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医師不在で診療再開めど立たず/山北町立山北診療所
- 社会
- 2008/01/25
医師不在のため山北町立山北診療所(同町谷ケ)が昨年四月から診療を休止したまま再開のめどが立っていない。町も医師探しに奔走しているが、目立った成果は上がっておらず、山間地医療継続の難題に直面している。
休止中の診療所は民間の診療所が前身。同診療所が三保ダム建設で湖底に沈むため、一九七五年に町がダム下の神縄に、さらに九六年に現在地に移転させた。神縄時代以降は町が医師を確保し、独立採算制で長く山あいの三保、清水両地区の医療を担ってきた。
現在地に移転してから十年以上勤務してきた医師が、二〇〇七年三月に転出するため、町は後任の医師を見つけていたが、この医師が直前に事情で赴任できなくなった。町は代わりの医師を見つけられず、診療所は休止を余儀なくされた。
休止後、丹沢湖周辺の住民らは松田町に転出した診療所の前任医師にかかったり、山北町の中心街や静岡県小山町などに出たりしているという。地元住民は「自家用車がないと、通院は一日がかりになる」と話す。
一番近い同町中心街までは路線バスを利用した場合、交通費は往復二千円以上かかるという。
町はインターネットのホームページ(HP)などで医師の募集をかけ、二、三人の応募があったが、条件などが折り合わず断念。医大や医療法人などに働きかけ、現在はその結果待ちという。
「開業しても採算が合わないのでは、と二の足を踏んでいるようだ」と瀬戸孝夫町長。診療所の建物や医療機器などは無償で使えるとはいえ、両地区で人口約千八百五十人では患者の絶対数が少ないようだ。
そのため、瀬戸町長は二十三日の町議会臨時会で医師収入が一定額に届かなかった場合、町が補助金を出すことを検討していることも明かした。
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