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連載「キュッ!とランド九州」 駅・素敵ステーション
 
◆駅〜素敵ステーション◆1回
イレブンは町民
第71回 島原鉄道・多比良町駅(長崎県国見町)

 長崎・国見町が市民サッカーのメッカを目指す。

 同町は、高校サッカー選手権2連覇の国見高の活躍に比例して、全国に名を広め、本格的な組織づくりやハード面の充実を図ってきた。04年には、長崎県で初のサッカー専門の芝グラウンドを含む「国見町総合運動公園」も誕生。さらなる飛躍を目指し、同町が名実ともに、全国から認められるサッカー王国づくりの道を歩んでいる。

「市民株主のFCバルセロナ目指す」小嶺総監督

 島原鉄道で諫早から国見町の多比良町(たいらまち)駅まで列車に揺られること50分。駅に近づくにつれ、国道251号沿いに立つサッカーボールの街灯が目に飛び込んできた。町を散策すると、青と黄色の国見高カラーをペイントした家や国見高のサッカー商品を売る菓子店舗ののぼりも−。サッカー一色の町を実感した。

 国見サッカー部の活躍に比例するように町も変わってきた。98年に、国見町商工会がサッカーボールの街灯をつくり、店に「サッカー商品」が並び始めた。箱が「国見カラー」のかまぼこをはじめ、サッカーボール型のもなかなどが、同町の特産品、銘菓として売られるようになった。国見町役場企画情報課の塩田貞祐課長(49)は「町民の間にもサッカー文化が浸透してきた証拠」と笑顔を見せた。

 サッカー組織の強化も地元住民の手で実施されている。小学生のクラブチーム「国見FCジュニア」が97年に誕生。99年、全日本少年サッカー県大会で優勝。昨年はさわやか杯NBC県大会で優勝した。その裏には、国見町出身者によるサッカー指導の存在が欠かせなかった。島原商OBで、同クラブを指導する中尾英治さん(35)は「全国で活躍したい子どもの夢をサポートしたい」と目尻を下げた。遠征ともなれば父母が運転するバスで移動。国見高がサッカーを根付かせた時代から、町民による「サッカー王国」へと変ぼうしている。

 ビッグイベントも実現させた。3年前から「国見町サッカーフェスティバル」を毎年開催。昨年は、国見をはじめ招待された鹿児島実や宮崎の日章学園、熊本国府の試合が行われた。04年には、長崎県で初となるサッカー専門の芝グラウンドを含む「国見町総合運動公園」(総工費約13億円)も完成する。

 「サッカーの国見町」誕生に多大な貢献を果たした国見高の小嶺忠敏総監督(56)は熱く語る。「スペインのFCバルセロナは、市民が株主。市民サッカーチームの代表です。私もそこを目指したいし、国見町を起点に土壌ができつつある」。町民全体が"国見イレブン"となって国見町という"フィールド"を駆け巡る。【菊川光一】

写真・上=国道251号沿いには作家ボールの街灯が並ぶ =「国見町サッカーフェスティバル」では国見vs鹿児島実など豪華な対戦もある)

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必見の芸「鳥刺し」

 国見町の数ある郷土芸能の中で「鳥刺し」は必見だ。赤ふんどしを体に巻き、手ぬぐいをほおかむりし「見んさいな、見んさいな」と踊る姿はなんともユニーク。結婚式や祭りなどで、出演依頼が絶えない。

 約200年前、同町神代(こうじろ)地区に住んだ鍋島家の家臣が、京都で行われていた「鳥刺しの狂言」を学び持ち帰り、広めたという。「鳥サシ保存会」の柿原嶺夫会長(70)は「格好が格好だけに、若い後継者がいないんですよ。かなり受けるんですがね」と苦笑いした。

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愛野町から全国へ「愛」

 島原半島北部の長崎・愛野町は「愛」をキーワードに活気づいている。「愛のモニュメント」の制作、特産のジャガイモ「愛の小町」生産から交流事業まで「愛」づくし。中でも特に力を入れているのが全国で「愛」がつく町(北海道・愛別町、滋賀・愛東町、神奈川・愛川町)との交流事業だ。昨年7月には、北海道・愛別町の中学生12人を受け入れ、佐賀・鹿島市での干潟遊びを経験させたり、ホームステイさせた。参加者は町挙げての心温まるもてなしに感動した。

 交流事業は、88年に始まった。バレンタインデーで愛知・愛東町の女性グループが、愛野町の町長にチョコレートを送ったのがきっかけ。まさに「愛」が交流の架け橋になった。

 今年5月、全国でも珍しい女性の意見を町制に生かす試みが始まった。町長に直接面談して、意見を交換するもので、一般公募で21人が参加した。愛野町役場教育委員会の松橋秀明係長(40)は「ごみ袋の分別問題や環境問題など、女性ならではの身近な意見が多かった。愛のこもった積極的な取り組みが町を救うということですよ」と振り返った。

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観光客殺到、かまぼこ&もなか

 サッカーの町らしく、国見のサッカーをもとにした商品が多く販売されている。今年1月、国見が高校サッカー選手権で連覇を果たすと「みゆき蒲鉾(かまぼこ)本舗」には観光客が殺到した。お目当ては「サッカーマーちゃん」(370円=写真・上)「国見のゴール」(630円=写真・中)のかまぼこの2種類。

 「国見サッカー部の活躍にあやかりたいと買っていくんです」とみゆき蒲鉾店員も胸を張る人気商品だ。それだけではない。同店で売られている「もなか・サッカーストライカー」(5個入り・500円=写真・下)も人気だ。サッカーボールの形は、なんともキュート。お土産にはもってこいだ。

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乗車券「幸せを愛しの吾が妻へ」

 00年、島原鉄道の幸(さいわい)駅開業にともない、幸せ記念乗車券「幸せを愛しの吾が妻へ」(510円)が販売された。「幸」「愛野」「吾妻」の各駅を縁起がいいとつなげたもので、これが受けた。結婚式の引き出物やホワイトデーに買う人が多いという。島原駅の窓口で買っていた武田純さん(35)は「結婚記念になるかなと思って」と笑顔でポケットにしまっていた。



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人口11000人半島の「海の玄関口」

 ◆多比良町駅
 13年5月10日開業。1日の平均乗降客数は約680人。60年、現在の駅舎に改修された。多比良町駅から5分ほどのところに、多比良港があり、熊本県に渡るには便がいい。9月23日に行われるイベント「STEP UP!923」では、野外特設ステージでの伝統芸能披露や花火大会が開かれるため駅が混雑する。

 ◆国見町
 島原半島の海の玄関口として、有明フェリーが就航。熊本・長洲町とは「地域交流促進協議会」を設けてさまざまな交流を実施している。町挙げての一大イベント「STEP UP!923」には、長洲町のシンボル巨大金魚のみこしも参加する。大分、福島県の国見町と3県交流をするなど、他県との「交流」も町活性のキーワード。農業も盛んで、イチゴの出荷量は、長崎県内で1位。「たいらガネ」と呼ばれるワタリガニの漁も盛んで、同町の郷土料理にも使われている。人口約1万1000人。面積は約38平方 キロ 。


 ◆長崎県立国見高校
 67年、島原高から独立する形で創立。全日制の普通科。生徒数は630人(女子300人)。校訓は「誠実・気迫・努力」。サッカー部は創立と同じ67年創部で、86年度の選手権初出場で準優勝し、昨年度のV2を含む通算5度の全国制覇を果たした。MF三浦淳宏(東京V)ら多くのJリーガーを輩出する。所在地は長崎県国見町多比良甲1030。小嶺忠敏校長。

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