医療秘書、兼務はダメ

 病院に勤務する医師が過重労働となっている原因の1つに事務作業の増加がある。2008年度の診療報酬改定では、診断書や処方せんの作成など医師が行う事務作業の一部を肩代わりするメディカルクラーク(医療秘書)が新たに評価されるが、医師の指示で事務作業を補助する専従者であることが必要で、レセプト業務や看護業務などとの兼務は認められない。

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 厚生労働省は1月18日の中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬基本問題小委員会(会長=土田武史・早稲田大商学部教授)で、医療秘書を診療報酬で評価する「医師事務作業補助体制加算」の要件を提示し、了承された。

 診療報酬で評価される医療秘書は「医師の指示で事務作業の補助を行う専従の者」で、対象病院は「第三次救急医療機関」や「総合周産期母子医療センター」など、地域の中核的な病院を予定している。

 医師の事務負担を軽減するための医療秘書の配置をめぐっては、「医事課の職員が兼務するのでは効果が低い」との指摘もあった。
 このため、厚労省は医療秘書の呼称を「医師事務作業補助者」とし、診療報酬上で評価されるための要件として、(1)医師の指示で行うこと、(2)専従であること、(3)業務範囲や配置方法を書面上で定めること――の3つを求めた。
 例えば、医療秘書が診療報酬請求業務を担当したり、看護職員の指示の下に看護業務を補助したりするなど、兼務は認められないという。

 厚労省保険局の原徳壽医療課長は「専従とは勤務している時間を通じてもっぱら行うこと」と説明し、非常勤かどうかは問わないとした。例えば、午前中は他の業務をして、手が空いている午後に医療秘書を担当する場合は「専任」であるため、専従要件を満たさないとした。

 医療秘書の業務範囲や配置方法を書面上で定めることについて、厚労省は昨年12月28日に出した通知に基づいて病院の実態に合わせて定め、業務範囲に関するマニュアルを整備することを求めている。
 通知によると、メディカルクラークが代行する事務は、▽会議資料などの作成、▽診断書・診療録の記載の代行、▽処方せんの記載の代行、▽主治医意見書の記載の代行、▽オーダリングシステムへの入力代行(診察や検査の予約)――など。

 一方、メディカルクラークの配置方法は「当該病院の医師に一律に配置するのではなく、業務の繁閑に応じた配置を行う」としている。例えば、外来患者の混雑状況に応じて配置する診療科を変えるなど、実態に応じた配置を求めている。

 このほか、対象となる医療機関は、▽第三次救急医療機関、▽総合周産期母子医療センター、▽小児救急医療拠点病院、▽災害拠点病院、▽へき地医療拠点病院――を挙げ、第二次救急医療機関については、「一定以上の救急搬送の受け入れ実績がある場合に限る」としている。


更新:2008/01/21   キャリアブレイン

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