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中国で地下水汚染 3人死亡、数千人入院か
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【北京=福島香織】湖南省辰渓県板橋鎮で硫酸工場から漏れた硫酸による地下水汚染で地元農民に大量の中毒が発生しているもようだ。同県の共産党委員会宣伝部は中毒が確認されたのは26人と発表したが、南方都市報は数千人が入院し、「すでに3人死亡」と報じており、被害は今後拡大する可能性がある。24日付の同紙によると、12月下旬ごろ飲用水が黄色に変色していることに村民が気づき、県政府と地元環境保護当局に通報していた。しかし同月7日発表の水質検査結果では安心して飲用できる、との判断が示されていた。
1月中旬以降、この工場近くの村で奇病が発生。四肢に力がはいらず風邪に似た症状を訴える村民が続出し大量の入院者が出た。鎮政府が事態を重視し再度、化学検査したところ地下水中に亜ヒ酸、すずなどが検出された。工場からの硫酸漏れが原因とみられているが、詳しい状況は不明。
県党委員会宣伝部は産経新聞の電話取材に対し「硫酸漏れによる地下水汚染」と中毒の発生事実は認めたが、中毒が数千人規模に広がり死者が出ていることについては否定。入院については「念のため診断を受けているだけだ」と説明した。
中国は2005年の石油化学工場の爆発による松花江ベンゼン汚染以来、水質汚染問題の多発期に入ったといわれる。