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日経平均、予想上回る急落 エコノミストも読み違い

2008年01月22日21時05分

 今年初めにエコノミストら専門家に尋ねた日経平均株価の年間予想は「1万3000円台後半〜2万円」だった。しかし、日経平均は年始から急落が相次ぎ、22日に1万3000円を割り込んだ。新たな予想では年初時点と比べて2000円ほど安い「1万2000円台〜1万6000円台」が増え、1万2000円割れの予想も出始めた。

 西広市・日興コーディアル証券エクイティ部部長は「米景気後退への懸念の広がりに歯止めがかからない」と話す。米サブプライム関連商品を保証する「モノライン」と呼ばれる金融保証会社の信用力低下も表面化。1万2000円台前半〜1万6500円とみる。

 高橋和宏・大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部部長は「株安の歯止めとなる材料がない状態だ」と指摘する。日本株の買い手は「資産に一定割合の株を組み入れる年金基金と、一部のオイルマネー程度」(大手証券)という見方もある。

 三菱UFJ証券の藤戸則弘・投資情報部長は「政府には景気の現状への危機意識が乏しい」として、構造改革や財政再建の取り組みが停滞している「政治」の責任を強調。今後について1万2000円〜1万6000円と見るが、1万2000円割れもあり得るという。

 中国やインドなど新興国市場の急落も不安要素だ。大和SMBCの高橋氏は「株式などリスク資産への警戒感が強まっているためではないか」としつつ、「経済成長見通しが下方修正されたわけではない」として、新興国の実体経済は力強いと見ている。

 一方、年後半の株価回復に期待する声は根強い。米景気が景気対策の効果で持ち直すとして「年後半は回復に向かう」(藤戸氏)。日本経済も「もともと海外経済の拡大に乗っていた」(加藤氏)ため恩恵を受けるという。

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