1円パチンコ不正横行 4円の台で使用、他店に持ち込み2008年01月21日17時18分 通常1個4円の貸し玉を1円に引き下げ、女性や団塊世代などから新しい客の獲得を狙う「1円パチンコ」が急増しているが、1円の玉を4円の台で使ったり、交換率の高い店に持ち込んだりする悪質な客への対応に、店側が四苦八苦している。規制で玉は大きさを変えられないため、箱や玉の色を変えて一目でわかるように工夫したり、箱にICチップを付けたりする店も。パチンコ人気回復と不正防止のため、店側の試行錯誤が続く。
「ワン(=1円)パチ」などと呼ばれる低価格のパチンコ台を導入する店は、ギャンブル性の高い機種を撤廃する風営法規則改正での客離れを防ぐため、昨年1月ごろから増え始めた。 パチンコ店でつくる全日本遊技事業協同組合連合会は「安く長く遊べて客の滞留時間が長くなり、他の機種にも客がつく」と言う。パチンコ発祥の地、愛知県では、1円と2円の玉を使う台が、昨年8月の2302台に比べ、今年1月には9123台と、5カ月間で約4倍に増えた。 ところが、1円パチンコの普及で、新たな事件も起きている。昨年8月、東京都板橋区の店で、客が1円で仕入れたとみられる約8000発の玉を、上着やズボンに入れて、不正に店内へ持ち込んだことが監視カメラに映っていた。同年11月には静岡市の店で、6〜7人組の男が、同様に換金目的でパチンコ玉約5万3000発を持ち込んだ事件も起きた。 こうした事件への対応策としては、値段の違う貸し玉を見ただけで区別することが必要だが、パチンコ玉は風営法の規則で、鋼製、直径11ミリ、重さは5.4グラム以上5.7グラム以下と決まっている。 名古屋市中区大須3丁目のベイシティ名宝大須店は「1円パチンコで年金生活者や主婦など、過去にパチンコをしていた人が戻ってきた。一過性では終わらない人気」と話す。昨年5月に導入し、今では全体の約3割が1円コーナー。今後も増設する予定だ。 この店では、玉を入れる「ドル箱」を1円コーナーでは黒色にし、半透明の箱を使う4円コーナーと分けた。他店の玉が紛れていないかどうか、毎日、コンピューターでチェックも行う。 導入当初は、金色の玉を使って区別したが、金色は1個あたりの製作コストが約7円と、銀色に比べて3倍以上の高額。また、刻印は大量の玉を瞬時に判別するのは難しいという。 同店を含めて全国展開する「めいほうぐるーぷ」では、ドル箱の底にICチップを張り、持ち出すとブザーが鳴る仕組みにしている店もある。 名古屋市中区富士見町のプレイランドキャッスル記念橋南店では、昨年8月から1円の台を置き始め、今では640台のうち1割強を占める。同店では、玉の色を変え、1円コーナーを出入り口が一つしかない中二階に設置した。4円コーナーの玉を数える機械にはふたをし、スタッフが立ち会う。同店関係者は「団塊世代の退職者が増えるので、娯楽にも選択肢が必要。知恵を絞るしかない」。 PR情報この記事の関連情報社会
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