被疑者noteの内容
前エントリのコメントでビートニクス先生が指摘してくれた(また落合先生のブログでも指摘があった)ように、取り調べ中に被疑者がノートすることは非現実的らしい。
どのタイミングでノートすることができるのかは、結構重要なポイントだろうと思う。被疑者ノートの記載事項を見てみると、なおのこと、取り調べ現場でないと書けないような内容がありそうだ。
具体的には日弁連サイトにあるPDFをダウンしてもらえばよいのだが、かいつまんで紹介すると、以下のような事項をノートすることになっている。
取り調べ日、天候、取調の時間と場所、取調官の氏名、取り調べ事項(項目のチェックと具体的内容の記述、主な関心)、取り調べ方法(黙秘権告知の有無、暴行脅迫利益誘導の有無)、取調官の態度(名前と怒鳴っているかどうか、印象に残った言動)、被疑者自身の対応(黙秘・否認・自供、供述内容、調書の作成と読み聞かせや訂正の経過、署名や訂正しない部分、不本意な記載の部分など)、健康状態や弁護人についての質問、その他である。
一日に数時間、長ければ10時間以上取り調べされていると、その間の状況をその日の間にすら思い出すのは大変であり、ましてそれを記録するのも時間がかかる。
すべての項目が埋まっていなくとも、手がかりにはなると思うが、このノートが有力な手がかりとなって調書に信用性なしと立証していく局面では、それだけシビアな取り調べということにもなるのだろうから、記入のゆとりが被疑者側にないことが多くなりそうである。
取り調べを受ける被疑者の側が身を守る最低限の手段であるだけに、せめて記憶の新しいうちに記入できる機会を与えておく必要があろう。
それとともに、やはりビデオによる可視化の代替にはならないということも、ふまえておくことも必要だ。
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