グリーンパーク大山ゴルフ倶楽部(鳥取県南部町荻名)を運営するグリーンパーク大山(同、坂口清太郎社長、会員数千二百人)は十六日、韓国のゴルフ場運営会社、エマーソンパシフィック(本社・ソウル、李萬圭(イマンギュ)社長)と業務提携することを明らかにした。互いの会員が各ゴルフ場を会員価格で利用できる相互交流利用が提携の柱。富裕層の多い韓国のゴルフ愛好者の来県が期待され、恒常的な利用確保が課題とされる米子空港ソウル便の存続にも好影響を与えそうだ。
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韓国のゴルフ場運営会社との連携が決まったグリーンパーク大山ゴルフ倶楽部=南部町荻名
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日本のゴルフ場との連携を目指すエマーソン社と韓国のゴルフブームを活用し、誘客とソウル便の安定利用につなげたいグリーンパーク側の思惑が一致した。
提携により韓国側の会員は、通常の六割から半額程度でプレーが可能となり、海外でのゴルフ旅行が一般的な韓国人ゴルフ客にとっては、鳥取県に滞在する魅力が加わることになる。
エマーソン社の会員数は現在一万三千人で、韓国と北朝鮮に五つのゴルフ場を経営するほか、関連のリゾート開発などを手掛けている。
同社の李重明(イジュンミョン)会長は韓国プロゴルフ協会の副会長のほか、韓国・慶尚南道の私立高校の理事長も務めており、昨年六月には生徒や教諭ら二百三十人を率いて来県するなど、鳥取県とのつながりも深い。
グリーンパークでは今春、韓国の男子プロゴルフツアーの開催計画が浮上しており、岡章義営業部長は「大山山ろくの景観がコースの売り。皆生温泉などの観光資源をセットに誘客を図りたい」としている。
両社は十九日に米子市内のホテルで鳥取県を交え三者による基本協定を結び、韓国人客の受け入れなどの面で相互に協力を進めていく。
基本協定を結ぶ鳥取県の平井伸治知事は「かねてから北東アジア地域の国際旅客の必要を呼び掛けてきたが、大きな役割を担うと期待している。既存の支援策を駆使しながら、県も応援団となって一緒に取り組みたい」と民間による新たなビジネスの動きを歓迎。
一方、民間交流などを通じて李会長と親交のある県西部地区日韓親善協会の杉原弘一郎顧問は「李会長は県西部に愛着を持っており、提携はそうした関係者の熱意で実現したと思う。ソウル便の利用に大きく影響し、運航継続の可能性も高まった」と、同便への波及効果に期待する。