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中国で韓国企業の無断撤退急増(下)

監禁事件も発生

◆法律に頼らず暴力で解決

 中国では時間がかかる法的手段ではなく、暴力で問題を解決しようとするケースが多い。同省威海市では昨年、サムスン電子の下請け業者の社長が食堂のトイレで暴漢二人に襲われ、凶器で指を切断される重傷を負った。

 事件発生後、サムスン電子は現地政府に強く抗議し、警察が捜査した結果、犯人は会社の構内食堂を契約運営していた飲食店の経営者だった。会社側は料理の質が悪かったためこの業者を交代させたが、それが原因で恨みを買い、中国東北部の暴力組織が犯行に及んだ。

 企業だけではなく、飲食店やサウナ、美容室など韓国系の個人経営者にまで暴力組織の手が伸びている。青島市城陽区で食堂を経営する韓国人は「暴力組織のメンバーが毎月一定額を奪っていき、無銭飲食までしていく」と話した。直接利害関係のない住民にも危害が及んでいることになる。

 平島の食品(コチュジャン〈唐辛子味噌〉)メーカーで働く韓国人管理職(42)は工場への出入りに使用料を払えという現地住民らの脅迫に耐え切れず、昨年末自ら命を絶った。

◆今年上期に最大の危機

 今年は北京五輪が開かれる年だが、企業にとっては最悪の年だ。今年から労働者の権利を強化した労働契約法が施行されたほか、国内企業と外資系企業の法人所得税率が25%に統一され、外資系企業の税負担が増えた。また、外資系企業に対する土地使用税の徴収も重なった。青島地区に進出した韓国企業は約5000社。このうち、誠実経営や構造調整で危機を乗り切った企業もあるが、繊維、縫製、アクセサリー、皮革など労働集約型産業を中心に経営が行き詰まった企業は少なくない。

 青島韓国人商工会のソン・ジョンハン事務局長は「中国での経営環境の変化に適応できず、閉鎖に追い込まれる企業が旧正月前に10%(500社)、上期中に20%(1000社)に上るとの悲観的観測が有力だ。この過程で韓国人に対する人権侵害や健全な企業にまで倒産が拡大することが懸念される」と話した。

 青島市城陽区でアクセサリー生産を行う企業の社長は「このままでは経営危機の企業で中国人従業員が韓国人が旧正月に帰国するのを阻止したり、家族を人質に取る事件が起きたりする可能性がある。問題なく経営している企業にも無断撤退の疑いがかかり、注文キャンセルや原料の供給中断、従業員による設備売却などで倒産する可能性がある」と懸念した。

 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)青島貿易館のファン・ジェウォン副館長は「韓国企業の無断撤退や韓国人に対する拉致暴行行為に関し、両国政府は対策を講じるべきだ」と指摘した。

青島・威海(中国山東省)=池海範(チ・ヘボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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