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ウイルス作成の院生らを著作権違反容疑で逮捕 京都府警

2008年01月24日

 ファイル交換ソフト「Winny」(ウィニー)を使って無許可で人気アニメの画像を流したなどとして、京都府警は24日、大阪電気通信大学の大学院生(24)=大阪府泉佐野市=を著作権法違反容疑で逮捕した。大学院生はアニメ画像にコンピューターウイルスを組み込み、アニメを目的にダウンロードした人のパソコンに感染させ、被害を与えるなどしていたという。府警によると、ウイルスの作成者が逮捕されるのは国内初。

 コンピューターウイルスの被害は世界的に多いが、日本国内にはウイルス作成そのものを処罰できる法律がない。このため府警は、著作権法違反を適用してウイルス作成者の逮捕に踏み切った。

 府警生活経済課ハイテク犯罪対策室の調べによると、大学院生は昨年10月から11月にかけて、無断でTBS系で放映されているテレビアニメ「クラナド」の画像を使ったウイルスを作成。ウィニーを介して無許可で、不特定多数の人のパソコンに流出させ、作者の著作権を侵害した疑い。

 府警はこのほか、ウィニーを介してアニメ画像を不特定多数の人にダウンロードさせたとして、大阪府内の会社員(39)、兵庫県内の30代の無職男も同容疑で逮捕した。

 調べに対し、大学院生は「人気アニメの画像を使えば、反響が大きくなると思った」と供述しているという。

 大学院生が作成したのは、ウィニーを介して感染する「原田ウイルス」と呼ばれるウイルスの亜種で、パソコンのデータが破壊されることもあった。府警は、大学院生が原田ウイルスそのものも作成した可能性もあるとみて調べる。大学院生が作成したファイルは人気アニメの画像を使っているため、ダウンロードされた回数が多かったという。

 ウイルス対策大手のシマンテック社などによると、「原田ウイルス」は06年6月ごろから、ウィニーなどを媒介して広まるようになった。感染したファイルを実行すると、パソコン内に保存されている画像ファイルやインターネットエクスプローラーなどが削除されてしまう。実行した際に様々なアニメ画像が現れるものなど亜種が多数広まっているという。

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