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坊や、助かった 池転落 心肺停止 ドクターヘリ搬送愛知→静岡70キロ 5日目に意識戻る 「脳低温療法」一命を取り留め、元気な様子で退院した玉越光ちゃん(左)と父親の立佳さん(静岡市葵区の静岡県立こども病院で)
愛知県設楽町で今月2日、正月で母親の実家に帰省中に、ため池でおぼれて意識不明となった3歳男児が、70キロ以上離れた静岡市葵区の静岡県立こども病院に運ばれて奇跡的に回復し、22日、元気に退院した。県境をまたいだドクターヘリでの迅速な搬送や治療が功を奏した。病院で父親は「元の状態に戻れるとは思わなかった。元気な顔を見られて本当にうれしい」と、我が子の回復を喜んだ。 命を取り留めたのは、愛知県田原市の会社員玉越(たまこし)立佳(たつよし)さん(42)の長男光(ひかる)ちゃん。 事故があったのは、今月2日午前10時ごろ。同県設楽町の実家に帰省中、光ちゃんが近くのため池に沈んでいるのを玉越さんが発見し、引き揚げた。119番通報で駆けつけた救急隊員が救命処置をするとともに、浜松市北区の聖隷三方原病院にドクターヘリ出動を要請した。 光ちゃんは心肺停止状態が推定10〜30分間続いたとみられ、体温が28度にまで下がって危険な状態だったが、午前10時半すぎにヘリが到着。東海地区で唯一、24時間態勢の小児集中治療室がある静岡県立こども病院に11時45分に搬送された。 脳機能を保護するため、体温を33〜34度に保つ脳低温療法によって、6日に意識が戻った。順調に回復し、12日から一般病棟に移っていた。 救急のたらい回しが全国的な問題になっているが、同病院の植田育也・小児集中治療センター長は「救急隊、ドクターヘリと我々の連携がうまくいった。重症の子どもを24時間受け入れできる救急態勢を持つ施設はほとんどないのが現状で、全国的な整備を望みたい」と話した。 父→救急隊→病院 迅速連携光ちゃんの奇跡的な回復の背景には、立佳さんの的確な対応と、救急隊、ドクターヘリ、小児集中治療室の迅速な連携があった。 ため池に小さな靴が浮かんでいるのを発見した立佳さんは、氷の張った池に飛び込み、光ちゃんの腕を引っ張り上げたが、息はなかったという。通報した救急隊員の指示を受け、立佳さんは自己流で人工呼吸をして、水をはかせた。 通常、5分以上心肺停止が続くと、脳に酸素が供給されず、脳細胞が損傷して後遺症を負うとされる。ところが光ちゃんは氷水に落ちたため、一時的に28度の低体温になり、これが脳の活動を抑え、損傷を防いだ可能性があるという。 ドクターヘリで運ばれた静岡県立こども病院の小児集中治療室は、昨年6月にオープンしたばかり。13人の医師が完全2交代で、年末年始も普段同様に対応していた。 付きっきりで看病した立佳さんは、「入院前と全く同じように元気。スタッフは我々親の精神面のケアもしてくれ、私自身もこの病院に助けられた」と笑顔を見せた。 (2008年1月23日 読売新聞)
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