ガソリン代などに上乗せされている道路特定財源の暫定税率について県内でも議論が盛んだ。「地方にはまだ道路が必要」という声も多いが、本当だろうか。
公共交通機関が整備されていない地方では、自家用車が交通の足だ。原油高の今、ガソリンは安いに越したことはない。救急搬送時の道路整備の重要性も説かれるが、命が救えるかどうかが道路の問題だけで語られていいのか。ドクターヘリも含め、地域医療の充実こそ、本来急がれるべきだろう。
そもそも、少子高齢化が進む地方で道路というハードを生かしきれるか疑問だ。道路さえ出来れば雇用も経済も活性化するという「おとぎ話」のような話を聞くと、地方の問題がわい小化されている気がしてならない。(む)
毎日新聞 2008年1月24日