昨年あたりから、都道府県ならではの風習や食べ物、食べ方などを紹介するテレビ番組が増えたと思っていたら、今度はレギュラー番組がスタート。「毎週放映するほどネタはあるのかな」などと勝手な心配もしていたのですが、知らないことも多く、毎回楽しく見ています。
先日の特番では、全都道府県代表の芸能人が勢ぞろい。自分の県の自慢話を披露する「隣県バトル」のコーナーでは、岡山と広島出身のタレントが激突。東京のテレビ局でも両県が互いにライバル視しているのを知っているのか、と変な感心もしたりしました。
そんな中、「知らなかった!驚いた! 日本全国『県境』の謎」(浅井建爾さん著、実業之日本社)という本を手にしました。表紙に書かれた「四国には、愛媛県と高知県しかなかった!?」の文字にひかれたのです。
本では、廃藩置県後の都道府県成立の歴史や県境をめぐる争い、県境がいまだに未決定である謎などを解説。瀬戸内海の小島をめぐる県境の裏話や県名が五回も変わった地域がある―など、全国各地の面白い話題が満載で、明治初期の混乱ぶりもうかがわせました。香川県も表題のように紆余(うよ)曲折の歴史。徳島、愛媛両県と合併・分離を繰り返し、もし、今も愛媛県のままだったら「愛媛県人はうどん好き」となっていたかもしれません。
都道府県ができてから一世紀以上を経て、今度は「廃県置州」、すなわち道州制の議論が起きています。将来、「○○州民」を取り上げる番組は、果たして登場するのでしょうか。(高松支社・安原勇)