来月上旬、ユニークな組織が誕生する。「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」である。通称は「せんたく」。北川正恭前三重県知事や東国原英夫宮崎県知事らが立ち上げる。
次期衆院選に向け地方分権や社会保障、消費税などをテーマに取り上げ、国会議員に「論争する場」を提供するという。その成果を各政党の政権公約づくりに生かすよう働き掛ける。
衆参で与野党の勢力が異なる「ねじれ国会」で、駆け引きばかりが目立ち議論が深まらないことへのいら立ちの表れだろう。発起人代表の北川氏は「国民生活の土台が大きく揺らぎ日本の『洗濯』を急ぐ必要があるが、政府や国会の現状を見ると国民に重い『選択』を求めるだけの十分な議論や国会審議はされていない」と指摘する。
昨夏の参院選で民主党が大勝し、次の衆院選は自民党と雌雄を決する一大政治決戦となりそうだ。その動向を左右するのが今国会である。
ガソリン価格に上乗せされている揮発油税などの暫定税率の延長か、廃止か。三月末の期限切れを控え、各政党の攻防は激化している。社会保障費の財源問題や農業政策の在り方なども大きなテーマだ。
国会議員はさまざまな場を借りて、説得力のある選択肢を示す必要がある。試されるのは有権者だ。聞き心地の良い言葉に惑わされない、冷静な「選択力」が問われる。