JR西日本は16日、これまでより約1時間遅い午後11時に、紀伊田辺駅(田辺市湊)発御坊駅(御坊市湯川町)行きの最終便の運行を開始した。「第1便」に乗り込んだ約110人(JR発表)の中にはほろ酔い機嫌の人も多く、乗客は週末の夜を飲食街でゆっくり過ごして帰路についた。 運行に先立って増便を祝う式典があり、増便を要望していた味光路振興会の保田正明会長と田辺飲食業組合の橘勝太郎組合長のほか、真砂充敏田辺市長、田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長、田辺商工会議所の中田肇会頭、JR側からは田辺駅の貴志公彦駅長が出席した。 午後10時50分ごろ、橘組合長が出発宣言をし、改札前で待ちわびていた人が電車に乗り込んだ。席に着くと、すぐにうたた寝を始めたり、偶然隣に座った人と会話を始めたりする赤ら顔の人もいた。 電車の増便に合わせて飲み会を設けたという印南町の男性(47)は「2次会に行っても余裕を持って電車に乗れた。交通費も安くついてありがたい。週1回だけだが、今後増便してくれたらうれしい」と話した。 保田会長は「PRが効いたのか、多くの人が利用してくれて心強く感じた」、橘組合長は「6月から要望していたことが現実になり、これほどうれしいことはない。たとえ1時間でも(客が)長く店にいてくれれば、田辺市の発展につながる」と満足そうに話した。 JRの増便は来年1月25日までの期間限定で、毎週金曜の1本(11月23日は運行せず22日)のみ。2両編成で運行する。