韓国の海運会社が鳥取県の境港と韓国・東海(トンヘ)、ロシア・ウラジオストクの三つの港を結ぶ定期貨客船の就航を目指している問題で、韓国を訪れている平井伸治鳥取県知事は二十一日、韓国の寄港地・江原道東海市の金鶴基(キムハッキ)市長と会談し、鳥取県、東海市の双方が就航実現に向けて協力していくことを確認した。東海市の市長が協力を約束したことで、就航に向けて大きく前進した。
韓国の東海岸と日本の日本海側の港を結ぶ定期貨客船の航路開設は戦後初。
運航を目指しているのは韓国の大手海運会社・大亜(てあ)高速海運の子会社でソウルに本社を置くDBSクルーズフェリー。計画によると、境港とウラジオストクを東海経由で結ぶルートに、定員三百−五百人程度の一万六千トンクラスの貨客船を就航させ、境港には週一回寄港する。会談に同席する予定だった同社の朴台郁(パクテウク)社長は欠席したが、同席した鳥取県の職員によると、金市長は平井知事に対し「東海市としてもできることは協力したい」と就航実現に前向きの姿勢を示したという。
境港には中国、韓国とを結ぶ定期貨物航路はあるが、貨客船の就航はない。就航が実現すれば物だけでなく人の「環日本海交流」が実現することになり、境港を玄関口に山陰両県への国際観光客の入り込み増や、新たな貿易促進につながると期待される。