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産科無過失補償制度:脳性まひ児に2000万円 民間保険活用で

 ◇年間対象500~800人

 分娩(ぶんべん)時の医療事故で障害を負った新生児に対し、医療機関の過失の証明がなくても金銭補償をする「産科無過失補償制度」の概要が23日、固まった。民間保険を活用し、重度の脳性まひで生まれた場合に分割で二千数百万円を給付する内容が柱。来年度中に運用が始まり、年間500~800人が補償対象になるとみられる。

 無過失補償は医療事故調査委員会の創設と並び、政府・与党が医療紛争の抑制や医師不足解消の切り札と位置づけている。厚生労働省の委託を受け、財団法人「日本医療機能評価機構」が07年2月から準備委員会(委員長、近藤純五郎・元厚労事務次官)を置いて制度設計を進めていた。

 脳性まひは1万人に20人程度の割合で発生し、分娩時に医師の過失があったかどうかの判断が難しい。裁判になると長期化し、患者と医師双方の負担が大きいことから無過失補償制度の導入で早期解決を図る。準備委の報告書案では、医療事故とはいえない先天性異常や未熟児を除いた身体障害1~2級相当の脳性まひ児を対象に一時金として数百万円、その後20年間にわたり2000万円を分割支給するとしている。

 制度は民間保険の形を取り、分娩を行う全医療機関の加入を求める。保険料は現在35万円の出産一時金を数万円上乗せした分を原資とし、医療機関が分娩費用の一部として徴収する。事故が補償対象に該当するかどうかは機構内の運営組織が審査し、その過程で重大な過失が明らかになれば補償金分の支払いを医師側に求める。【清水健二】

毎日新聞 2008年1月24日 東京朝刊

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