まだ、○○○してますか?
選撮見録事件の被告であったクロムサイズが民事再生の申立てを行ったことは既にニュースになっているようです。しかし、その原因について、一部で誤解があるようなので簡単に言及します(もちろん、クロムサイズの承諾は得ています。)。
選撮見録事件で敗訴したことは、経営状態の悪化とは直接の関係はありません(提訴されていなければ、この段階で上場できていたので、後述のトラブルに巻き込まれてもこれを乗り切る体力があったという意味では間接的には関係がありますが。)。経営悪化の原因は、ひとえに、セコムグループの一部上場企業であるパスコから、ETC車載器の売買契約は同社の部長が勝手にやったことであるとして、売買代金の支払いを拒絶されたことに尽きます。この件につきましては現在も民事訴訟が係属中なので詳細は略します(訴訟記録を閲覧すれば分かることですけど)が、パスコ側が指定する仕入れ業者にクロムサイズが支払った仕入代金がなぜかパスコの債務の支払いに充てられている等、「部長が勝手にやった」といわれても俄に納得しがたい事件ではあります。
この事件を通じて、中小企業から多額の金員を出捐させておきながら「あれは部長が勝手にやったことで我々には関係のないことだ」といって何の責任もとらないような企業グループにセキュリティを任せても到底安心などできないだろうと思いました。私たちは、個々の担当者の信頼度など分からないからこそ、企業なり企業グループなりを信用して、セキュリティを任せざるを得ないのであり、従って、従業員が第三者に与えた損害については訴訟で時間稼ぎをせずに責任をすっきりととってくれるところでないと安心できないからです。従業員が不祥事を起こすことは企業がどんなに頑張っても完全には防ぎ得ないので、それを責めるのは気の毒な面があるのですが、従業員が不祥事を起こしたときに責任をとらないというのは、特に他人の生命・身体・財産等の安全を守るサービスを中核とする企業グループにおいては致命的ではないかと思います。
TrackBack
URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13499/17400340
Voici les sites qui parlent de まだ、○○○してますか?:
Commentaires