NO.63号(99年9月21日号)
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増田俊男事務局 |
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SICクラブ |
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総合
為替も株も乱高下が続いている。原因は株ではなく為替の動向にある。
先週から黒田財務官等日本の金融当局者はワシントンで米国当局者と度々打ち合わせをしているが、
日本側の要望によるもので、米国が特に困っているわけではない。当然日本の要望とは円高是正の
為の米国の協力、日米協調介入である。米国は昨年10月より経済政策を180度転換しており、今の急務は95年以来の世界資金米国一国集中により成し遂げた「3高」(高成長、株高、ドル高)の負の副産物、「超大貿易赤字」の削減である。輸出品単価が下がるドル安は望ましいことである。そこへ日本がドル高への協力を要請するということは、米国の望まぬことを頼むこと。だからそれ相当の反対給付を提供しないと米国は応じないだろうし、応じる必要もない。米国にとって必要な
ことは円高と日本の内需拡大、さらに日本企業のリストラである。円高と日本の消費増で米国の対日輸出は増大し、日本企業のリストラによる日本の生産能力下落は消費増を日本企業に食われることなく総て米国からの輸入に向ける。この流れの中での対米ドル高協調介入の要請。一方円高は米国から日本への資金還流によって起こされており、それはNYダウの下落を意味する。米国が反対給付を求めるとするなら、日本の責任でNYダウの急落を防ぐ保証だろう。NYダウが高めに保たれている限り、米国の消費は堅調(キャピタルゲインの為)だから、ドル高によるマイナス輸出分が、日本の保証で米国内で消化されればいい。つまりドル高のマイナス分を日本が払えばいいと言うこと。それは日本がそれ相当の資金を米国に移動させることである。
日銀の金融政策決定会合
日本が米国に協調介入の要請をしようと、しまいと米国は日銀にさらなる金融緩和を求める。
無担保翌日物金利を限りなくゼロに誘導し続けている中でさらに一層の金融緩和をするには「量的緩和」以外に無い。つまりマネーサプライ増、国債買いオペ増、短期国債買い切りオペ、市中銀行の
対日銀準備預金率の引き下げ、為替介入資金の不回収、等々である。これは総て米国にプラス。
国内資金需要を充分満たし、内需を拡大しながら、余剰は米国に流れるからである。この条件なら、
やっと登り坂になってきている景況感に水をささない程度の円高是正に協力しても損は無い。ただし
一回だけ。
為替
日米協調介入後は一転して円高になる。マーケットは日本の輸出産業が1996年に「1ドル100円体制」
を完了し、その後3年間も40円以上の円安メリットを享受し、さらに国内不況ムードの中でリストラを敢行。
実際の輸出競争力は「当然2桁」を知っている。
株
本年暮れまでは落ち着かない乱高下相場。10月上旬に一時強烈な円高と株高があるだろう。日本株の本格的
上昇は2000年から。来年の春までにNYダウが9000ドルにソフトランデイングしたところからが日本株時代。
2000年問題で儲かるのは年末のドル高と原油高を売ること。年末までは材料株で短期勝負。
ご注意!
今回の「時事直言」はサンラ・ワールド(株)の投資顧問先に送る「増田俊男レポート」を兼ねます。投資
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谷川 03-5966-1112(TEL) 03-3955-2122(FAX)
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前週、満員御礼により締め切らせて頂きましたパラオフレンドシップツアーですがキャンセルが出ましたので 2席のみ、本日の受付を致しますのでご希望の方は大至急
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発信者 : 増田俊男
(時事評論家、国際金融スペシャリスト)
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