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呉の小児夜間救急を医師会「センター」に集約 '08/1/24

 ▽4月から、重症者は3病院が輪番で

 小児科医師不足が深刻な呉市で、夜間救急について、四月から市医師会の小児夜間救急センターに軽症患者を集約して診療し、重症患者は公的三病院の小児科が輪番で対応することが二十三日、分かった。新体制移行による混乱を避けるため、市と市医師会は二月二日、シンポジウムを開き、市民に理解と協力を求める。

 医師会によると、少子化で二〇〇三年以後、小児科の開業がないうえ、開業医師の高齢化も目立つ。これまでは、重症患者を中心に公的三病院がそれぞれ受け入れていたが、対応が難しい状況になった。

 さらに、産科医療集約化で呉共済病院の産婦人科休診が決まったのに伴い、同病院の小児科医師が削減される可能性もあり問題を深刻化させているという。

 これを受け、市地域保健対策協議会が昨年十月から検討。軽症患者は小児夜間救急センター(朝日町、午後七時〜十時四十分受け付け)で一本化。重症患者とセンターの時間外患者は、三病院が輪番で診る新しい体制を決めた。

 シンポは「みんなで守ろう呉の小児救急医療」と題し、呉市民会館で開催。行政や子育てグループの代表、地元の小児科医師ら六人が議論を交わす。午後一時半〜三時。無料。市医師会Tel0823(22)2326。(吉村明)

 【写真説明】4月から軽症患者を集約して夜間診療する呉市医師会の小児夜間救急センター


 ◎取材メモから 市民への説明欠かせぬ

 呉市の小児夜間救急診療の体制が四月から変わる。市医師会、開業医師、市内の公的三病院などが連携した新体制は、数少ない医師を活用するための措置。不便になる可能性がある市民の理解は不可欠だ。

 産科も小児科も医師不足は深刻。産科医療も四月から、公的三病院のうち呉共済病院の産婦人科を休診し、他の二病院へ集約することが昨年十一月に決まっている。

 しかし、市民への説明は対照的だ。小児科は医師会と市が二月にシンポジウムを開き、新体制への理解を市民に求める。医師にかかる前に病気の重症化を家庭で未然に防ぐため、対処法をまとめた冊子も発行した。

 一方、産科集約化は市がホームページ(HP)で広報を予定するが、関係機関のどこが中心となり、どんな方法で市民へ伝えるのかすら決まっていない。命にかかわる医療体制の変更に当たっては、市民への丁寧な説明が欠かせない。(増田咲子)




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