中国の大手銀、サブプライム関連の投資額を公開
中国の大手銀行が米国のサブプライムローン関連の金融商品へのエクスポージャーを公開し始めている。発表を受け、香港市場で一部銀行の株価が下落した。
中国の国有商業銀行、中国銀行は23日にサブプライム関連の資産担保証券(ABS)と債務担保証券(CDO)への投資総計96億5千万ドルで、証券投資の3.8%にのぼっていたことを明らかにした。24日の香港市場では、中国銀行株が一時8.1%まで下落した。
四半期決算での海外事業の規模よると、中国銀行は中国四大銀行の中でサブプライム関連証券へのエクスポージャーが最も大きいと見られる。中国銀行の香港法人であるBOC香港はサブプライム関連証券への投資額が16億ドルで、資産総額の1.2%になると発表した。
中国銀行は、保有しているサブプライム関連証券でデフォルトは発生していないと述べているが、23日の決算発表では、損失に備えて11億5千万元(1億 5,100万ドル)の引当金を計上している。同銀が保有するABSの格付けはすべて「A」かそれ以上であるため、アナリストらは同銀が信用危機から受ける リスクは小さいと見ている。
また、最大手の中国工商業銀行(ICBC)は23日、保有するサブプライム関連証券の時価評価額が6月末時点で12億3千万ドルで、証券投資の0.3%にとどまると発表している。
同銀の姜建清・頭取は「ICBCは、現在の時価評価額で算出すれば確かにサブプライム関連証券で損失を抱えているが、損失は深刻なものではなく、十分に対処できる範囲内だ」と述べた。