「無愛想」などマイナスイメージもあるタクシーを子どもや親子連れにも利用しやすくしようと、京都市南区の都タクシー(筒井基好社長)が21日、「子育てタクシー」を始めた。近畿では堺相互タクシー(堺市)に次ぐ導入で、既に運転手約80人が保育所などで研修をすませている。【中野彩子】
子育てタクシーは香川県の子育て支援NPO法人「わははネット」理事長、中橋恵美子さん(39)のアイデア。きっかけは、破水して病院に行くため乗ったタクシーで「シートを汚すな」と言われた知人の体験だった。
中橋さんは「何とかしたい」と子育てタクシーの企画書を作成。2児を育てる鎌野実知子・花園タクシー社長(高松市)の協力で04年9月に実現した。
都タクシーでも07年に車内で出産したケースがあり、中橋さんが業界誌に寄せたコラムを読んだ筒井社長が導入を決めた。中橋さんは「病気でないため、破水しても救急車は来てくれないことが多い。24時間、電話1本で呼べるタクシーは強い味方」と話す。
子育てタクシーは中国・四国地方や長崎県などで導入が進み、06年6月には「全国子育てタクシー協会」(約50社、内田輝美会長)も発足。呼称を使うには協会に加盟し、研修を受ける必要がある。研修には子育て団体が協力。乳幼児と保護者が乗る「かんがるーコース」、子どもが1人で乗る「ひよこコース」など、注意点を学ぶ。
利用には会員登録が必要。申し込みは専用電話(075・661・8825)へ。
毎日新聞 2008年1月21日 大阪夕刊