大阪知事選、批判合戦ヒートアップ──選挙ビラや演説、支持層切り崩しへ2008/01/24配信
大阪府知事選が終盤を迎え、政党が推す各陣営候補の舌戦が過熱している。「知事にふさわしくない」と対立候補を攻撃するなど、批判を応酬する激しい“ネガティブキャンペーン”も展開。27日の投開票日まであとわずか。各陣営とも自らの政策を有権者に訴える“正攻法”では間に合わないとし、「対立候補の支持層を切り崩すしかない」と最後の追い込みに必死だ。
「こんな人を知事にしていいんですか?」。20日以降、刺激的な大見出し付きの選挙ビラ300万枚が新聞の折り込みなどで府内に配布された。実名こそ出ていないが、弁護士でタレントの橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=が、テレビなどで展開した「核武装論」や「日本人の中国での集団買春」などを巡る発言を批判する内容だ。 配布したのは元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)=民主など推薦=陣営。街頭演説でも、応援に駆け付けた民主党議員らが、若さを売り物にする橋下氏に対し「知事になるには若すぎる。経験も実績も足りない」などと批判を展開する。 終盤での世論調査では橋下氏にリードを許しているだけに、陣営は巻き返しに必死。「相手から票を奪う作戦を取らざるを得ない」(陣営幹部)と、なりふり構っていられない様子だ。 弁護士の梅田章二氏(57)=共産推薦=陣営も、橋下、熊谷両氏を「大型開発などで府政を行き詰まらせた、オール与党の推薦候補」と批判する選挙ビラ約400万枚を作成。22日から街頭などで配り始めた。街頭演説でも「対立候補の過去の言動などへの批判を強める」(陣営幹部)方針という。 「熊谷氏がトップになれば大阪府は転覆する」。橋下氏も負けじと演説会などで対抗馬批判を展開。対立候補が主張する政策について「府民所得アップや産官学の連携などは、まやかしでしかない」と主張する。一方で「問題発言もたくさんして迷惑を掛けた」とさりげなく弁明して笑いを誘ったりしている。 橋下氏は「批判ビラは相手陣営の作戦。私は自分のやり方でやるだけ」と対立候補を批判するビラは配らず、冷静さを強調する。ただ陣営幹部は「ビラがまかれてから(橋下氏も)対立候補への攻撃が激しくなった。気にするなと言っているのだが」と話していた。
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