東京都武蔵村山市は4月から議員報酬を一律に月額3万円引き上げる方針を決め、次回の定例市議会に関連条例の改正案を提出する。全国の市議報酬は減少傾向にあるが、増額の理由は「優秀な人材に立候補してもらうため」。昨年4月の市議選(定数20)は無投票だった。これに対し市民や一部市議らから「報酬目当ての立候補者が出かねない」と批判の声が上がっている。
全国市議会議長会によると、06年12月末現在、全国802市(東京23区を含む)の議員報酬の平均月額は42万1000円(05年比2000円減)と年々減少傾向にある。武蔵村山市議は96年から43万5000円。
荒井三男市長が昨年10月、有識者でつくる市特別職報酬等審議会に報酬の在り方を諮問。審議会は今月17日、▽前回の選挙が無投票だった▽生活費である報酬を議員活動費にあてざるを得ない議員もいる--などを挙げ、「議員職の魅力が薄れ、優秀な人材が立候補しなくなる」などの理由で引き上げを答申。引き上げ幅は「市民感情を考慮して3万円にとどめた」という。
審議会は同時に市長ら特別職の給料も「日々の業務が多忙」を理由に一律2万5000円の増額を答申したが、市は市長と副市長の給料増は見送った。22日の庁議で答申通り議員報酬の引き上げを決め、年間増額分約1000万円は一般財源から支出する。【酒井祥宏】
毎日新聞 2008年1月24日 2時30分