在日トルコ大使館のムラット・サカ武官(43)が23日、串本町樫野沖で遭難したトルコ軍艦の遺品発掘調査をしている現地を訪れた。調査団のリーダーで、トルコの民間研究機関「トルコ海底考古学研究所」のトゥファン・トゥランル所長(55)と面会し「活動に感謝する。エルトゥールル号遭難の出来事が世界中に知られることを願っている」と激励した。 サカ武官は2006年8月に着任し、串本訪問は4回目。昨年1月にも調査団を激励している。 今回は樫野の旧樫野小学校に開設している「ERC(エルトゥールル・リサーチ・センター)」を訪問。昨年の事前調査で引き揚げた遺品の保存処理の作業を見るとともに、トゥランル所長から今年の作業計画を聞いた。 サカ武官は「引き揚げの遺品はどんなものが期待できるのか」「軍艦には大砲を6つ積んでいたと聞くが」など熱心に質問。発掘調査について「単なる遺品の引き揚げではない。すべての遺品に思い出が詰まっている。トルコでも日本でもトルコ軍艦の遭難のことはあまり知られていない。発掘調査で多くの人が知ることになると思う」と期待を寄せた。トゥランル所長は「武官の期待を光栄に思う。応えられるよう頑張りたい」と話した。 サカ武官はトゥランル所長に記念プレートを贈った。 サカ武官はこの日、トルコ軍艦遭難慰霊碑やトルコ記念館も訪れた。24日には大島小学校を訪れ、児童と交流を深める。