YOMIURI ONLINE
現在位置は
です

本文です

シャープ堺工場建設「暴力系企業が参入」と府通知

 シャープの新工場建設工事(堺市堺区)に、暴力団と交友関係のある企業が下請け参入しているとして、大阪府がシャープに通報、元請けの大手ゼネコン「清水建設」がこの企業に契約解除を通知していることが、わかった。官公庁が民間工事を巡って暴力団関連情報を提供するのは異例。府はシャープに総額150億円の補助金を交付する予定で、「巨額の公金を出す以上、放置すべきでないと判断した」としている。

 府によると、大阪市内の土木会社。2006年8月、当時の社長が山口組系暴力団組長とゴルフをするなど親密な関係にあるとして、大阪府警が、暴力団の公共工事参入を防止する「府暴力団等排除措置要綱」に基づき府に通報。府は同月、府発注工事を受注するゼネコン23社に、同社を下請けに使えば契約解除すると通知していた。清水建設も通知を受けた1社だった。

 新工場は民間工事で、補助金対象事業であっても同要綱の対象外だが、府は先月、外部の指摘で土木会社の下請け参入を確認、シャープに通報した。連絡を受けた清水建設が土木会社に契約解除の方針を通知。土木会社も受け入れる方向で協議に応じているという。

 シャープ広報室は「清水建設に判断を一任している」とし、清水建設広報部は「民間工事なので土木会社と契約したが、誤解を招いて関係者に迷惑をかけてはならないと考え、契約解除の方針を決定した」と説明。土木会社は、当時の社長がすでに退任していることから「前の社長は株式を手放し、経営には関与しておらず、弊社は現在、暴力団とは無関係」としている。

 新工場は、最新のテレビ用液晶パネルの量産工場で、3800億円を投じて昨秋着工。府は、先端的事業の工場新設などを対象とした補助金を07年度から17年度までシャープに交付することを決めている。

 大阪府企業誘致推進課の話「本来、民間工事に口を出す権限はないが、今後も、今回のようなケースがあれば同様の対応を取る」

2008年1月23日  読売新聞)

 関西発  ニュース一覧

現在位置は
です