。
進化論のおかしな点を膨大な科学的証拠から指摘し、台頭する創造論の正しさを主張する。下方の「進化のイコン」でも
見たが、進化論のおかしさはまさに噴飯ものであり、これが科学か!?と思われるものである。
人類起源の証拠とされてきた北京原人など多くの原人の骨が完璧な間違い、でっちあげの産物であったことが、後年
多数の科学者によって指摘された。いまや人類の起源とされた証拠がまったくなくなっている現状を報告。結局、人類と
猿をつなく中間の骨、化石などいまもって何もない。科学界の権威の多くが進化論を否定している。
逆に進化論者にとって都合の悪いもの、あってはならないもの、それがオーパーツである。世界中からオーパーツが
出ているが、何億年も前の地層から人間の指、鉄製のボルトや容器の化石などが出土。年代の特定に使用される年代
測定法の誤りを示し、何億年前とされた地層がじつは数千年前の地層であった!という事実が示される。
とくにカリウム・アルゴン法は信用のおけない方法であり、数千年前の化石を簡単に数億年前などと出してしまうおかし
な手法である。科学者でさえ日々不安を感じながらそれを使っている状況は悲惨といえよう。カリウム・アルゴン法で
測定したアンモナイト等を示準化石(年代の基準)として今でも使っている古生物学は科学と呼べるのか。地層は進化
論者がいう長い年月をへてゆっくり形成されたものではなく、地球の大激変(ノアの大洪水)によって一挙に形成された
ものであると久保氏は主張。(杉岡注:大洪水が神話などではなく実際にあったことは確実。グラハム・ハンコックや浅川嘉富氏が指摘
する通りである) 著者は聖書に忠実すぎて、天地創造から現在まで6千年にすぎないなどと主張するが極端すぎる。
現代文明よりはるか以前超先史文明が確実に実在したと考える私としては、その主張に大きな違和感も覚えた。
後半の民族の起源に関する考察は、非常に興味深いものである。
セム、ハム、ヤペテに関する考察。大雑把にいって、ハムは黒色人種の祖先、ヤペテは白色人種の祖先といえるが、
はてセムは黄色人種の祖先といえるのか、そこには複雑な事情がひそんでいる。中国のミャオ族と日本との関連は注目
すべきものだ。ミャオ族の古来からの伝承は日本民族の起源をさぐる上で深い意味をもつ。
著者 久保有政(くぼ・ありまさ) 1955年生まれ。サイエンスライター、聖書解説家。
「生き方は星空が教えてくれる」(木内鶴彦著、サンマーク出版) ★★★★★
読み終えたいま、なんともいえない感動でつつまれている。すばらしい本であった。
木内鶴彦氏は世界的な彗星探索家であり、これまで4個もの彗星を発見されている(内二つは再発見)。
チェルニス・木内・中村彗星(1990)、土屋・木内彗星(1990)を発見、メルカトール・ブルーイントン彗星(1991)、
スウィフト・タットル彗星を再発見(1992)。
このようなたいへんな仕事をされ、その名が世界に知られているわけだが氏はじつはもう一つ別の顔をもっておられる。
私はその別の顔を先史文明研究家・浅川嘉富氏の著書(*)で知って以来、木内氏が気になってしかたがなかった・・。
臨死体験。
そう、この世にもまれな体験を実際にされた一人なのだ。本書で、木内氏はその詳細を明かされる。
原因不明の病におかされ体重が激減して死に瀕していく様子、そして実際に心臓が止まってしまった状況、そして、死後
の世界をさまよう状況を克明にえがく。それは私も読んだことのある他の臨死体験者のそれと酷似している。
心臓が止まっても、木内氏の意識はすぐ側にあり(明確に生きていて)、肉親たちに、自分はここにいるよ、大丈夫だよ
と懸命に話かけるのだが、その声はまったくとどかない。
意識体だけになった木内氏は、時間、空間をとびこえて瞬時にどこにでもいけることに気づく。そして科学者としての
好奇心が頭をもたげ、なんと、未来と過去を行き来したのである。
月がいつ、どのように出来たかを記されるが、なんと1万5千年前であるという。科学の常識を覆す結果である。
未来の地球の状況も記される。そこには同時に二つの映像が映っていた。(やはり・・)
心臓が止まって30分後に、氏は蘇生された。
「私の心臓が停止してから蘇生するまでの時間は、わずか30分です。でも、そのわずかな間に、私は膨大な時を
経験したのです」
臨死体験で見たことが、後に現実の光景となって現れた不思議な状況。死後の世界は、膨大な意識の世界であり、
たいへん退屈な世界です、と木内氏。1万5千年前に栄えていた先史文明の都市は地下に構築されていた!
恐竜と人間が共存していたことも指摘。浅川嘉富氏らが指摘されることがやはり正しかったのだ。
木内氏は自然環境を破壊している経済至上主義の社会構造に憂慮を示し、人類の価値観の転換をはかる活動に
邁進されている。氏の発明された画期的なゴミ処理システムや”太古の水”は興味深い。
NEO(Near-Earth Object)とよばれる地球に衝突する可能性のある天体のことも指摘される。
地球はいま小惑星と衝突する可能性の高い状況にあるという。
「太陽系が銀河の中心部を通過する期間、つまり、太陽系内の物質流が最も激しくなる期間は約200年間続きます。
そして実は1996年ごろから、太陽系はこの最も危険な時期に突入しているのです。」
山中、天体観測中の動物たちとのふれあい、自然界に厳と存在する掟、人間の才能、死に際して痛烈に感じたこと、
など示唆にとむ話が掲載される。ぜひ一読ください。
(*)「謎多き惑星地球」(浅川嘉富著、徳間書店) 詳しくは浅川嘉富氏のサイトをご覧ください。
2007/7/6
「羽生」(保坂和志著、光文社) ★★★
この本は二度目である。5年ほど前に読んだが、強烈な印象が残ったままずっと気になっていた。
将棋の羽生善治(現3冠王)を解説した本いやそんな単純な話ではなく「なぜ羽生(はぶ)は強いのか?」を作家の
保坂氏がだれも試みたことのない斬新な方法で解明しようとしたユニークな書。
私(杉岡です)も将棋界を長くみてきたが、こんな羽生論はみたことがないし、このような方向からの考察というのは
はじめてであった。著者の究極のねらいは羽生をとびこえ、人間の「思考」を、将棋をヒントに問い直すことにある。
保坂氏は相当の将棋通なのだろう、なんと多くの棋譜をのせ、駒の動きを解説しつつ羽生将棋の本質を、独特の視点
から見直していく。これほどの独創的な観点はみたことないが、思わず「なるほど」とうなづくものばかりである。
「読みが深い、正確だ」というそんな単純なことではなかった。
***
15歳でプロデビューしてからずっと私(杉岡)は羽生を見て雑誌での多くの彼の自戦記を読んできた。羽生語録は面白い。 「歩という駒は、皮膚のように見えるんです」 「将棋が先手有利にならないのは、打ち歩詰めの禁則があるから」 「複雑な局面になると、つねに整理整頓したいんです」 故・大山康晴15世名人が若い羽生と対戦した。たしかそのときは大山さんが勝った。羽生が馬を自陣に引く。その
平凡な馬引きをみて、大山15世曰く「天才とは基本ができた人のことである」。
***
この(***の間)は、本には関係ない。私(杉岡)の将棋への思い入れから勝手に書いた。
保坂氏は、彼が最善手を見つけだす過程に独特のものがありはしないか、ひたすらさぐっていく。
他の棋士とは異なる羽生将棋特有の法則性が流れているにちがいない・・、それを駒の動きと特徴的な自戦記から
推理して、羽生のユニークな思考形態を発掘し、見事に浮き上がらせた。
誰もつかんだことのないあいまいなものを言語化するのはしんどいことだ。それはまさに「発掘する」作業である。
著者 保坂和志(ほさかかずし)
1956年生まれ。93年「草の上の朝食」で野間文芸新人賞受賞、95年「この人の閾(いき)」で芥川賞受賞、他受賞多数。
「進化のイコン 破綻する進化論教育」 ★★★★★
(ジョナサン・ウェルズ著、渡辺久義監訳、創造デザイン学会訳、コスモトゥ−ワン)
私は、ここ数年、進化論の周辺が気になってしかたがなかった。進化論が疑問視されており、騒々しい状況を周囲
から遠目にながめていた。相対性理論の欺瞞の世界をいやというほど知ったこともあるが、おそらくそのこともあって、
物理の世界がそうなら生物学の方も似たようなことになっているのではないか?とひそかに思っていた。
本書によって、はっきりした。やはりここでも同じであった。
ダーウィン進化論の世界も、ここまで嘘と捏造で塗りたくられているとは!驚き、呆れる。
著者で生物学者のジョナサン・ウェルズは、現代生物学の教科書で歪曲された、偽造された事例が多く記載されてい
る事実を数々の証拠と科学的な論理でたんたんと明かしていく。とくに、教科書で使われつづけた絵(イコン)が多く
やらせ、ニセもの、想像上の産物である事実を指摘している。
とくに驚いたのは私もこれまで何度も見たことがあるヘッケルの胚の絵である。卵細胞が分裂した初期の状態は、
どんな生物も一緒だとする、あの絵である。おそらく誰もが知っているにちがいない、魚もカエルも亀も人間も鶏もどれ
も似た魚のような形をしているあの絵。生物はみな元をたどれば共通の祖先をもっている進化論の証拠とされるもの
だが・・
これが大嘘の絵なのであった!ヘッケルによって捏造された絵なのである。
実際の絵も記されているが、まったく似ていない。
さらに衝撃をうけるのは、この事実を1世紀以上も前から生物学者は気づいていたという事実である。
にもかかわらずダーウィン進化論が権威の頂点にたっていることもあり、ヘッケルの胚の絵が進化論の強力な証拠と
して使われてきたこともあって、多くの批判は無視されている。
しかし、リチャードソンらによって近年ヘッケルの胚は痛烈な批判にさらされ、進化論者をあわてさせている。それでも、
多くの教科書はほとんど昔のままの絵を載せ続けているのだが・・。
これはほんの一例である。他の多くのイコンの間違いが指摘される。
地球の原始大気組成から実験室でアミノ酸を合成したミラー-ユーリーの実験のおかしさ、自然選択の証拠としてよく
あげられるシモフリ蛾の色変化(カモフラージュ)の実験の誤り(やらせ)、4枚羽ショウジョウバエのイコンによる誤った
進化論への誘導説明などなど、唖然とする事実が膨大な証拠とともに丁寧に解説されている。
本書を読むと、ダーウィン進化論にはじつは決定的な証拠が何一つないとわかる。歪曲、捏造、誇張のオンパレード・・。
なにかと似ていないだろうか?
そう、相対性理論、ビッグバン宇宙論の世界とそっくりなのであった。
監訳者の渡辺久義氏(京都大学名誉教授、創造デザイン学会代表)は、前書きでこう書いている。
「・・誇張でなく、本書は衝撃の書であると言っていいい。・・・・若い生物学者としての著者の、生物学教科書に対する
ちょっとした不審であった。しかし、その不審をやりすごさず、徹底的に追求していくうちに、それは大きな驚きへと
変わっていく。いったいどうしてこんな理不尽なことが生物学教育の世界で起こっていて、しかもそれが長年にわたって
続いているのか、という生物学全体に対する大きな驚きと疑念である。そして、この疑念はついに告発に変わっていくの
である。
・・・・・・・・・・
これは我々のすべてが知っておかねばならないことである。なぜなら、我々が調べたかぎり(附記参照)、わが国の
生物教科書についても事情はほとんど同じである。ダーウィニズム批判の本は少なくない。しかし少なくとも英語圏や
日本の若者が、長年にわたって、ニセモノの証拠を使ったダーウィニズム洗脳教育を施されてきたという事実は、
この本によって初めて明らかにされたと言ってよい。これは、必ず誰かが書かなければならなった本である。・・」
注:色は杉岡がつけました。
渡辺氏らは、創造デザイン学会を立ち上げ、近年台頭してきたインテリジェント・デザイン(ID)理論を範として
ダーウィニズムや唯物論思想の克服に活躍されている。
「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一著、講談社現代新書) ★★★★
本書は、生物と無生物の交差する界面をみつめ生物の本質を問うた興味深い書。
福岡伸一氏の本は面白い。氏は一番下で紹介した「プリオン説はほんとうか?」の著者でもあり、その鋭い考察に驚嘆し、
たえず気になっていた。
@遺伝子はDNAである
この20世紀最大の発見の一つにまつわる影に埋もれた驚愕のスキャンダルを明かす。
そんなことはつゆ知らず我々はワトソンとクリックの偉大さのみをたたえ続けている。いまでは小学生でも知っている@
だが、ここに至るまで幾多のステップを踏まなければならなかったか。オズワルド・エイブリーやロザリンド・フランクリンら
の偉大な貢献は忘れられようとしている---、そんな人たちを氏は蘇らせる。
それにしても、「わかる」ということがいかにたいへんなことか、改めて痛感した。福岡氏の筆力をもってしてはじめて
私は@がわかった気がする。”わかる”ことは大変なことだ・・
PCRマシンがもたらした生物学への革命!DNAの複製を可能にしたこの重大発明をなしたのは、サーファーにして
LSD常用者、常時女性問題を引き起こしている天才・奇人?マリスだった・・。
マリスは女性とデートでドライブをしている最中にPCRの原理をひらめく。そしてノーベル賞。一発屋マリスがPCRを発明
した過程が語られる。
量子論に見切りをつけ生命の本質を問うた物理学者シュレーディンガー。その問いに多くの生物学者が触発される。
”動的平衡性”という巨大な発見(それは生物の定義をも変更するほどの発見)をなした孤高の天才ルドルフ・シェーンハイマー。
その研究にヒントをうけ、細胞とタンパク質を観察し、タンパク質の流れの可視化に成功したジョージ・パラーディ。
パラーディの孫弟子にあたる福岡氏が、師が残した問題を解くべく米国ロックフェラー大学とハーバード大学で奮闘。
細胞膜の動きに関わるGP2というタンパク質の発見、そして失望と落胆。
本書は、生物の本質を再検討し、20世紀後半の生物学界の巨大なうねりをあざやかに描いた名著。生物学を勉強
したい人にもオススメ。
「未来からの警告 ジュセリーノ予言集T」(マリオ・エンジオ著、韮澤潤一郎監修、山川栄一訳、たま出版)
★★★★★
現存する驚異の予言者・ジュセリーノの予言を解説した書である。
ジュセリーノはブラジル人(1960年生まれ)。数々の予言を90%以上の確率で当てている人で、浅川嘉富氏のサイト
で名前だけ見て気になっていたが、本書を読んでやはりすごいと思った。
9歳から夢を見続け、未来の災厄が夢で助言者により与えられるが、じつは普通の高校(最近は塾)の語学の先生で
ある。ジュセリーノは夢で見た予言への警告を各国、政府、要人に送っっているのだが、自身の手紙を公証人役場へ
逐一登録しており、内容を保存し日付の裏づけをとっているので証拠として確実だ。
郵送した手紙は8万通以上というから、驚く。送り先の住所は夢で助言者が与えてくれるという。
本書は、著者がジュセリーノに時間をかけて取材し、彼の人となりや保管した手紙類を伝えた労作である。世界中の
人に送った手書きやタイプ打ちの手紙も多く公開されている。
凄いところは、予言にあいまいな表現がなく緻密で明快であることだ。日付までどんぴしゃというのが多い。多少日付が
前後して起こることもある。
F1レーサー・セナの事故、ダイアナ妃の暗殺、スマトラ沖大地震、9・11テロ、地下鉄サリン事件、旅客機の墜落、
オーストラリアの干ばつ、バリ島テロ、ロンドン同時多発テロ、ローマ法王の病状悪化への警告など、多くの事例が
紹介される。
スマトラ沖大地震は、何度も警告の手紙を政府や大使館、モルディブ大統領などに送っている。
「私は、夢の中で、2004年に南アジアを直撃するとても大きな地震を見ました。それ12月26日、朝7時に起きます。
マグニチュードは8.9です。これによって、10mの津波が発生し、インドネシアのアチェ州に始まって、インド、マレーシア、
スリランカ、タイ、モルディブ、そしてミャンマーとモーリシャスまでにも広がります。間違いなく1万人以上の人々の命が
失われるでしょう。どうぞ私が申し上げることをお聞きください。この日には人々が多数の安全な場所を探すように伝えて
ください・・・」
そして、この予言は的中する。
地下鉄サリン事件は1989年に日本の警察他に手紙を送っている(予言は的中)。
他例でも、事故や災難が起こるからいまから気をつけよと何度も何度も警告する。
人間の意志で未来は変えられる、ジュセリーノは予言が当たってほしくないという。しかし、実際はほとんど当たってしまう・・。
人類の意識改革がもっとも重要と説く。
母親は、子供の頃からジュセリーノの不思議な能力を心配していた。名高い霊能者・フランシスコ・シャビエル氏に
出会ったことから予言者として大きく開花する。ジュセリーノが後年、予知することになる予知をシャビエルにそのとき告
げられる。そしてその通りに未来は動く。
日本の阪神大震災は1979年に予知し(古い手紙)、その通り起きている。
2011年に新しい戦争が起きることを予言。「アラブの国から始まります」という。
「世界の自然破壊が進み、森林の減少などで地球環境はもう40年以上はもたないでしょう。ですから各国の政府が
自然環境に対する態度を変えなければ、強烈な結果が今から6年後に始まるでしょう・・・・神のご加護がありますように」
と予知を列挙した2003年手紙の末尾で書く。
ジュセリーノは語る。
「巨大な気候の変化が起きるまでに、私たちは少しですが、まだ時間が残されています。2007年12月以降から、
黒い雲が世界中の空に広がります。ここにいる方々は見ることになるでしょう。
2008年1月以降から、人類の不幸が始まるのです。それが私を心配させていることです。そして多分、私には
必要な時間が足りないかもしれません。・・・・・・
しかし・・。私は疑問視されることを恐れませんが、そのために私は時間と闘っていくことになります。時間が短すぎます。
とても短すぎるのです・・・」
2007年末が、環境破壊に対して人類が意識を変える最終期限なのだという。
「・・あのような大災害のすべては、私たちが地球の自然環境を破壊したために起きるのだと私は信じています。
神様は、2007年12月31日まで、猶予期間をくださったに違いありません。・・」
「私は、本当に、2007年までに世界中に大きな意識変化が起きるよう願っています。」(ジュセリーノ)
「先ほどの黒い雲というのはいったい何なのですか?」
「それは、2007年12月31日以降に始まる気候問題と関係しています。2008年から2012年にかけて私たちは
恐ろしい日々を過ごすことになります。地震や病気が発生し、多くの人が亡くなり、動乱の日々になるでしょう。
2008年には、ブラジルのルワナという薬草からエイズ・ワクチンが開発されますが、しかしすぐに、エイズより
もっとひどい病気が発生します。これはかかると4時間で死亡します。その病気が私たちに襲いかかるのです。・・」
地球の未来も多く予言している。
本の末尾に、2007年から2043年にかけての予言が列挙されている。これを見ると、暗澹たる気持ちになる。
多すぎるので、大まかにしか書けないが、
・2007年あるいは2008年の7月13日に日本で地震が発生。(注1)
・2007年 10月に日本で地震と台風の被害が出る。
・2008年 エイズとデング病に有効なワクチンが開発される。
・2008年 フィリピンで7月18日にマグニチュード8.1の地震が起き、数千人が死亡。
・2008年 中国で9月13日にマグニチュード9.1の地震が起き、百万人以上の犠牲者が出る。
・2009年 1月29日にマグニチュード8.9の地震が大阪、神戸を直撃、数十万人の犠牲者が出る。
・2010年 コロンビアで1月に大地震。アフリカの数カ国で気温が58度に上昇、深刻な水不足。
・2010年 ニューヨーク株式市場が6月15日に崩壊。世界経済が危機に陥る。アメリカをトルネードが襲い、
大停電で死者が多数出る。全米に鳥インフルエンザが拡大。
・2011年 鳥インフルエンザが人間に感染し出し、2013年までに7300万人の死者が出る。致命的な新ウイルス
が出現する。エルスと名づけられ、免疫がなくなり動けなくなって肺に感染し4時間で死亡する。
・2017年 アフリカで気温が60度になり、世界中で干ばつによる激しい国家対立が起きる。
・2018年 6月に日本の東海でスマトラ地震を上回る巨大地震発生。
・2018年 世界中の政府が集まり、地球へ向かってくる小惑星についての対策会議が開かれる。ジュセリーノが2000年
に予知し2002年アメリカの宇宙観測所で発見されたこの小惑星(2007NT7)の地球への衝突の可能性は60%。
・2029年 6月にアポフィスという二つ目の新しい小惑星が地球への衝突軌道に入る。これが人類に重大な危機となる。
・2036年 11月に同じ小惑星が地球への衝突軌道に入ってくる。80パーセントの衝突の可能性があり、地球危機の
ピークとなる。
・2043年 世界人口が減少し、人類の8割が消える。
多くの重要な予言を省略した。詳しくは本を見ていただくしかない。
浅川嘉富氏HPの「未来を予知する男@、A、B」でも紹介される。(HP中央より下の「真相究明レポート」)
この本を読む前に、私は「日月神示 完全ガイド&ナビゲーション」(中矢伸一著、徳間書店)を読んでいた。
不思議なシンクロニッシティを感じる。
岡本天明に降りた神の啓示・日月神示(ひつきしんじ)を読むと、ジュセリーノのいうことが本当だとわかる。
(注1)ここは本にミスがあり、韮澤氏サイトの正誤表にもとづき訂正している。
「日本とユダヤ/魂の隠された絆」(中丸薫、ラビ・マーヴィン・トケイヤー著、徳間書店) ★★★★
著名なユダヤ教のラビ(教師)・トケヤー氏と中丸薫女史の対談集。
古代において日本がユダヤの影響をいかに受けたかがまず語られる。アカデミズムに封印されている歴史が
次々と明かされる。日本の神社がユダヤの古代神殿の形・儀式と非常に似ていることをトケイヤー氏は指摘。
神道の神官の服装が古代ユダヤの祭司のものとそっくりであることに来日当時びっくりしたという。赤ちゃんの
「初宮もうで」の形式、塩で清める風習、伊勢神宮の警備の仕方、日本語とヘブル語の類似性・・その他多くユダヤ
のものに似ているという。日ユ同祖論という説があるが、多くの民族がかつて日本に流入した中にイスラエルの部族
が含まれていたことは確実であり(第一陣は2500年ほど前か?)、彼らの高い文化でもって日本神道の中心的部族と
なっていった経緯が示される(これらは飛鳥昭雄氏らもよく指摘しているが)。 さらに泰氏のことも・・。
1930年代に日本が計画していたユダヤ人移住に関する驚嘆すべき「フグ計画」とは? 東條英機が多くのユダヤ人
を助けた大恩人であるという闇に埋もれた事実をトケイヤー氏は明かす。
ユダヤ教神秘主義の書・ゾハールと画家・岡本天明が自動書記した一二三神示(ひふみ神事)からも多くが引用される。
とくに一二三神示は、その内容の深さ、難解さではどんな書もかなわぬほどの力をもつ。
二人の対談より一二三神示の凄さに惹きつけられた。
注) 一二三神示は、日月神示とも書かれるがその読み方は、ひつき、ひつぎ、ひつく、など一定でない。
(「日月神示」(中矢伸一著、徳間書店)より
-----------
2007/7/3追加
Nobuさんが、日月神示(一二三神示)の全文を送ってくださった。-->日月神示
黒住、天理、金光(こんこう)、大本と続いて岡本天明に降りた最後の神示・日月神示をぜひ読んでいただきたい。
「石の扉」(加治将一著、新潮文庫) ★★★★
フリーメーソンで読み解く世界
”フリーメーソン”は日本人がもっとも誤解しあやふやにしか理解していないものであるが、それを誕生の歴史から
ほり起こし、膨大な取材と信用のおける情報から解説した優れた書である。
アメリカ国家の誕生に、フリーメーソンが深く関わり、そのシンボル、暗号が1ドル紙幣のあちこちに埋め込まれてい
る驚くべき事実。アメリカ歴代大統領の15人までもがメーソンで占められていた。
石工(建築家)集団であった「実務的メーソン」が、徐々に「思索的メーソン」へと変容をとげていく過程が克明に描か
れる。十字軍に代表されるテンプル騎士団とフリーメーソンの深い関係。秘密結社という鎧をまとい、つねに公に出ず
独特の儀式を行い、ひそかに活動する膨大な数のメーソン、そして数々の組織。古代からつづく儀式が人間に与える
心理作用とは?
メーソンたちは世界中、「自由、平等、博愛」で兄弟のように結びついている。その強大なネットワーク、コネ・・。
メーソンとユダヤ民族、そしてキリスト教との関係は複雑で、深い。メーソンと陰謀はとくに無関係と著者は主張するが、
はて真実は?エジプト神話とメーソン儀式から謎に満ちたピラミッドの役割を推理。ピラミッドは王墓ではない!
明治維新にフリーメーソンが決定的な役割を果たしたという、闇に埋もれた事実を提示。
維新で活躍した坂本龍馬、伊藤博文、桂小五郎らの若者たちを、影から操り(姿を表に出さず)、長崎に居をかまえて
資金を提供しつづけた英国商人グラバー。これは下方で紹介した同著者の「あやつられた龍馬」(祥伝社)で詳細に
論じられている。三菱財閥が急成長しえたのもグラバーらの甚大なる援助があったからだ。
欧米の世界企業、映画産業、作家、音楽家など著名人に、現代でもいかに多くのフリーメーソンがいるか、その衝撃的
な数には驚くほかない。この人も、この人もか、ええ、この人も!?
映画の中に、それとなく紛れ込ませるメーソンの多くの印、マーキング。ベストセラーや賞の受賞などには、日本人が想像も
つかないほど、メーソンの力が働いている。
「[仮説]巨大地震は水素核融合で起きる!」(山本寛著、工学社) ★★★★
こちらで先に紹介した技術ジャーナリスト・山本寛氏のこの書を読み終えた。非常に面白い内容である。
GPSの精密な観測から、地震はプレートの沈み込みによるひずみで生じるとする従来説に、最近疑問符が生じて
いる点を指摘し、山本氏は地震発生のまったく新しいメカニズム(仮説)を提唱された。
GPSからスロースリップという新現象が起きていることが判明しているが、それを元に構築される学者説には全く
信憑性がないことを説得力をもって説明。地震は地下水と金属の反応から生じた原子状の水素が地中に水素だまりを
形成し、それがブラックライト・プロセスや核融合をへて大爆発を起こすことで生じるという。
従来説では説明できなかった余震の発生、P波/S波の関係、ヘリウムが噴出する地震の謎などがうまく説明でき
ることを数々の論拠をもって解説される。細かい点では気になる所もあるが、「なるほど、こういう見方があるのか」
と感心させられる点が随所にある。
温暖化対策として近年行われているC02の地中への封入やまたダム建設が地震発生を起こしやすくする危険行為
であることなど、画期的な指摘がなされた。
浜岡原発の配管破断事故における報告書の嘘や、常温核融合のあれこれ、また島村秀紀・元北大教授が地震学の
主流派、行政当局に突きつけた「不都合な真実」など面白い話題が満載される。
従来説に固執するあまり行き詰まりを見せる地震研究に対して、本書がまったく新しい視点を加えたことだけはたしか
であると思う。
これに触発されて、多くの人が様々な角度から議論を行うならば、地震学は大きく発展することだろう。
「”闇”の世界権力構造と人類の針路」(中丸薫著、文芸社)★★★★★
マスコミからは決して得ることのできない世界の真相を明かした画期的な書。
国際政治評論家・中丸薫女史のこの手の本としては最初の本と思われるが(1997年)、渾身の力作である。
ロスチャイルドやロックフェラーという超巨大 国際金融財閥のマスコミを使った徹底的な情報操作。彼らにより戦争が
たえず人工的、定期的にひき起こされているという唖然とする事実。捏造されたニュースを我々は本当の情報と信じて
いるのだ。
ソ連という共産主義国が闇の国際金融勢力によって米国と対立させる目的で意図的に作られた仮想国であり、
たえず紛争の火種を消さないため軍産複合体を常に繁栄される目的で維持させられてきた超極秘の真相を暴く
(この辺りは副島隆彦氏もよく指摘する)。秘密裏に、米国ロックフェラー財閥によりソ連への財政の援助がなされつづけて
いた・・。ロマノフ朝を壊滅させたロシア革命の信じがたい真相、戦争の火種を世界中にばらまき、たえず緊張感を
高める闇勢力。
「クエートの少女が泣きじゃくる」という世論操作のやらせ番組をくり返し放映し米国民を誘導して、湾岸戦争を正当化
した米国CIA。「イラクは恐ろしい国」と世界中に植えつける洗脳作戦が実行された。
湾岸戦争で最新鋭の兵器と大量の爆弾が(在庫整理の意味で)徹底的に使用され、膨大な数のイラク国民を殺戮した。
この戦争に日本が130億ドルも拠出した。このあほらしさ!
「サダム・フセインが生かされ、政治生命を持ち続けている事実の背後には、遠くない将来に再び大きな戦争が起こさ
れる計画が見えてくる。そのときにはアラブは再度、だまされなければよいが、と私は憂慮している。」と中丸女史が
本書に記した予言(1997年)が、なんと当たってしまった!!
キッシンジャー(米国)など悪の代理人により巧妙にだまされ湾岸戦争へとひきずりこまれていったイラクの哀れな
様が描かれる。
劣化ウラン弾の後遺症に悩むイラク国民、闇金融勢力に不利な情報は一切報道しないマスコミ。
この他、膨大な益をうむ麻薬貿易が国際金融財閥により平然と行われている事実、ベトナム戦争の裏側の真相、
タビストック研究所により恐るべき群集コントロール、”男女同権運動”を広めた彼らの究極のねらいは?
タビストック研究所に関しては、下方で見た「タヴィストック洗脳研究所」(ジョン・コールマン博士著)も参照されたい。
「最高支配層だけが知っている日本の真実」(副島隆彦編著者、SNSI副島国家戦略研究所、成甲書房)
★★★★
鬼才・副島隆彦氏とそのお弟子さんたちによる論文集であるが、従来の歴史観を覆す内容が随所に散りばめられた
画期的な書である。
須藤喜直氏の論。日露戦争の日本海海戦、ロシア艦隊を見事?打ち破った裏には、深い闇が隠されていた。ここまで
英国が日本に食い込み、そして英国の軍人の指導の元に、この海戦が指揮されていたとは!全く知らなかった。いや
日本人はほとんど知らない。我々は教科書の美談を本当の歴史だと思い込んでいるのだ。
「百年たっても「真実」が見えない日本海海戦」とあるが、全くその通り。司馬遼太郎のおかしな歴史観も証拠をもって
随所に指摘している。
中田安彦氏の論。郵政民営化の裏で米国の巨大広告会社が緻密な社会科学的な手法でもって日本の大衆を
洗脳し、見事、小泉大勝利へと導いた構図を暴露する。
第一次世界大戦で米国の大衆を、戦争反対から、世論操作によって参戦賛成へと誘導することに成功したリップマン
やバーネイズを紹介。権力者に有利なように大衆世論を誘導していく現代の広告、PR会社の恐ろしい実態を解説する。
私たちは、知らず知らずのうちにコントロールされているのだ。
根尾知史氏の論。明治維新に隠された巨大な闇を暴く。下方で紹介した名著「あやつられた龍馬」(加治将一著)を
引用しつつ、
「明治維新という歴史的事変は、イギリスによって懐柔され洗脳された諜報員、つまり英国のスパイに育て上げられた
幕末の志士たちによって実行された、お手盛りの「人工的な革命」であったという真実が、英国側の歴史資料なども
綿密に調査された上で、明確に描かれている衝撃的な内容である」と指摘。
維新は、英国が武器・船舶の貿易を拡大するため、日本をこじ開けようとしてすすめられた。
世界金融市場の真の仕組みを解説し、「自由競争」「自由市場」など実際は存在せず、超巨大金融資本家にのみ
富が集積するシステムが巧妙に構築されている実態を示す。
日野貴之氏の論。1800年代、多くの戦争に関わった英国の政治家パーマストンに焦点を当て、イギリスの植民地政策
を述べる。アヘン戦争。
アヘンによって清国で莫大な益を得る英国。抵抗する清。アヘン商売を手放そうとしない英国。多くの戦争をしかけて
は清を徐々に弱体化させ、ついにアヘン取引を公認させたえげつない英国の姿を描く。その大きな流れの中でイギリス
は日本の明治維新にも関わっていく・・。
この他、重大なことが、多くの人により書かれている。ぜひ読んでいただきたい!
「FBI超能力捜査官マクモニーグルと「遠隔透視」部隊の真実」(並木伸一郎、宇佐和通著、学研)
★★★★★
遠隔透視(リモート・ビューイング)が軍事に利用されてきたことを記した衝撃の書。
遠隔透視とは、地理的に遠く離れた場所の情景や物体を描写する超能力にちかい能力であり、現在のみならず過去
や未来の状況も透視する。インゴ・スワンやジョー・マクモニーグルなど多くの巨人たちが米国の極秘プジェクトの中で
活躍し、CIA、FBIなどで軍事や捜査に多大の貢献をしたことを記す。
超能力の研究で先をいくソ連に恐れをなしたアメリカが、極秘にリモート・ビューイングの研究を押ししすすめた様が
詳述される。著者・宇佐氏のインゴ・スワン、マクモニーグル、リン・ブキャナン、ポール・スミスとの直接インタビューが
面白い。
CIAとのかかわりで民間のSRI(スタンフォード研究所)が中心となリモート・ビューイングの研究を深めていく。
マクモニーグルが核関連施設の透視で見せたソ連や中国の軍事施設の正確な描写。遠隔透視の能力を開花させる
科学的な手法がすでにインゴ・スワンらによって確立されている。そして、その手法で多くの遠隔透視者が誕生していた!
市民が知らないところでサイキック・スパイの養成がなされていたのである。常人でも訓練をつめば遠隔透視が可能とい
うのだが。
モンロー研究所とマクモニーグルとのかかわり、そして体外離脱と遠隔透視の違い・・。火星や木星の透視。スワンは
探査衛星が発見する以前に木星の輪を透視で発見していた。パット・プライスは地球地下のUFO基地を透視。
いまだ謎につつまれるツングースカ大爆発(1908、シベリア)の原因に迫る、3人の透視者たちの描写の一致・・。
彼らが得た驚くべき結論とは?
2007/2/3開始
「アメリカの日本改造計画」(関岡英之+イースト・プレス特別取材班、イースト・プレス) ★★★★★
この本は、私が何度も(下方で)紹介してきた「拒否できない日本」の著者・関岡英之氏が、さまざまな人に
インタビューする形式で米国の日本支配の実態を暴露するものだが、読んだ所から紹介していく形をとりたい。
いまやアメリカの奴隷となったマスコミからは決して得られない情報が得られる。
2007/2/3
●『「NTT解体」という謀略』」 石黒一憲(東京大学法学部教授)へのインタビュー p.170-177
石黒氏はNTTの分割・民営化がじつは米国の強力な圧力のもとで行われてきた恐ろしい事実を指摘。
旧日本電信電話公社(現NTT)の民営化は1985年中曽根内閣により決定されたが、当時アメリカはNTTの技術力を
非常に恐れていた。1989年、NTTが次世代デジタル通信網にC-トロン採用を発表すると、アメリカは批判を強め採用
しないよう圧力をかける。
NTTがヨーロッパと組んで行ったFTTHという光ファイバー推進技術の国際標準化に成功した姿に激怒したアメリカ
はそれとタイミングを合わせる形で日本に強硬な圧力をかけ、1997年NNT法は改正され分割されるにいたった。
米国はNTTの技術力の弱体化に成功したのである。マスコミはあたかも日本国内の問題でなされたかのような報道し
つづけた。年次改革要望書も重要な役割をはたす。
石黒氏は「背後にアメリカの対日戦略が絡んでいるという視点がまったく欠落していたんです」とマスコミを批判。
公正取引委員会が米国のいいなりになって自国のNTTをつぶしていった過程を述べる。(公取委のおかしな実態について
はたしか関岡氏?の本でも見たことがある)
「日本国内にはアメリカのメッセンンジャーとしか思えない連中が無数にいます」と石黒氏。
日本は金融のみならず情報・通信も米国に蹂躙されてつづけている。これが米国の植民地日本の実態である。
2007/2/3
●『世界覇権国家・アメリカから見透かされる日本』 副島隆彦氏(評論家)へのインタビュー p.96-107
副島氏は、米国は安部政権に疑問を抱いているとして安部政権は長く続かないと予測。近い将来、米国からの命令
により消費税のアップ10〜15%が実行されその税金をアメリカに貢がされる事態を心配する。
チェイニーやラムズフェルドなどがロックフェラーら超巨大勢力の意向に基づいて政治を動かしている舞台裏の一端
を暴露。
氏は911テロがアメリカ国家の完全なる自作自演であった!事実を証拠を交えて主張。
(アメリカではもうかなりの国民が気づいているようである。日本でも中丸薫女史、副島隆彦氏、ベンジャミン・フルフォード、コンノ・ケンイチ氏
その他多くの人の著作により、知る人も増えているはずである) 飛行機が突っ込んだくらいで巨大ビルがきれいに消失などしない
のである。ビル解体作業のように倒壊するよう事前に爆弾が仕掛けられていたのだ。
アメリカは選挙結果の集計作業がある1社により独占的になされていて、本当に集計が公正になされているか疑わし
いという。ICチップ、ICタグが米国の兵隊らの腕にすでに埋め込まれはじめている恐ろしい事実を指摘(ICチップのの危険
性は中丸薫女史もよく指摘する)。「ICタグを体に埋め込まれたら、GPSで常に居場所を特定できます。」と非常な憂慮を示す。
2007/2/4
●『「日本独立」の気概はどこで失われたのか?』 森田実氏(政治評論家)へのインタビュー p.82-95
森田氏は戦後から現代までの政治をうまくまとめている。日本が巧妙にアメリカに骨抜きにされていった過程を語る。
自主独立の気分をもった田中角栄が失脚させられた裏側を推測。知識人を盛んにフルブライト留学させ、アメリカ型価
値観へと洗脳させられた人たちがその後の日本のリーダーとなり日本をミスリードした過程を述べる。
日本から富を収奪する手法を徹底的に研究し(プラザ合意、郵政民営化・・)、米国により日本の国富が吸い尽くされて
いく構図を解説。宮沢総理は年次改革要望書を拒否できずに呑まさてしまう・・。
日本の政治家を支配するためつねにスキャンダルを調べ、従わない者はマスコミにスキャンダルをリークして失脚させ
るアメリカ。中曽根政権時代に米国追従の雛形が出来上がり、小泉政権でそれが徹底的に実行されたことを指摘。
米国に不利益になる発言をした政治家は次々に失脚させられていく恐ろしい構図が存在することがよくわかる。
2007/2/4
●『なぜ私は「造反議員」となったのか』 小林興起氏(前衆議院議員)へのインタビュー p.152-159
小林興起(こうき)氏は、下方の「奪われる日本」(関岡英之著)でも登場した、郵政民営化の大嘘を見抜きそれに反対
した真の愛国派議員である。反対議員が小泉政権のマスコミをあげての喧伝によってつぶされていった過程を述べる。
郵政民営化で行われたマスコミへの言論統制、それにコロリとだまされた国民。小泉政権が派閥を弱体化させた弊害
を述べ、自民党議員にすらオープンにせず政府と米国との間で秘密裏に会合を重ねてつくられた郵政民営化法案の
過程を明かす。「小泉さんにしろ、竹中(平蔵)さんにしろ、まさにアメリカべったりで、日本の市場をアメリカの自由にして
属国化させようとしたわけです。」と主張。
真実を主張する議員は大半が粛清され、権力におもねるような議員ばかりが残ったという。
2007/2/4
●『誰のための「構造改革」だったのか』 紺野典子(こんや・ふみこ)氏(エコノミスト)へのインタビューp.108-119
こんな真っ当な意見をいえるエコノミストがいたのかと感心した。
「いざなぎ景気超え」を謳う政府のごまかしを指摘。正社員が激減してパートや派遣がふえ、生活の安定から程遠い状況
を説明する。政治の使命は国民の安心と安全を守ることであるにもかかわらず、それを利益最優先の民間にまさせる
危険性を指摘した。
竹中平蔵氏が金融大臣のころ必要以上に不良債権の査定を厳しくしたり基準を突然変更したため多くの銀行、企業が
倒産させられた(本来倒産する必要のないところまで)。その失策を糾弾!その結果、外資のハゲタカファンドにより超安値で
日本の企業・銀行が次々に買収されていった。竹中氏が”米国の手先”といわれる理由がよくわかる。
2007/2/5
●『アメリカ「年次改革要望」の研究』 横田一氏(ジャーナリスト)の解説 p.272-281
アメリカが毎年日本に突きつけてくる年次改革要望書の実態をうまくまとめている。
年次改革要望書は関岡英之氏が数年前に大ベストセラー「拒否できない日本」で明かし、日本に激震をもたらした
超重要文書である。しかし奇妙なことにマスコミはこれをタブー視し、だんまりを決めこんでいる。
その対象は、通信、IT、金融、エネルギー、医療・医薬、競争政策、司法制度などありとあらゆる分野に及び、ああせよ
こうせよと細かく指示している。
この要望書を一言でいえば、「日本をこう改革せよ!」という米国からの命令書であり、提出されると数年後にはその
ための法律が出来上がっていくという信じがたいことがここ10年行われてきた。
これにより日本の経済やよき伝統・文化がズタズタにされた。それは”規制をもっと緩和して、外資の参入をしやすくせよ”
というものであり、M&Aや乗っ取りをたやすくさせるものであって、実際に多くの銀行や企業・施設が外資に買収されて
いった。詳細は、「拒否できない日本」に書かれているのでぜひ読んでいただきたい。
年次改革要望書は在日米国大使館で日本語訳で公開されており、だれでもHPで見ることができる。ぜひ見ていただ
2007/2/9
●『アメリカがおしつけた「東京裁判史観」が封印した、戦前日本の知的遺産的研究』 p.32-60
佐藤優氏(起訴休職外務事務官)と関岡英之氏(ノンフィクション作家)の対談
話題の書「国家の罠」(新潮社)を著した佐藤優(さとうまさる)氏と関岡氏の対談である。
非常に面白く、内容が濃い。二人は、昭和の巨人・大川周明という天才を掘りおこす。
戦前に英・米の「自由主義」のいかがわしさを喝破した大川の著書「米英東亜侵略史」を、いまこそ広く読まれる重要文献
と指摘。大川らが主張した大東亜共栄圏構想が洗練された棲み分けの論理であると評価し、世界の均一化をめざす米英
のグローバリズムに対抗しうる優れた理念であることを強調する。
総理にもなった近衛文麿(このえふみまろ)が当時、国際連盟などアングロ・サクソン強者連合の世界覇権を維持するための
装置にすぎないと喝破し批判していたことなど次々に重要な点を指摘していく。
--------------
2007/4/15追加
内容の濃い本が多く紹介されている。
2007/1/28
「漂流物」(車谷長吉著、新潮社) ★★
車谷氏は気になっていた人だった。
昨日本屋にいったとき膨大な数のなかからなぜか偶然に車谷氏の本を手にとった。いくつのか短編がおさめられて
いる。「漂流物」というのはいちばん最後にある物語である(これがそのまま本のタイトルにもなっている)。まるでエッセイのよう
な書き出しだ。会社をやめ料理屋の追い出し(下働き)としてすごした日々を書いている。
ある晩青川さんという近くの料理屋ではたらく人がぶらり酒をさげ車谷氏を訪ねてきた。あんたといっぺん飲みたかった
ということだが、青川さんは酒をぐいぐいのみながら自分の人生をかたりはじめた。青川さんは人もうらやむ自動車会社に
就職するもなぜか入社式で自分の人生がおわったと感じ長い旅にでる。家族にも会社にも無断で。いく先々で女を買う。
あてどもない旅である。「コインの表が出たら帰ろう、裏が出たらここに泊まろう」などなんどもコインで選択をきめた。
東北、北海道、北陸・・金にいきづまるとその先々で仕事をみつける。ある晩に夜逃げする。少年たちとであった。バスの
中で少年たちに期待していたことを裏切られたと感じた。そして偶然海辺の浜であの少年たちと出会う。なぜか青川さん
は少年を殺してしまう。夜にスコップでうめる。その後新聞にこの件にかかわる記事はでなかった・・そんな独白が
えんえんとつづく。
私のこの短いへたくそな解説では到底その真髄を表現できない。こんな小説をよんだのははじめてである。気分が滅入
るような気持ちになり色々考えさせられた。私(わたくし)小説という形をかり車谷氏は自身の体験談を書いているよう
である(いやそうではないのか)。そうとしか思えないのである。第一級の小説である。
この私の解説はやはりへただ、車谷氏に申しわけない。書かねばよかったのか、しかし書いた。
2007/1/9
「辺界の輝き」(五木寛之、沖浦和光著、講談社) ★★
流浪の民を主題に語り合った五木寛之氏と民俗学者・沖浦氏の対談集。
サンカ。こんな人たちが日本にいたとは知らなかった。農耕民ではない、山から山へ移動していく流浪の民である。
川魚をとり竹細工を作ったりして村々を訪れまた祭りに関わり芸能をも行ったりする人たち、化外の民、辺境の民
マージナル・マンである。瀬戸内海など海を住処とした”家船(えぶね)”とよばれる漂海民もいて山人、海人がいかに
日本文化におおきな影響をあたえてきたかを強調する。かれらを記した文献はほとんど残っていない。
身分は低くつねに蔑視されていながら、それでいて祭りや新年の重要な神事では祝詞をうたい万歳を演じる役目を与
えられる化外の民。二人はそこに芸能のルーツをみる。かれらは定住民に刺激をあたえつづけた。沖浦氏は日のあた
らない一所不住の民の文化を日本中を訪ね歩くことで紹介してきた民俗学者だ。かれらに焦点をあててはじめて日本の
幾重にも重なった深みのある文化が理解できると二人は主張する。柳田国男は生涯 山人、海人を気にかけつづけた
という。柳田の名は何度もでてくる。
「あやつられた龍馬」(加治将一著、祥伝社) ★★★★★
( 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン )
すごい書だ。本書は近代史を覆す内容を持つ。
明治維新に英国(諜報部)がここまで決定的にかかわっていたとは驚きである。坂本龍馬、伊藤博文、井上馨、五代友厚、
勝海舟ら維新の志士たちは英国の手のひらの上で踊らされ利用された手ごまのように感じられる。
歴史の表に現れなかった裏側の全容がくっきりと姿を現したといえるだろう。
龍馬暗殺の状況。現代まで闇につつまれ謎だらけであるのはなぜか。現場に駆けつけた人たちの証言がはっきりせず
バラバラなのはなぜなのか。説得力のある解説を著書は展開した。
明治維新を影で操ったのはグラバー邸に名を残すグラバーやアーネスト・サトウ、パークスらの英国人であり、彼らと
坂本龍馬や伊藤博文、五代友厚らは頻繁にやりとりし命令を受け行動していた。20代の伊藤、五代ら多くの若手が
議会制度などをふきこまれどんどんと英国側にとりこまれていく様が描かれる。若者たちはグラバーらの手先のように
なって縦横無尽に働く。スパイが暗躍した維新。グラバーらは表には現れず奥から日本を操作しつづける。事件と
新聞をうまく利用し英国側は薩摩、長州、土佐をとりこんでいったのである(その手法は現代でも生きている!)。
幕府を倒したい英国。英国(グラバーら)の思惑を実現せんと活躍する維新の志士たち。グラバーらは伊藤博文、
井上馨ら長州ファイブ(5名)を英国へと密航させた。その5名のうちなんと4名までが明治の造幣局の局長の地位
についた不思議!松下村塾の塾生ばかりが明治の要職についたのは塾が諜報機関としての役割をもっていたから
だという。維新に登場する人物の多くはフリーメーソンの息がかかっている。
駐日公使パークスは「半身不随の日本政府にかわり、明快な制度が生まれる可能性が大きいことをお伝えできる
のは、じつにうれしい・・(以下略)」と手紙に書いた。英国と日本の諜報部員として働く龍馬。なぜ一介の足軽程度の
郷士にすぎない坂本龍馬があれほど活躍できたのか。英国のバックがあったからである。
「日本において、体制の変化が起きているとすれば、それは日本人だけから端を発しているように見えなければなら
ない」(1866年4月26日 ハモンド外務次官からパークス在日公使宛公文書)
このように維新の革命は巧妙にすすめられた。英国とはなんと不気味な国であることか。
無血革命をめざす龍馬。しかし龍馬と武力倒幕派(英国・薩摩・長州・土佐ら)の意見の相違が次第に目だってくる。
孤立していく龍馬。影で日本をあやつるサトウ。目障りな龍馬。ついに龍馬は殺される。
いったい誰に殺されたのか?著書・加治氏は驚愕の結論を本書の後半で述べた。
2007/1/4
「歴史にはウラがある」(ひろさちや著、新潮文庫) ★★
仏教学者ひろさちや氏の本は久々であったが、なんとも面白い。
ペリーが浦賀沖にやってきた、さあたいへんだ。ペリーらの目的はじつは捕鯨に関係していた!マホメットが洞窟に
籠り祈祷や瞑想にふけっていたとき異常な霊的体験をし妻に勧められ伝道を始める話。明治初年、北海道に独立共
和国が実在したという嘘のような本当のこと。日本は明治はじめに民族衣装を捨てた。その経緯と天皇にからんだ真
の目的は?
「人事を尽くすと天命がわからなくなる」という”へそ曲がり”を自認するひろさん一流の哲学。
諸説あってもいまだに語源がはっきりしない”天麩羅(てんぷら)”ということば。語学の天才マルコ・ポーロは蒙古
の覇者フビライ・ハーンにながくつかえた。使者として中国や遠くベトナムの地に派遣されたポーロの法螺話をおおい
に楽しむハーン。ソールズベリーは大砲を最初に作った男だが、この人が大砲の弾丸で死んだ最初のイギリス人で
あるという笑えぬエピソード。その他多くが掲載される。
「歴史は語る者の主観に左右されたものなんです。客観的な歴史なんてありません。」とひろ氏は説く。
2007/1/2
「人類の発祥、神々の叡智、文明の創造、すべての起源は「異次元」にあった」
(グラハム・ハンコック、エハン・デラヴィ 著、徳間書店) ★★★★
”異次元”といってもなにもオカルトを意味するのではない。シャーマンらが見る変性意識状態のことである。
アマゾンのアヤワスカという幻覚剤を飲むと変性意識状態に陥り幻覚を見る。ハンコックはそれをアマゾンで何度も飲み
実体験する。驚いたことに幻覚に現れる巨大な蛇や半獣半人間が人類が数万年前に描かれた洞窟壁画に極似してい
るのだ。誰が飲んでも観る幻覚がみなほぼ同じものであるという。
姿形だけ進化し何百年も人間らしい芸術がなかった人類が、突如4万年前に世界中で芸術(洞窟壁画など)を描き
はじめた不思議な現象にハンコックは注目する。その真の理由が変性意識状態に帰せられる可能性がでてきた。
脳が異界と交信するための受信機の役目をはたし波長(意識状態)を変えることで異次元とアクセスできる可能性を
ハンコックは指摘。脳がすべてとする現代科学に疑問を呈する。果たして私たちが、起きているときにみる現実だげが
現実なのか?夢でみる夢も現実なのではないか?という重要な問いを発する。
その他、契約の箱(アーク)の謎、DNAを発見したクリックが幻覚剤LSDを飲み観た幻覚から2重らせん構造を発見
したことなど・・。
「世界はここまで騙された」(コンノ・ケンイチ著、徳間書店) ★★★★★
( 9.11は捏造!!その戦慄の証拠群 )
これは長いこと気になっていた本であり、先日、偶然本屋でみつけ迷わず買った。
著者・コンノ氏は9・11テロがアメリカ政府の自作自演であったことを数々の証拠をあげて示す(1*)。
WTCビルの崩壊は事前に爆弾が仕掛けられていたからである。突入機は遠隔操作されていた?爆発音を多くの人が
聞いた。ペンタゴンに墜落したとされる飛行機の破片がないという不可解さ!
事件当日、ビルに勤務する4000人ものユダヤ人が欠勤した?怪。ハイジェック犯が生きていてた不思議。
米国の対航空防衛網が全く作動しなかったおかしさ!(戦闘機の発進がなぜなされなかったのか?)
9・11は綿密な計画のもと行われた超国家勢力による自作自演であった!
911は終末戦争へむけての助走にすぎないという驚くべき事実を指摘。
多くの人々が目撃したファティマ大奇跡に多くのページがさかれる。封印されたファティマ第3の予言とは?
キーをにぎるロシア。聖書予言と人類の未来。666という数字の意味は?ツングースカ大爆発と歴史の関係・・。
(1*)いまでは中丸薫女史、ベンジャミン・フルフォード氏、副島隆彦氏ら多くの人により、この驚愕の事実が暴露されているが本書は
かなり早い時期に指摘したものといえる。
「タヴィストック洗脳研究所」(ジョン・コールマン博士著、太田龍監訳、成甲書房) ★★★★★
世界を深部からあやつる闇勢力の超極秘機関の実態を暴露した画期的な書。
(タヴィストック研究所は、中丸薫氏がときどき言及されており気になっていた。)
コールマンの本書を読み、戦慄を覚えた。マスコミやメディアを通じて、人類を徹底的に洗脳する手法が、ここまで
科学的に精緻に完成させられていたとは!意図的に作り出された流行を通じて知らぬ間に私たちはマインドコント
ロールされている恐ろしい実態が明かされる。米国、英国の主要な全マスコミ、音楽メディア、教育界、教会、有名
企業はタヴィストック研の支配下に置かれているのだ。
彼らは教育を破壊し、人間を動物にまで落とし白痴化させ奴隷化させていく(何のために?)。
戦争反対の国民を、戦争賛成へとなびかせる見事なプロバガンダ。ルーズベルト、ウィルソン、カーター、クリントン、
ブッシュ(親子)らほとんどの歴代大統領は闇勢力(三百人委員会)の操り人形であった。
戦争を反対する英・米国民を戦争賛成へと変えた驚くべき大衆コントロール。英国王室とタヴィストック研究所との深い
関係。タヴィストックに完全に洗脳された人が米国大統領に選ばれる仕組みとは?憲法を無視した法律が次々作られ
ていくアメリカ(そしていま無法国家と成り果てた)。嘘だらけの情報を流してイラクやアフガニスタンやセルビヤへの攻撃を
行った背景・・。
ジョン・コールマンの書はぜひ読んでいただきたい。陰謀論などと笑う人は、その人こそマインドコントロールされて
いる証拠である。日本ではコールマンの著作は太田龍氏(-->氏のサイトはこちら)により積極的に紹介されている。
「ジョン・コールマンを読まずして死ぬことなどできない」という文句を下方で書いたが、真実である。
「日本が闇の権力に支配される日は近い」(中丸薫著、文芸社) ★★★★★
本書は1998年刊のものであり闇の陰謀を暴く内容のものとしては氏の初期の作品に当たる。さすがに、よかった。
淡々とした筆致で日本人がなにも知らない事実がつぎつぎに明かされていく。
国連やWHOなどが闇の金融勢力に支配された悪の機関であるという驚くべき事実が書かれる。エイズはじつは世界
人口抑制のため米国の化学細菌研究所で作られた細菌兵器であった!(サルとの交配で人間にかかったという大嘘をわれわれ
は信じ込まされている) ソ連という超巨大・共産主義国誕生は遠大なる計画のもとに行われた壮大な空芝居であった。
恐ろしい細菌兵器で人体実験を繰り返す米国のおぞましい姿。ゴルバチョフ出生の驚嘆すべき秘密、カター元大統領
やゴルバチョフのノーベル平和賞受賞の裏にかくされた秘密。IMF介入国ばかりでエイズが蔓延している本当のわけ。
正義の仮面をかぶったIMFという悪魔の機関の実態・・・、そして地球温暖化の大嘘。
米国で陰謀を暴露しつづける歴史家ユースタス・マリンズ氏と中丸氏との対談が興味深い。日本人がいかに無知か
を思い知る。
巨大権力・ロスチャイルド、ロックフェラーは巧妙な手段を用い米国の金融界を独占した。医療・製薬分野をも支配し
薬漬けにし巨利をむさぼり、米国民の健康は悪化の一途をたどる。
この書が1998年に書かれたことに注目すべきである。いま2006年、この8年の間に闇勢力の手先ともいえる小泉
政権をとおして日本はズタズタにされた(その過程は、副島隆彦氏や関岡英之氏の下で紹介した本に詳しく述べられている)。
「隠された証言 -日航123便墜落事故-」(藤田日出男著、新潮文庫) ★★★★★
日航ジャンボ機墜落事故は1985年のことである。もうとっくに事故原因など究明されていると普通なら考える。
しかし、事故原因が何だったのか、いまだ全くわかっていないのだ。事故調査委員会(以下、事故調)の報告書には
多くの嘘・デタラメが記載されていた・・唖然とする事実を記した衝撃の書。
著者・藤田日出男氏は、元日航のパイロットであり航空安全推進の立場から、事故原因の調査、事故調報告書
の検証を続けてきた人で、その専門的見識と誠実な検証態度に感動する。と同時に、事故調のいいかげな報告書
にあきれる。なぜこんなことが平然となされてきたのか?
墜落現場の特定があまりにも遅れたのはなぜか?(何台ものヘリコプターが早くに現場を見つけていたにもかかわらず、誤った
位置情報が流されつづけた。それらは意図的に流されたとしか考えられない・・なんのために?) 墜落直後に、藤田氏らは現場に
入った、そこで見た地獄絵・・。
多くの日航パイロットが事故調の主張(原因は圧力隔壁の破壊にあったとする説)は明らかにおかしいと指摘している
にもかかわらず、無視されつづける。
急減圧はなかったとする生存者・落合さんの証言(圧力隔壁説が正しいならば急減圧は必ずおきる)。急減圧の存在を否定
する数々の証拠。それを全て無視し、強引に圧力隔壁説を押し通した背景には何があるのか。ボーイング社、米国
からの圧力、日航、政府、防衛庁との間に横たわる闇。
内部告発者と藤田氏との出会い、廃棄される寸前だった事故調の重要書類の入手、そこに隠れていた決定的な
新事実。
最後に、藤田氏は事故の再調査を強く要求している。氏の今後の活躍を祈りたい。
「奪われる日本」(関岡英之著、講談社現代新書) ★★★★★
関岡英之氏は、副島隆彦氏、藤原正彦氏と並ぶ現代日本のエースである。
下で、ベストセラー「拒否できない日本」を紹介したがこの「奪われる日本」も素晴らしかった。
関岡氏は、「年次改革要望書」の発見者であり、この衝撃の文書の存在を日本中に知らしめた功労者である。
日本がこの10年米国にいかに蹂躙され、富を収奪されつづけてきたか!米国の横暴を徹底的に暴く。真実を全く
報道しない日本のマスコミの堕落・腐敗。それを白日のもとに知らしてくれた勇敢なる論客である。
規制緩和、郵政民営化、司法制度改革、医療制度改革・・全て米国の強力な圧力とマスコミの巧みな情報操作に
よって主導されてきたのだ。
なんのために?日本企業の買収(M&A)をし易くするため、ビジネスチャンス拡大のために!である。
(新聞、ニュースを信じる日本人は、ウソだろう・・と思う)
外資の”日本企業のっとり”に都合のいいように、国民に知らされぬまま勝手に整備されていく多くの法律、制度!
それらは日本のよき文化・伝統をもズタズタにしている。(ウソだろう?と思う人は、本書を見よ)
米国に買収されていった日本の多くの生保、銀行。年次改革要望書で命令?されてきたことが次々と実現していく
奇妙な現実。郵政民営化をいそいだ背景に米国の保険業界の巨大な圧力があった。いま日本の簡易保険120兆円
がまさに奪われようとしている・・。
「官から民へ」、「民にできることは民にまかせろ」のフレーズの本当の意味。
進行中の医療制度改革の真の目的は?買収(乗っ取り)をあまりに容易にする会社法の実態は?
真相を見破り、郵政民営化に反対した国会議員・城内実、小林興起、小泉龍司、平沼赳夫 各氏 愛国者たちの勇敢
さと、権力にたて突いたがための悲惨さ。
関岡氏の本は最初注目されなかったという。しかし、評論家の森田実氏が「拒否できない日本」に驚嘆し、講演会等
で関岡氏の本をひろく宣伝したという。そして今もの凄い売れ方である。
この天才を世に出した森田氏の功績は大きい。--->森田実氏のサイト
「ジョン・コールマンを読まずして死ぬことなどできない」という文句を見たことがあるが(これも真実だ)、関岡英之氏
(それと副島隆彦氏)を読まずして死ぬことなどできぬ。氏の本を全国民が読めば日本は復活するだろう。
「奪われる日本」は、「拒否できない日本」と重なる部分もあるが、医療制度改革や談合、また天皇制など新しい
話題も扱っており興味深いものである。
ぜひ、両方読んでいただきたい。
著者 関岡英之(せきおか・ひでゆき)
1961年生 14年間の銀行勤務を経て、1999年早稲田大学大学院理工学研究科に入学。2001年同修士課程を終了。
「なんじ自身のために泣け」(河出書房新社刊)で第7回蓮如賞受賞。
「霊の発見」(五木寛之著、対話者・鎌田東二、平凡社) ★★★
はじめ「零の発見」かと思ったが、”霊”のほうであった、五木さんもついに・・。
タイトルを見て本を読むのをためらう人も多かろうが、読まずにおれない、作家の五木寛之氏と、宗教哲学者で石笛
奏者の鎌田東二氏との対話集である。まず鎌田氏の”子供の頃よく鬼を見た話”がすこぶる面白い。鬼が鎌田氏を
ずっと見つめていていつも泣き叫んでいたという。
聖地に存在する強烈なエネルギーの話、石笛の波動が引き起こした不思議な出来事、空海,聖徳太子,そして
役行者(えんのぎょうじゃ)らの超能力、インターネットと霊的世界の類似性の鎌田氏の指摘。いまの日本人には
”恐れる”感覚がもっとも必要ととく、そんなことをしたらばちがあたるよ、と五木氏。
日本の生んだ霊的巨人・出口王仁三郎(おにさぶろう)の話、東北の隠し念仏に潜む土俗的な力、山岳修行の過酷さ
と人間の潜在能力の関係・・・。
「心は孤独な数学者」(藤原正彦著、新潮文庫) ★★★
数学史上の天才、ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの人生を描いた書。
著者の藤原氏は、三人の故郷をたずね、学んだ学校にも足を踏み入れる。中でも、ラマヌジャンの頁は本の半分以上
も占める力の入れようだ。その理由は私にはわかる。藤原氏は、数論を専門とする数学者であり、ならばラマヌジャンに
心酔するのは当たり前である。数論におけるラマヌジャンの膨大な公式群はいまだ実体がつかめぬほどの巨大な山脈
なのだ。
ラマヌジャンは通常の天才ではない。藤原氏は「ラマヌジャンの発見した公式は、なぜそれが生み出されたか理由
がわからない類のものである」という述べるが、同感である。その公式は非常に神秘的で、あまりに美しい。
ラマヌジャンの人生が苦しみに満ちたものであったこともはじめて知った。ハーディに英国ケンブリッジに招かれる。
しかしインド人・ラマヌジャンはなかなかYesといわない。宗教の掟をやぶることになる渡英への葛藤、不慣れな英国
での生活、孤独にしずむ日々、妻と母の不仲・・。神に選ばれし天才とて、そういった面ではやはり人間であった。
ニュートンも面白い。ニュートンが、科学に集中した期間は、万有引力の発見時期、プリンキピアを記した時期と意外
に少ない(史上まれにみる集中力の持ち主であったともいえる)。何十年も錬金術の研究に没頭していたりする。
発見の先取権がらみでライプニッツ、フックらの攻撃にあい、ごたごたに巻きこまれる・・。
2006/9/15
「ヒロシゲ・コード 広重の暗号」(坂之王道著、青春出版社) ★★★
「東海道五十三次」にこんな暗号が隠されていたとは!いやはや驚きである。
昔、永谷園のお茶漬けの付録に安藤広重のこの浮世絵が入っていたのでよく眺めていた。とても好きな絵であった。
だが・・・じつはなにも”観て”いなかったのだ。私だけではない、後世の学者たちも。
あまり知られていないが、広重は、道教や風水、陰陽道など神秘思想にも傾倒していた。そして後世の学者が首をかし
げざるをえない多くの謎をこの東海道五十三次に”のみ”残すことになる。足の指が6本ある人物を何度も登場させた謎、
一度も雪の降ったことのない「蒲原」(かんばら)を雪景色に描いた不思議、「池鯉鮒(ちりゅう)」に存在しないのに描かれた
真っ黒なクジラ山・・。
著者・坂之王道氏は、五十五枚(53+2)の絵(宿駅)を風水暦の観点から4年ごとの西暦へと直していく。出発点日本橋
は広重の誕生の1797年、最後の京都は2013年。歴史的大事件・大災害と”埋め込まれた謎”との驚くべき符合、この
浮世絵が未来の予言絵であることを明かす。東海道五十三次はスピリチュアル・ドローイング(霊感書記)によって描か
れたと坂之氏はいう。広重はこの傑作を超える作品を生涯えがくことはできなかった。
京都三条大橋から望む現実には存在しない赤黒く描かれた山・・、世界の預言書ともほぼ一致する2013の意味は?
著者 坂之王道(さかのおうどう)
美術作家、ライター。東京藝術大学大学院美術研究科終了。幼い頃より、「東海道五十三次」に傾倒。
「拒否できない日本」(関岡英之著、文春新書) ★★★★★
(アメリカの日本改造が進んでいる)
たいへんな内容をもつ書だ。
この本のことはときどき聞いていて気になってにいたのだが、期待した以上のものだった。豊富な話題を扱っているが、
とくに著者が強調する「年次改革要望書」の存在が衝撃である。
この要望書は公開されている-->http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html
米国が命令的に日本の仕組み(経済・行政・文化)の変更を強要しコントロールしているという屈辱的事実には
言葉を失う。日本は米国の奴隷であった。要望書で命令?されたことが、日本で次々に実現しているという恐ろしい
現実!アメリカの真意は、規制を撤廃してアメリカ企業を参入しやすくし、日本の益を徹底的に収奪する点にある。
この要望書は、在日米国大使館で堂々と日本語訳で公開されており、だれでもHPで見ることができる。
「年次改革要望書」を中心にすえ様々な話題を扱っているが、なぜここ10年、規制緩和、競争、改革が大合唱
されてきたのか、これを読んではじめてわかった。すべて米国に命令されてきたのだ(小泉政権の正体がわかるだろう)。
この要望書は日米の関係を見る上で最重要の書面であるにもかかわらず、マスコミがとりあげないのが不可解で
あり悲しい。
本書によって新聞、テレビだけではバラバラだったことが有機的につながってみえてきた。司法制度の改革、企業
会計基準の変更、グローバル化、規制緩和・・これらは根底でつながっていたのだ。副島隆彦氏とはまた一味違った
切り口で、アングロサクソンの横暴をあばいた点で画期的な書といえる。
H16年4月に第1刷が出ているがH18年4月にはなんと18刷にも増刷されており、大ベストセラーとなっている。
帯に石原慎太郎氏の産経新聞「日本よ」で書いた同書を賞賛する記述があり、それも関係あるのだろうが、すごい売
れ方だ。
内容は日本人のだれもが目をひらかれそして頷くものばかりである。多くの人に読んでもらいたい本である。
2006/8/5
「遥かなるケンブリッジ」(藤原正彦著、新潮文庫) ★★★★
奥行きのある本だ。普通の文庫本なのであるが、読み終えたいま3倍ほどの分量を読んだかと錯覚する。
こんな面白い本はなかった。
数学者・藤原正彦氏が1980年代にイギリスのケンブリッジ大学で1年すごした日々の色とりどりのエピーソードをつづる。
分厚い歴史をもち、ユーモアを拠り所とし万事控えめで競争などあざわらう紳士の国イギリス。数学教室でごたごた劇
がおこる。英国民性を前に困惑しつつも徐々にその奥深さにめざめる。圧倒的な数学の才能をもちながら、論文をかかな
いために、アメリカからきたコウツ教授に首にされた天才リチャード。フィールズ賞受賞者で純真且つ偏執的性質をもつ
変人ベイカー教授とコウツとの確執。論文生産主義のコウツより、控えめなベイカーに惹かれる藤原氏・・。そして小学校
での息子へのいじめについに意を決して学校へのりこむ。自分の定理を超一流の数学者に発表するまでの闘いの日々。
藤原氏は超大ベストセラー「国家の品格」の著者だがこの人の書くものはなにかがちがう。
2006/7/30
「アメリカに食い尽くされる日本」(森田実・副島隆彦著、日本文芸社) ★★★★★
(小泉政治の粉飾決算を暴く)
タイトルがまさに日本の悲惨な現状を教えている。
米国に悲惨な形で日本の富を収奪されつづけており、それがイラク戦争他への戦争資金として利用されている、日本人
はそんな事実を知らない(知らされない)。マスコミが米国に完全に情報統制されているという悲惨!
景気回復など数字のマジックにすぎない、小泉政権が日本をいかにぼろぼろにしたかを示す。日本は独立国家では
ない、植民地である。まず「知る」ことがなにより大事だ。911テロやらせをここでも副島氏は指摘。どうすれば日本は
自主独立を勝ち得るのか?未来をすこしでも明るくするにはどうすればよいのか。米国に都合よい報道ばかり流すマス
コミのあてにならない情報ではない、よき道をもはやテレビに出してもらえなくなった巨星二人が提言する。
2006/7/21
「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン著,青木薫訳、新潮文庫) ★★★★
ワイルズがこの世紀の難問を攻略する過程は、なんど読んでも感動する。
7年もの苦闘の研究の末に、ついにフェルマー予想を解決したと信じ、イギリスで発表して英雄となる。
ところが・・その後、証明に重大な欠陥がみつかり、1年半ももがき苦しむ。光は一向にみえない。もうだめだ、証明の
修復は不可能だ・・とワイルズはあきらめかけた。
ある日のこと、岩澤理論(日本の生んだ大数学者・岩澤健吉氏が作った理論)が有効に働いてくれることをついに突きとめる。
「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。とてもシンプルで、とてもエレガントで・・。どうして見落としていたのか
自分でもわからなくて、信じられない思いで二十分間もじっと見つめていました。それから日中は数学科の中を歩き
回り、何度も机に戻っては、それがまだそこにあることを確めました。ええ、ちゃんとありましたよ。私は自分の気持ちを
抑えられなくて、とても興奮していました。あれは私の研究人生で最も重要な瞬間です。あれほどのことはもう二度と
なしえないでしょう。」
フェルマーが陥落した瞬間である。
ワイルズは、谷山・志村予想という数論の超難問を解くことによって、フェルマー予想を解決した。谷山・志村が解け
ればフェルマーが出ることをリベットが先に示していたのである。単発的なフェルマーより、谷山・志村の方がよほど
深くゆたかな予想である。同書には、予想に名を残す日本人数学者・谷山豊や志村五郎のことも詳しく記されている。
31歳で自殺した谷山豊はぼんやり型の天才で、くつひももうまく結べなかったというエピソードも記される。
2006/7/8
「プラトンとアルキメデスの立体」(ダウド・サットン著、青木薫訳、ランダムハウス講談社) ★★★
美しい本である。
正多面体の平易な解説書だが、内容は深く神秘に満ちており宇宙の調和を体感させてくれる。
私は数学のゼータ関数を研究しているが(-->数学の研究)、ふだんゼータほど美しいものはないと思っている(いた)。
ところが・・この正多面体の美しさ、神秘性はなんのか!”図形”を一段下のものと馬鹿にしていた偏見が一蹴された。
プラトンの五つの立体、その複合体から紡ぎだされる数々の調和。黄金比がいたるところに顔をだす不思議。
双対関係の多面体が組みあわさったステレオグラムの美しさ!
正多面体が五つしか存在しないことのあまりにも簡明で力強い証明・・。
このような書がもっと知られれば、数学好きがふえるにちがいないのだが。つまらない全国一律の教科書など捨て、
学生諸氏よ、この書を読もう!
著者 ダウド・サットン 幾何学者、アーティスト。
2006/7/2
「この国を支配/管理する者たち」(中丸薫、菅沼光弘 著、徳間書店) ★★★★★
衝撃の書である。
日本人がいかに捏造された情報を日々信じ込まされているか、言葉を失う。テレビや新聞の情報は信用できない。
日本という国はアメリカによって完全に情報統制されている。
国際的に著名なジャーナリスト中丸薫氏は、副島隆彦氏(下方参照)と同様、9・11テロがアメリカ政府の自作自演
であったことを強く主張。ビルが飛行機が突っ込んだだけで崩れ落ちたりせず、「灼熱の高温で鉄筋がとけ・・」という
当局の情報は真っ赤なウソで、ビル解体工事のようにきれいに倒壊するよう事前に爆弾がしかけられていた・・
「テロだ、たいへんだ!」といって世界を混乱に陥れ戦争に導きそれで儲けようとする凶暴な闇の勢力が存在することを
中丸女史の豊富な経験をもとに説明。日本が戦争大好き国家・アメリカに隷属する愚かさを語る。
一方、菅沼光弘は元・公安調査庁の部長であり、闇情報に詳しい。封印されてきた事実が明かされた。
菅沼光弘はその闇情報に関する博学でもって、政治とやくざがいかに深くからまっており、その闇世界から現実
の世が動かされる状況を克明に解説。”情報”というものが複雑怪奇なものであり、恐ろしいまでの各国のかけひきの
産物であるとわかる。南京大虐殺に関しても、重要な事実を指摘。「あった!なかった!」という単純な議論をふきとば
す、一筋縄ではいかない当時の複雑な状況があったのだ・・。
本の最後に、
<9・11事件>アメリカ政府の公式発表を信じている読者へ---きくちゆみ
というレポートがある。情報操作で真実をまったく知らされない日本人全員がよむべき報告だ。
真相を述べたDVDは世界中の人がみはじめているという。9・11疑惑に関するサイトURLも多く載せられている。
2006/6/25
「どこにもない短篇集」(原田宗典著、角川文庫) ★★
ほんとうに”どこにもない”短篇集である。
わずか6ページほどの小説が多いのだが、荒唐無稽でありながらなんとリアル感があることだろう。
「FAXからある晩、腕がとび出してきた、その腕をまた送り返す話」、「他人には見えない×印が額に貼りついている。
×のある人が次々に死んでいくホラー話」、「道で固結びされた男が転がっていた・・」などなど。
あとがきで原田氏は「・・この短篇集もぼくにとってはひとつの実験であった。六、七枚の短篇でどんなことができる
のか。どれくらい変った手触りのものが書けるか。・・・ここで実験してみたつもりである。」と述べている。
小説の力量はさすがである。実験をつぎつぎにくりだしていくその姿勢が素晴らしいのであった。
「昭和史からの警告」(副島隆彦/船井幸雄著、ビジネス社) ★★★★★
鬼才・副島隆彦氏 渾身の著作である。
驚かざるをえない事実が次々に明らかにされる。
我々は間違った歴史を教えられていたのだ・・愕然とした。日本がいかにアメリカに騙され、富を悲惨な形で収奪され
つづけていることか、真実の情報が隠蔽されていることか、日本人がいかに無知か、思い知る。9・11テロがじつは
米政府の自作自演であった!という事実もはっきり書いている。この驚倒すべき事実は海外ではもう相当数の人が知
っているようだが、NHKのニュースを信用するお人好し日本人は「まさか・・」と思うだけなのか。
圧巻は、理想にもえた者たちの偉業とされた明治維新が、じつは闇の海外勢力によって意図的に計画的になされ
たという唖然とする事実だ。教科書の歴史はウソだらけ・・。
高杉晋作、伊藤博文、坂本竜馬ら英雄たちがじつは売国奴ともいえる輩であったという歴史好きを失神されるような
事実を、ロスチャイルドとロックフェラーの対立の図式から従来と全く違った観点で論理的に解き明かしていく。
船井幸雄氏との対談であるが、船井氏はよき先導役であり、主役は”日本最後の評論家”副島氏である。
そして現在、日本を戦争へとかりたてる準備が裏側でととのえられつつあるという・・。
歴史を読み解くとは、真実とはなんなのか?この書はそれを教えてくれる。
ぜひ読んでください。損することはぜったいにありません。
次の副島氏のサイトは、日本人全員がみるべきサイトです。-->副島隆彦の学問道場
2006/6/17
「手紙の書き方」(佐高信著、岩波アクティブ新書) ★★
ほのかな香りをのこす本であった。
書き方となっているが、ハウツー本などではなく(佐高氏がそんなものをかくわけがない)、多くの有名・無名の人の
手紙を紹介し、それに著者の想いをかさねた内容である。
冒頭ちかく作家・伊集院静との「山頭火か放哉か」という句の好みを議論した内容にまず目がいった(アノ伊集院氏と・・)。
「山頭火にはまだ上昇志向があり、甘いところがあるからファンも多い。しかし放哉は捨てきっている凄さがあるので・・・」
と両氏は意見が一致したとか。
池田勇人の凶刃にたおれた社会党・浅沼稲次郎への弔辞、斎藤たまいというまだ見ぬ女流アマ歌人への佐高氏の
つのる想い、手紙のやりとり、決心しての出会い、そしてたまい氏をえがいた本の出版。斎藤茂吉のエネルギーに満
ちた手紙、異才・岡本太郎から母・かの子への手紙、金メダルを期待されながら自ら命をたったマラソンランナー円谷
幸吉の美しくそしてやさしすぎる遺書・・・
2006/6/11
「数学セミナー 6月号(2006)」(日本評論社)の新井仁之氏の記事 ★★★
「これは!」と思うものは本だけではない、雑誌の記事にも存在する。
「数学セミナー」6月号の新井仁之(ひとし)氏(東京大学教授)の記事が光る。
”フーリエ解析”をたった4ページで説明したものだが(p.24〜27)、これが素晴らしい内容であった。物理の熱の問題
をとくために、フーリエが苦労してフーリエ級数を導入(発明)したその過程が描いてあるのだが、これを読んではじめて
「ああ、フーリエ級数とはこういうものだったのか!」とわかった気がした。
もちろん、教科書ふうには知っていた。しかし、そんな天下り的に突然天からふってきたような、定義だけある説明
では「ふーん」と感動もなにもない理解であった。これは私だけではなかろう。
そうか、そうか、フーリエはこんなに苦心しながら、そして大胆なこともして、あの不思議な定義に達したのだね、その
精密な証明はフーリエ自身提示できなかったわけだけれども、しかし、正しい結果が得られてしまう凄い理論。厳密な
証明は後の数学者の仕事となった。真の説明とはこういうものではないか。
「数学者は妙に気どっていますね」とH様が私にいったが、無味乾燥な定義のならぶ現代の数学書をみるたびに
私も悲しくなるのであるが、歴史をからめた、新井氏のような解説が多くでることを望む。
2006/5/27
「カントの人間学」(中島義道著、講談社現代新書) ★★
奇妙な読後感ののこる本だった。
中島氏の書はいつもそうであるが。大哲学者カントを難解な概念モラリストとしての観点からさぐった、従来よりみなが
いだいているカント像とはまるでちがうカントをうつし出した異色の書だ。
やはり歴史は真実をつたえない、実像カントはこうも悲惨でそして強靱で自己に忠実であったかとおもうわけである
が、大きな社会構造への興味的視点とは対極に位置する、複雑きわまりない一個の人間を解析・観察する立場を
つらぬくモラリストとしての観点からなぜカントをえがいてみたかったのか、哲学者・中島義道氏の魂胆があとがきに
きてすこしわかった。
2006/5/24
「単独発現 私はブッシュの敵である」(辺見庸著、角川書店) ★★★★
こんな作家がこの世にいるのか・・ホコリニオモウ
辺見庸さんは気なりつづけている人だった。何年かぶりにむずむずと氏の書を読みたくなった。
圧倒された。読後にこんなに憂鬱にさせられる本もない、副島隆彦氏や中島義道氏らとまた何かがちがう、
その違いはなんなのか、適当な言葉がみあたらない。
読まないほうがしあわせなのかもしれぬ、私たちはなんという倒錯した世に身をおいているのか、あまりにも偏向
したメディア情報に骨のずいまでそめられ、目に見えぬ巨大権力にそれと気付かず利用されているだけの日本人、
複雑なプロセスの吟味をわすれたのうてんきな現代人。氏のとほうもなくふかい思考のにまえに、自分のうすっぺらな
思考はふきとぶ。地中ふかくにひそかに進行している、常人ではまったくきづかない大事なことを氏はおしえてくれる。
辺見庸(へんみ よう)
作家 1944年 宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒、共同通信社、北京特派員、編集委員などを経て96年退社。
91年「自動起床装置」で芥川賞受賞、「もの食う人びと」で講談社ノンフィクション賞受賞。
2006/5/20
「決断力」(羽生善治著、PHP文庫) ★★
天才棋士(将棋)・羽生のエッセイ集。羽生の言葉はじんじんとくる。
挑戦という言葉が随所にあらわれる。現状に甘んじず、あくまで羽生は未踏の領域にふみこむ姿勢をつらぬいて
いる。それは危険でもあり、また勇気のいることなのだ。目先では損が多いが、長い目でみればプラスになると
いう。氏は、未知の領域で戦うことをたのしんでいる。苦しいが、発見や創造が多く、興味がつきないようだ。
「人間とはミスをするものだ」、「直観の7割は正しい」などハブ語録が満載。
2006/5/18
「ツキと実力の法則」(谷岡一朗、谷川浩司 著、PHP文庫) ★★
好きな棋士である谷川さんの名前を見つけ手にとった本。”ツキ”という言葉にも惹かれた。
ギャンブルの権威と、天才棋士の対談集だ。
将棋は20年ほどのつきあいになるが、谷川将棋には昔から魅了されてきた。
常人では考えもつかないような発想で、鮮やかに寄せる。光速の寄せに何度も感動をおぼえた。
その特異な発想にどんな秘密がかくされているのか?本書にそのヒントがみえ隠れする。
谷川さんは、子供の頃から、詰め将棋を”創る”ことを趣味としてきたという。”解く”のはプロなら誰でもやるが、
創る棋士は少ないそうだ。中盤にかかったときに、すでに寄せの構図を描くのだという、「こんなふうになれば
いいなあ」と。そこには詰め将棋を”創る”ことと同じものがひそんでいる気がする。
2006/4/28
「私の嫌いな10の人びと」(中島義道著、新潮社) ★★
この書を読み、いかに我々が観念の奴隷になっているかよくわかった。
過激であり面白いが、いやになったり反発を覚える部分もあり、こんなに読後感がすっきりしないもやもやの残るいや
しかし今度もまた書店で中島義道の名前をみたらきっと手を伸ばすにちがいない。
2006/4/22
「ジュラシック・ミステリー」(権藤正勝著、学習研究社) ★★★★
ああそうだったのか・・と思わず納得させられた本。
私は古代史研究家・浅川嘉富氏らの著作から、かつて恐竜が生きた時代、重力がいまよりずっと小さかった
ことを知っている。恐竜があそこまで大きくなれたのは、地球の重力が小さかったからである。
恐竜が絶滅した主原因は、巨大隕石の衝突にあるのではなく、重力が増加したからだ!と著者の権藤正勝氏は
説く。
重力の増大により、自らの重さにたえられず滅んでいった巨大恐竜達・・、そして生き残った小型の哺乳類や
爬虫類。隕石の気候大変動による寒冷化だけでは「小型の哺乳類や爬虫類だけが絶滅から逃れた」説明がどう
してもつかないのである。説得力のある数々の説明にうなった。
では、なぜあるときから重力が増えはじめたのか?それは読んでもらって・・としよう。
2006/4/17
「楽しい鉱物図鑑」(堀秀道著、草思社) ★★★
「楽しい鉱物図鑑A」(同上)
圧倒的に美しい本である。収められた鉱物たちの写真に息をのむ。心が洗われる。
玉髄、めのうの幻想的な美しさ、黄鉄鉱のモダンアートを思わせる結晶、岩塩のシャーベット的な透明感、
辰砂の見事な赤・・・。どうしていままで鉱物の世界を知らなかったのか後悔の念がよぎる。
書店の鉱物のコーナーで偶然発見したものだが、名エッセイとともに写真(画質)が他本の追随をゆるさない。
そして、信じがたいことに、上記本に匹敵する美しいサイトがこの世の中に存在するのである。
2006/3/28
「国家の品格」(藤原正彦著、新潮新書) ★★★★
この著者は、世の中の流行などに一切迎合しない。いまの日本に真に必要なものは何かを、渾身の祖国愛を
こめて語ってくれる。アメリカ主導のグローバリズムと現代経済学のいかがわしさ、小学生に英語を教える愚かしさ、
情緒と美的感覚の大切さ、国民主導の民主主義の危うさ・・。
著者は、整数論を専門とする数学者だ。ラマヌジャンが異様に美しい公式を生み出したインド故郷の風景と周囲の
あたたかさを語る。数学の独創には情緒が必要ととく日本の生んだ大数学者・岡潔(おか・きよし)博士のこと。
論理ということの落とし穴を、出発点の大切さ、総合判断力の大事さをいやがうえにも教えてくれる。
「プリオン説はほんとうか?」(福岡伸一著、講談社ブルーバックス) ★★★★★
すごい本だ。
著者の福岡伸一氏は気鋭の分子生物学者だが、これは、ノーベル賞学者のスタンリー・プルシナーに噛み付いた本
である。
プルシナーは、狂牛病に代表される伝達性スポンジ状脳症の病原体はタンパク質そのものであるとするプリオン
仮説を提唱(それは生物学の常識を根底から覆す理論)。そして数々の証拠をあげて、ウイルス原因説派が明確な
証拠をあげられず手をこまねいている間に、1997年に単独でノーベル生理医学賞を受賞する。
しかし、一見明快に見えた彼らの実験結果を詳細に検討すると、怪しく、不明確な(はては現代では間違いであった
と判明した)箇所が随所に見られるのだ。結局、プルシナーらのマスコミを上げてのセンセーショナルな報告とは裏腹に
いまだに何一つ明快にプリオン仮説を証明するものはない。むしろウイルス原因仮説を支持する結果も多く出始めて
いる。科学好きの人にはお勧めの一冊である!
著者略歴 福岡伸一氏
1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学、ハーバード大学の研究員、京都大学助教授を経て、現在青山学院大学教授。
分子生物学専攻。
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