ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン福島> 記事

大野病院事件公判 「天国から地獄に」

2008年01月26日

 県立大野病院で04年、女性(当時29)が帝王切開手術中に死亡した事件で、業務上過失致死罪などに問われた産科医・加藤克彦被告(40)の第12回公判が福島地裁(鈴木信行裁判長)であり、遺族3人が意見を述べた。女性の夫(34)は加藤被告に「何をミスしたのか、真っ正面から受けとめてほしい」と呼びかけた。

 「天国から地獄という言葉があてはまる。子どもが誕生して大変喜んだのに、いつまでたっても妻が戻ってこない」

 夫は無念そうに話した。加藤被告から「いきなり『申し訳ありません、亡くなりました』と言われた」と打ち明け、手術の説明についても「納得できる内容ではありませんでした」と語った。

 加藤被告に対しては「自分がとった行動や言動には責任を持つことが当然」と指摘。そのうえで「この事件に司法が介入され、閉鎖的だった医業が社会分野の出来事として、全国民の関心の的になったと思う」とし、「開かれた医業のあり方を求め、かつ臨床の実態探求がなされるものと願う」と医学界に対応を求めた。

 夫に続いて意見陳述した女性の父・渡辺好男さん(57)は「加藤先生の法廷でのお話は、当時私たちが聞いていた説明とかなり違います」と怒りをあらわにした。好男さんは手術から9日後の04年12月26日、加藤被告から「胎盤が子宮につきすぎてはがしにくく、出血が多くなるリスクがあった。それほどひどい癒着ではないと思ったが、結局ひどい癒着だった」と説明を受けたことに触れ、「なぜ説明が変わったのか不思議な気持ちです」と訴えた。

 「ちっちゃい手だね」。最後に意見を述べた女性の弟・渡辺岳志さん(31)は、女性が息を引き取る直前に発した言葉を紹介した。「喜びいっぱいの姉の笑顔が目に浮かんだ」と涙ぐみ、「二度と事故が起きないことを切に願う。この無念な思いは、天国の姉の代弁とします」と訴えた。

                       ◇     

 公判では、検察側の被告の供述調書や弁護側の鑑定意見書が証拠採用された。3月21日午後1時半から論告求刑、5月16日午後1時半から最終弁論が行われる。

ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る