北京五輪:出場選手から大気汚染に懸念の声
今年8月に開かれる北京五輪を控え、当局は大気汚染改善に取り組んでいるが、国際スポーツ界では選手への影響を懸念する声が相次いでいる。
ロイター通信によると、マラソン世界記録を持つハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)のマネジャーは今月20日、北京の空気が悪ければ五輪出場を回避することもあり得ることを明らかにしたという。ゲブレシラシエは花粉アレルギーなど呼吸器疾患があり、「出場を強行すれば、選手生命を縮めかねない」というのが理由だ。
女子テニス世界ランキング1位のジャスティン・ヘニン(ベルギー)も「ぜんそくが悪化するかもしれない」として、五輪出場見送りを検討している。また、北京の大気汚染を考慮し、20カ国余りの代表チームが中国以外での事前合宿を決めている。
米国オリンピック委員会(USOC)は、選手に対し競技直前までぜんそく防止用のマスク着用を勧告していることを明らかにした。24日付ニューヨーク・タイムズは、同委の運動生理学者、ランディー・ウィルバー氏が「選手らは大気汚染物質の85%以上を除去できる特殊マスクを着用し、北京での滞在期間をできるだけ短縮するよう勧めている」と報じた。
世界銀行の調査によると、2004年現在で北京の微細粉じん濃度は1立方メートル当たり89マイクログラムで、ニューヨーク、パリ、ロンドンなど先進国主要都市の20マイクログラム前後に比べ4-5倍に達する。
しかし、郭金竜北京市長をはじめ北京五輪組織委の関係者は、「大気汚染を減らすために徹底した対策が整えられている」として懸念に反論した。北京市は22日、五輪期間中に330万台の車両の半分の運転を禁止すると発表したほか、大気汚染物質を排出していると指摘された鉄鋼メーカーの首都鋼鉄は五輪期間中の操業を中止する。
北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員
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