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道立紋別病院問題〜広域連合、本格的な検討へ
(1月22日付け)
 経営状況が悪化し、新しい形態での運営が模索されている道立紋別病院(及川郁雄院長)について、紋別市を含む西紋の5市町村と道が、広域連合による運営を検討することが正式に決まった。21日、西紋の各首長と道立紋別病院の院長が打合せ会議を開催し、合意した。2月上旬にも検討協議会を設立する。今後、意見がまとまれば、遅くとも2年以内に、広域連合による運営を実現したい考えだ。
 会議は非公開で行われたが、終了後、同病院の及川院長と吉田和久事務長が取材に応じた。及川院長らの話によると「(広域連合に向けて)各市町村の意向は熱意の温度差があるが、広域連合や(よりゆるやかな)広域的な連携も含めて検討を始めることに合意した」という。2月上旬に発足させる検討協議会には西紋5市町村の首長、道立紋別病院の院長らに加え、紋別医師会、紋別保健所、網走支庁の地域政策課、道庁の道立病院管理局などの代表なども入る予定だという。
 検討協議会では広域連合について、具体的な形態や、道と西紋5市町村の負担割合など、運営方法を検討していく。道立紋別病院側では「広域連合の中身の検討は、最大でも1年間、その後、合意ができれば、具体的な手続きや申請の段階に入るが、これも最大で1年間。あわせても2年以内で実現したい」という。
 ただ、道立紋別病院は循環器科の常勤医2人が今年3月末で退任する予定で、その後任は未だ見つかっておらず、同科の閉鎖の危機が迫っている。また連携する他科の医師の退任も予想されていて、現在12人いる常勤医師がこの4月から1ケタ台に落ち込む可能性もある。これに伴い救急対応もできなくなるおそれも出るなど、病院機能そのものの存続が大きな危機を迎えている。
 かねてより広域連合を積極的に推進したい考えをもつ及川院長だが、広域連合に向けたこれまでの話し合いに時間がかかりすぎたことには不満をあらわす。「もう時間がない。(広域連合の発足まで)2年以内と考えているが、それでさえ時間がかかりすぎだと思う。それまで病院がもたない可能性がある。ウチの病院の現状は、すでに(病気の)予防段階を通りすぎ、発症している段階だ。広域連合の案は、いい処方箋ではあるが(医師不足などの)症状が深刻化している今となっては、せっかくの薬が効かない恐れもある」と危惧も示している。

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