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【地球発熱】

日本、先進国で最下位 石炭発電依存が低評価

2008年1月20日

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 日本の温暖化対策の進ちょく状況は先進国の中で最下位、世界の排出量上位70カ国の中でも61位と最低レベルにあるとの評価を世界銀行がまとめた。

 1990年代後半からの電力自由化などによって、価格が安いが二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭の利用を増やしてきたことが低評価の最大要因となった。

 日本はエネルギーの使用効率が世界でトップレベルとされるが、各国の効率アップでその優位性が薄れてきた上、風力などの自然エネルギーの利用拡大も進んでいない。

 石炭への依存傾向も2006年度の使用量が前年度比1・2%増と変わっておらず、政府は今後、電力などのエネルギー供給体制を中心に抜本的な対策の見直しを迫られそうだ。

 世銀は、1994年から04年にかけての各国の(1)エネルギー利用量に占める化石燃料の割合(2)化石燃料中の石炭、石油、天然ガスの構成比(3)国内総生産(GDP)当たりのエネルギー使用量(4)一人当たりGDP(5)人口−の五つについて、CO2排出量の増減との関連などを数値化して評価、順位を付けた。

 分析では、日本はGDPや人口の伸びから予想される以上にCO2排出量が増加していることが判明。70カ国中56カ国が石炭よりも排出量が少ない天然ガスや石油への転換を進める中で、日本は逆に石炭の利用が増えた結果、約4200万トン排出量が増えていた。

 GDP当たりのエネルギー使用量も、米国やドイツ、中国、インドなど49カ国が改善している一方で、日本は悪化。総合評価は先進国中最低で、中国やインドよりも下だった。

 先進国中のトップはデンマークで、以下、ドイツ、スウェーデン、英国の順。スウェーデンやデンマークはGDPを増やしつつ、CO2排出量を減らすことに成功しており、温暖化対策が経済成長の足かせにならないことを示した。

 

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