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エスワン警備員、今度は泥棒で御用

 韓国最大手の警備会社エスワン(サムスンと日本のセコムの合弁会社)の社員が、自ら警備を担当していた会社に侵入し、盗みを働いていたとして逮捕された。昨年9月、同社の社員だったノ某被告(32)が、警備を担当していた民家に凶器を持って侵入し、強盗行為を働いた上、住人の女性二人に性的暴行を加えようとしたとして逮捕されてから、わずか4カ月後のことだ。しかも、今回逮捕された社員は、ノ被告と同じ支社の所属であることも分かった。これを受け、エスワンが昨年の事件を十分反省せず、社員の教育や監督を十分に行っていなかったという批判が巻き起こっている。

 ソウル江南警察署によると、エスワン狎鴎亭支社所属の警備員チェ某容疑者(29)は今月9日午前10時ごろ、自ら警備を担当していたソウル市江南区狎鴎亭洞の情報通信関連会社B社の事務所内にある機械室に侵入し、7万ウォン(約7800円)相当のインターネットハブ(1本のインターネット回線と複数のパソコンを連結し、同時にインターネットに接続できるようにする装置)1台を盗んだとして逮捕された。

 警察によると、チェ容疑者がインターネットハブを盗む場面が機械室の監視カメラに捉えられたことから、同容疑者の犯行が明らかになったという。B社のクォン某社長は「インターネットハブが突然なくなったので、おかしいと思って監視カメラを調べたところ、警備員のチェ容疑者が機械室からハブを持ち出す場面が写っていた」と話している。

 チェ容疑者は当初、犯行を否認していたが、クォン社長が監視カメラの画像を見せたところ、犯行を認めインターネットハブを返したという。クォン社長は9日午後、エスワン側に事件があったことを知らせ、謝罪を求めた。

 エスワンは今月17日、チェ容疑者の辞表を受理した後、警察に自首させたと発表した。同社はサムスン・グループの系列で、韓国の機械警備市場の約60%を占める最大手の警備会社だ。警備員の数も全国で約2000人に及び、今回インターネットハブを盗んだチェ容疑者も、狎鴎亭洞一帯の約300の事業所や民家を担当していたという。だが昨年、社員による強盗・強姦(ごうかん)未遂事件の後、同社が「犯人はすでに退職している」と虚偽の説明をしたことが発覚し、社長が公開の場で謝罪した上で辞任するという事態になった。同社関係者は「昨年の事件の後、社員を採用する際、過去の犯罪歴のチェックも強化しており、また社員を対象とした倫理教育のための予算も大幅に増額した」と話している。

 にもかかわらず、強盗・強姦(ごうかん)未遂事件を起こしたノ被告と同じ狎鴎亭支社の社員がまた、警備を担当していた会社で盗みを働くという事件が発生したことで、同社の社員管理のずさんさが指摘されている。

 記者のインタビューに対し、ソウル市松坡区蚕室洞のチョン・セジンさん(33)は「家や事務所を守るべき警備会社、それも韓国最大手の会社の社員が強盗や泥棒を働くだなんて…一体誰を信じたらいいのか分からない」と嘆いた。

ウォン・ジョンファン記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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