フジテレビが昨年7月に放送したバラエティー番組「FNS27時間テレビ『ハッピー筋斗雲』」内の企画について、NHKと民放でつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会は21日、「初めに霊能師タレントありきの企画で、出演者への配慮を決定的に欠き制作上の倫理に反する」との審議結果を「意見書」として発表した。
検証委は、昨年発覚した「発掘!あるある大事典2」捏造問題を踏まえ、「教訓が生かされず依然として『面白さ』を第一とする演出を繰り返している」と厳しく指摘した。フジテレビは3カ月以内に改善策を検証委に提出する。
問題となったのは、ボランティア活動に取り組む秋田県の美容院経営の女性を紹介した企画。
意見書によると、番組は架空の講演会を設定して女性を呼び出す「ドッキリカメラ的な」手法で、「スピリチュアル・カウンセラー」の江原啓之さんを登場させ、女性の活動を批判的に取り上げた。放送後、女性は「自分や周囲の人が傷付けられた」と抗議していた。〔共同〕
(21日 21:45)