大阪知事選、「ガソリン値上げ」は争点?
18日召集される通常国会で焦点となる揮発油税の暫定税率の行方。「廃止」を掲げて衆院解散を目指す民主党は17日、国会議員で結成した「ガソリン値下げ隊」を大阪府知事選の同党推薦候補の応援に投入し、「税率を元に戻し、家計を少しでも楽に」「民主推薦候補が負ければ、値下げできない」との主張を展開した。これに対し、ほかの有力2候補は「国政の課題を知事選の争点にするべきではない」と反発し、つばぜり合いを演じる形になった。
「府民の力でガソリンの値段を下げてください」。小雪の舞う大阪・道頓堀で午後、民主党国会議員36人が集結し、約1時間、交代で演説した。のぼり14本には「ガソリン値下げ25円」の文字。同党など推薦の元大阪大教授、熊谷貞俊(くまがいさだとし)氏(63)は「原油高で中小企業はヘトヘト。暫定税率廃止が特効薬」と力説し、チラシを受け取った主婦は「本当に値下げできるなら大歓迎」と話した。
暫定税率維持を求める自民、公明両党の府組織から支援を受ける弁護士でタレントの橋下徹(はしもととおる)氏(38)は「地方政治に国政の対立を持ち込むべきではない」との立場。17日も、国政の課題には触れず、母校の府立北野高近くの商店街を「戻って参りました」と練り歩いた。買い物客から「そのまんまさん(東国原(ひがしこくばる)英夫・宮崎県知事)みたいになって」と握手を求められると、笑顔でうなずいた。
「知事選を党利党略の道具に利用し、地方自治を軽視している」と、民主党をけん制するのは共産党推薦の弁護士、梅田章二(うめだしょうじ)氏(57)。共産党は「暫定税率廃止」の立場だが、知事選の焦点とは位置付けない考え。この日は、枚方市などで「太田(房江)府政への審判を下す選挙」と演説。鮮魚店で、男性店主に「景気良くしてよ」と声を掛けられ、「庶民の味方は私」と言い切った。
(2008年1月18日 読売新聞)