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コンビニの高級アイス コクと素材感が決め手1、2位を占めたディーン&デルーカは2005年に日本でアイス販売を開始。東京都内で展開する直営店や通信販売に加え、ファミリーマート(関東・関西・東海地区の約5000店舗)で扱っている。キャラメルウォルナッツは、一口食べるとキャラメルの香りが鼻に抜け、クリームがなめらかに舌の上で溶けると同時に、ナッツの香ばしさが膨らむ。 高い評価を集めた要因は「コクと素材感が出ている」(小嶋さん)こと。「キャラメルとナッツが個性をもち、とても良いバランス」(見崎さん)、「キャラメルの香りが上品で舌触りがよい」(田辺さん)、「他のキャラメル味のアイスクリームの一歩上を行く味」(高山さん)などと絶賛された。 「今まで食したことのない味。素材の味が生きている」(入江さん)との声があったのが、2位のマロングラッセ。ブランデーが香る芳醇(ほうじゅん)な大人の味わいで、「マロンとアイスクリームのバランスがいい」(渡辺さん)。クリの深みのある味わいとクリームがしっとりと溶け合う。 7&iデザーテリアキャラメル&シナモンアップルは、「酸、香、甘が一体となったレベルの高いアイスクリーム」(西口さん)。ハーゲンダッツの定番を超え、3位に食い込んだ。価格は200円以下とコストパフォーマンスでは群を抜く。キャラメルの風味が大きめのリンゴ果肉を引き立て、口溶けの瞬間にシナモンが香る。「味の複雑さや奥深さがあってもバランスが良い」(奥村さん)、「パンチの利いた一品。手作り感がある」(入江さん)との評価が集まった。 4位、5位はハーゲンダッツのミニカップ。ストロベリーは「だれもがおいしいと思う味」(池田さん)。「市販のアイスクリームとしてこの価格でこれ以上はないのでは」(高山さん)との指摘も。バニラも「クリームのコク、口溶け、濃厚さ、どんなときでもおいしいと感じる」(渡辺さん)と、完成度の高さをたたえる声が集まった。 イタリアンジェラートの老舗、ラケーリのマンゴーが6位。百貨店などに出店するブランドで、コンビニでは06年からナチュラルローソンが販売する。「そのままレストランで出してもいけるレベル」(小嶋さん)という。 7位は和の素材を厳選して作った和ごころシリーズ(江崎グリコ)から、抹茶黒みつが選ばれた。「抹茶の香りに高級感がある。黒みつのコクと抹茶アイスのクリーム感がとても合う」(進藤さん)との評価があった。
コーヒー・紅茶でアレンジも 寒い冬にアイスを楽しむなら、まず暖かい場所で食べるのが前提。好みにもよるが、冷凍庫から出してしばらく置いてから食べると、なめらかな食感が楽しめるというアドバイスが多かった。もっとも、溶けすぎると「甘みが強く、なめらかな印象がぼける」(渡辺さん)との指摘もあるので、加減を試しながら楽しみたい。 アレンジを加えるなら、エスプレッソをかけたアフォガードのように「温かいコーヒー、紅茶をかけて楽しむ」(進藤さん)という意見が多かった。「ハーブティーやほうじ茶、抹茶などを注いでもおもしろい」(奥村さん)、「ホットワイン(赤ワイン)に入れる」(西口さん)など、合わせるものを変えて工夫するのも面白そうだ。 このほか「旬のイチゴなどを添える。抹茶などは干し柿などとも相性がよい」(入江さん)、「温めたスポンジやワッフルにのせて温度差を楽しむ」(高山さん)といった提案が寄せられた。
【調査方法】
コンビニエンスストア大手7社のいずれかで購入できる180円以上のアイスクリームブランドの中から、各メーカーに売れ筋商品を聞いて21候補を選定。レストランのシェフに商品を試食してもらい、アンケートに答えてもらった。試食したシェフは以下の通り(50音順、敬称略)。
池田辰之(ラ・マティエール)▽入江誠(ピエール・ガニェール・ア・東京)▽奥村忠士(リストランテ・アカーチェ)▽小嶋正明(クチーナ・トキオネーゼ・コジマ)▽進藤聡子(ボン・ピナール)▽高山大(ヴィーノ・デッラ・パーチェ)▽田辺年男(ヌキテパ)▽西口大輔(ヴォーロ・コズィ)▽見崎英法(カーサ・ヴェッキア)▽渡辺光昭(ロス・レイエス・マーゴス)
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