血液製剤「フィブリノゲン」の投与によってC型肝炎ウイルスに感染した11人の救済を求めて、諏訪マタニティークリニック(下諏訪町)の根津八紘院長と、富士見高原病院(富士見町)の井上憲昭院長が提訴する方針であることが23日、分かった。薬害C型肝炎に対する被害者救済法の成立を受けたもので、同肝炎訴訟の原告団に加わる予定。
11人の内訳は諏訪マタニティークリニックで8人、富士見高原病院で3人で、現在40~60歳代。78~87年の間に出産時の止血剤としてフィブリノゲンを投与された後、C型肝炎ウイルスに感染した。いずれもカルテは保存してあるという。
根津院長は「医師として道義的責任がある。感染者だけが苦労するのではなく、国などのサポートが得られるよう積極的にかかわりたい」と話す。井上院長は「カルテの有無だけでなく、血液製剤の納入実績などで救済の認定の幅を広げることも訴えたい」と話した。【池乗有衣】
毎日新聞 2008年1月24日