宝の山だ
宝の山だ。
宝の山だ。

目の前に宝の山がある。

望みさえすれば手に入る宝の山。
そこには何でもある。
どんなものも、望みのまま。
思いのまま。

500年? 数千年? 数万年?

何を欲する?

太陽か? 地球か? 銀河か?

よろしい、すべて授けよう。


道を作るんだ。

道。

どこまでもいける道。

フロンティア。

ずっと広大な土地。

それは・・・

想像してみよう。

地平線のはるかかなた向こうまで絶え間なく続く土地。

そこへ伸びていく一本の道。


思えたか?
想像ができたか?

ならばそれはもう。

君のものだ。

さあどんどん想像しよう。

世界か? 人か? 愛か?


想えたか?
心に浮かんだか?

ならばそれはもう。

君のものだ。


いくらでも、いくらでも、
手に入る。

嘘じゃない。

簡単なことだ。


広がりのなかに交錯する信号。
たわむ電線が残像を作る。
くだけた石が飛び散って空間に溶けていく。
淡い色が光をねじまげて渦になる。

その向こうにある白い部屋、

ひまわりの花が当たり一面に浮かんでいる。

隙間という隙間に分け入って

ピアノが奏でる空気の振動を聞くだろう。

キーボードのキーが、弾丸のように飛び出していく。

僕はおいかける天井にぶつかって
それでも勢いのついたキーは横へ
壁にぶつかって
バラバラと降り注ぐ

なあ、何が想像できる??

君の想像力はそんなものかい???


想えばいい、ただそれだけのことなのに。








すべてがもし、一つの飴玉に凝縮されたら、

それはどんな味がするだろう?








by sepiela | 2007-01-24 04:37 | 創作物・小説・物語 | Comments(0)

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