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2008/01/25

ヘリコプター・ベン

ミスター・バーナンキというオッサンは、通称
ヘリコプター・ベンと呼ばれるわけだ。そう呼ばれる由縁というのは、

メカ虫 レインボー

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価格:¥ 4,830(税込)
発売日:2007-08-04

「ヘリコプター・ベン」。米マスコミは時々、ベン・バーナンキFRB新議長をやゆするようにこう呼ぶ。バーナンキ氏がFRB理事だった02年11月の講演で、「ヘリコプターから紙幣をばらまく」という例えを使ってデフレ阻止を訴えたからだ。

無差別にカネをばら撒けば、世の中にカネがあふれてインフレになる。インフレになればデフレが退治できるという理屈なんだが、

もちろん、飽くまで単純なモデルでの話ですが、マネーサプライを二倍にすれば、物価も二倍になるという基本的構図があるとするわけです。なぜカネを増やすとインフレになるのかとの問いに対しては、GDPを超えてカネが供給されると、生産されたものを取引するのに必要な分を超えて供給されるので、物価がつりあげられ、インフレになると説明します。当然、逆に、必要量以下の量しか供給されなければ、デフレです。

ここでヘリコプターが出てきます。例えばの話、日銀が大型ヘリからカネを全国に投下する大プロジェクトを敢行し、国民のカネの持ち高が突如、二倍になったとします。すると、名目上はわれわれの持っているカネは二倍になりますが、それで買えるモノ・サービスの量は変わっていないのですから、価格が倍になります。インフレです。こうしてヘリコプターからのカネの投下がことあるごとにインフレを起こしてデフレを脱却せねばという話のときに引き合いに出されるのです。

これからヘリコプター・ベンという言葉は頻繁に出てくると思うので、覚えておくといい。で、まさに、そのヘリコプターというか、絨毯爆撃というか、東京の下町にB29が焼夷弾でも撒いたような勢いなんだが、

 ブッシュ米政権と議会は24日、急減速する米経済の刺激を狙った景気対策の内容で暫定合意した。総額1500億ドル(約16兆円)規模で、議会を主導する民主党の要求を反映し、低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題が直撃する低所得者層と勤労者への現金支給を当初案より手厚くした。個人向けには最低で300ドル(約3万円)、子ども2人の共稼ぎ家庭では最高1800ドルの小切手が送られる。

 個人向けでは、所得税の課税最低限を下回る収入しかない人にも、1人あたり最低300ドルの現金(小切手)を支給することにした。年収3千ドル以上が対象。所得税納税者は最大600ドル、共稼ぎ家庭は同1200ドルを還付。世帯年収で約15万ドルが上限だ。さらに子供1人あたり300ドルの手当も支給する。5月ごろから計約1億1700万世帯に小切手が届く見通しだ。

凄いね、アメリカはw 税金払ってないヤツにまで減税だっていうんだから笑わせる。つうか、約1億1700万世帯という規模も凄い。まさに無差別爆撃。カネの爆撃だから誰も文句は言わないが、こうなると新自由主義もへったくれもない。共産党だってそんな政策は主張しないぞ、という感じなんだが、散々日本のカネを使い込んだ挙句にコレでは、いくら日本がアメリカの植民地だからって泣くにも泣けないぞ。つうか、おいらにもクレ、300ドル!

ところで、こうしたヘリコプター・マネーでは、実は日本が先駆者だったりする。田舎の公共事業なんぞもそういう性格のモノなんだが、他でもない、ふるさと創生1億円というヤツだな。バブル崩壊の寸前、1988年から1989年にかけて、竹下内閣が日本中の貧乏市町村に1億円ずつ配ったわけだ。金持ちの自治体には支給されなかったので、厳密には違うんだが、趣旨としては近い。要は、「需要のないところにカネを撒いて、需要を喚起しよう」という性格のモノであって、こういうカネは無駄遣いすればするほど、景気にプラスだ。

1億円を受け取った各自治体は、地域の活性化などを目的に観光整備などへ積極的に投資し、経済の活性化を促進した。 また、使い道に困った自治体の中には「○○基金」として活用することを選択するところも多かった。

しかし、用途に困った挙句、1億円全額を投じて宝くじを購入したり、温泉を引こうとボーリング調査を行ったものの結局温泉は出ず、1億円を無にしてしまったという事例も出た。また、無計画にハコモノやモニュメントの建設・製作に費やしたりと、無駄遣いの典型として揶揄されることも多い。

ところが、政治家というのは時代を読めないので、やらなくていいバブルの真っ盛りにそういう事をやり、不景気の最中には何もしない。アメリカが今、やらなきゃならんのは、IMFでアジアや中南米をいじめたみたいに、国民生活を引き締めて乾しあげて、カネをどんどん回収しなきゃならないのに、ばら撒いてどうする?と思うんだが、どうせ潰れる国なのでどうでもいいです。で、日本なんだが、実はいまこそ、ふるさと創生1億円の精神が求められていると思うんだけどね。アメリカ国債の金利、年間4兆円で、崩壊しそうな地方都市にヘリコプターでカネをばら撒けよw で、ふるさと創生1億円の輝かしき成果です。

渡島支庁二海郡八雲町 1億円のトイレ
函館市 イカのモニュメント
上北郡百石町(現おいらせ町 日本一の自由の女神像 緯度がアメリカと一緒という理由で製作。
西津軽郡木造町(現つがる市) 木造駅に巨大土偶 列車の到着と同時に目が光る。
仙北郡仙南村(現美郷町) 村営キャバレー 赤字がかさみ閉鎖。
北群馬郡榛東村 そのまま貯金 15年間で6000万円の利子。
北都留郡丹波山村 日本一長いすべり台 完成3日後に日本一の座を奪われる。
蒲郡市 学校の屋上に巨大電光掲示板を設置 岡山県都窪郡早島町に300万円で売却。
丹生郡織田町(現越前町)―五尺の和太鼓「明神」を製作
高岡郡中土佐町 純金のカツオ像 のちに県に売却後、盗まれて溶かされた。

コメント

>北群馬郡榛東村 そのまま貯金 15年間で6000万円の利子。

やはり投資しないことが最大の投資なんでしょうか?w

変なモン作らないで
オレに直で金を渡してくれればいいのに。

ばら撒き続けないと溜め込むだけなのでは…
バーナンキ意味ないよ…
あきらめろ

確かふるさと創生1億円って、単年度じゃなくて、ずーっと続いてるんじゃなかったっけ?平成の大合併の一因と聞いたこともあるけど・・・

まともなのは、サンドミュージアムの1年砂時計ぐらいですかねw
http://www.sandmuseum.jp/kannai/museum1.html

サブプライムで、20万ドルのローン残高でヒーヒー言っている
庶民に1800ドル配ったところで、屁にもならないだろうに。
家族の1回の旅行で無くなるよ。
個人300ドルも、風俗1.5回分でちゃら。


東証に「和製ヘリコプター」現る。と思ふ。今、この頃。

熱海はその頃豊かだったので、1億円貰えなかった。
今なら、喉から手が出る。
三島・沼津はどうだったかは忘れた。
伊豆の各町村もどうだったか忘れた。

>ばら撒き続けないと溜め込むだけなのでは…

アメリカ人ってキャッシュ・フローの考え方するから、貯めたりしません。
目の前のお金はパァ~と使っちゃう。次の月の事は、次の月に考えれば良いや!ってかんじです。

アメリカ内って、意外と物価が高く感じる。$1,800では家族旅行は難しいし、$300では0.8発しかできない。寸止めだね。まぁ、相手によるけども、道端で”あたいを買ってぇ~”なんて言ってるねぇチャンとはいっぱい遊べると思う。エイズがおまけで貰えるだろうけど。

この程度の金額だったら、ローン返済の補助にならないし、車などの大きい商品の購入にも使えない。1ヶ月分の返済が出来るぐらいにしかならない。

恐らく、服やiPod買ったりと、普段買いたくても買う踏ん切り付かなかったものの購入に使用させる意図があるのでしょう。物流を良くして景気を刺激するつもりだろうけど、こういうものって殆どが輸入品なので、結局貿易赤字が膨らんで、瞬間で終わるような気がします。ハイ。

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