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【三重】松阪地区の救急出動、1万件突破2008年1月24日
松阪地区広域消防組合管内1市2町の2007年1年間の救急車の出動件数が、前年より約2200件多い1万1169件となり、初めて1万件を突破した。昨年4月から松阪市内の3大病院が休日・夜間は救急車による搬送患者しか受け入れなくなったことや、猛暑で夏場に熱中症患者が増えたことが、増加の要因という。 同消防組合のまとめによると、月別の救急出動件数は、1月を除いて2月から12月まで前年同月より増加。さらに、6月以降は、11月を除いて前年同月を200件以上も上回り続けた。中でも、8月は猛暑で熱中症患者が多発したため、前年同月の1・5倍の約1200人が搬送された。 ほぼ年間を通して出動件数が増加した理由について、同消防組合は「新たな救急医療体制が原因では」と指摘。輪番制で休日・夜間の診療にあたってきた松阪市民と松阪中央総合、済生会松阪総合の3大病院が医師不足などに伴い、昨年4月から救急車で搬送された患者のみに受け入れを制限したことが影響したとみている。 「搬送件数の増加分のほとんどは、入院を必要としない軽症者が占めているようだ」と同消防組合。「『夜間は救急車を呼ばなければ、三大病院で診てもらえない』と知った一部の市民が、軽症でも救急車を呼ぶようになった」と分析する。 搬送件数の増加で、最も出動の多い中署と南署の計5台の救急車が全車同時に出動するなど、影響が懸念される事態も起きている。同消防組合では「呼ばれれば、すべて搬送せざるを得ない」としながらも「軽症の場合は休日夜間応急診療所に行ってもらうなど、緊急を要する人が困らないように、粘り強く適正な利用を呼び掛けていきたい」と話している。 (森耕一)
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