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救急搬送:搬送に30分、95歳死亡 11病院、受け入れ断る--東京・清瀬

 東京都清瀬市で今月8日夜、自宅で具合が悪くなった無職の女性(95)を清瀬消防署が救急搬送中、近隣の11病院から「満床で対応できない」などと受け入れを断られ、通報から約2時間半後に死亡していたことが22日、分かった。

 東京消防庁などによると、8日午後9時半ごろ、女性が「胸が痛い」と訴え、同居の長男(50)が119番通報。約3分後に救急隊が駆けつけ、東京消防庁本部と協力しながら搬送先を探したが「処置困難」「患者でいっぱい」などと断られ続けた。約30分後、12番目の清瀬市内の病院が女性を受け入れて応急処置したが、午後11時55分ごろ、徐脈性不整脈で死亡した。女性は心臓に持病があったという。

 受け入れを断った病院の中には、生命に危険のある患者を処置する3次救急医療施設も含まれていた。公立昭和病院(東京都小平市)もその一つ。

 総務課によると、病院では夜間と休日、循環器集中治療室(CCU)など7科で医師が1人ずつ当直している。女性の受け入れ要請時、CCUで心不全の女性の処置中だった。「順番を待てば命にかかわる」と判断し、他の病院への搬送を求めたという。

 同課は当直体制をとる医師不足などを挙げ「受け入れたくても受け入れられない状況がある」と説明する。

 長男は「まさか自分の身に降りかかるとは思っていなかった。関西などで問題になっているのに連携体制は全く改善されていない」と話している。【酒井祥宏】

毎日新聞 2008年1月23日 東京朝刊

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