福島放送局

2008年1月25日 22時20分更新

大野病院裁判で遺族が訴え

県立大野病院の産婦人科の医師が、帝王切開の手術で女性を死亡させたとされる事件の裁判で、遺族が初めて意見を述べました。女性の夫は、「手術後に医師から受けた説明はとても納得できるものではなかった。手術に何が欠けていたか、何をミスしたのかを医師には、真正面から受け止めて欲しい」と訴えました。

大熊町にある県立大野病院の医師の加藤克彦被告(40歳)は4年前、帝王切開の手術の際に女性の胎盤を無理にはがし、大量出血を引き起こして死亡させたとして、業務上過失致死などの罪に問われています。
これに対し加藤医師は無罪を主張しています。

福島地方裁判所で開かれた裁判では、遺族が初めて意見を述べました。遺族のうち、女性の夫は、「手術の後に医師から受けた説明はとても納得できるものではなかった。加藤医師は言い訳することなく、手術に何が欠けていたか、何をミスしたのかを真正面から受け止めて欲しい」と訴えました。

そのうえで、夫は、「この裁判を通じて閉鎖的な病院に対し真に開かれた医療を求めたい。医療の実態が明らかになれば、妻もうかばれるし、全国の女性が安心して出産できるようになれば、遺族の心のなぐさめになる」と述べました。

裁判は、ことし3月21日に検察側の求刑が行われたあと、5月16日に弁護側の最終弁論が行われてすべての審理を終えます。