富士物流株式会社 物流ソリューションサービスの一括アウトソーシングを実現する先進型ロジスティクス企業です。
HOME > 物流業界ニュース > 昨年12月に決まった高速道路料金の引下げ方針、その内容は
物流業界ニュース
社会実験で効果の高い割引を全国展開、長距離・時間割引の拡大も
暫定税率10年延長の身返り、原油高騰による下請中小企業対策で
昨年12月に閣議決定された08年度予算案で道路特定財源を活用して高速道路料金の引下げを支援するための国費235億円が盛り込まれた。また、同時に決定された07年度補正予算案でも原油高騰に対応した下請中小企業に関する緊急対策にそって「安定的な物流コストの確保等を図るための緊急措置」として高速道路料金引下げのための国費67億円が計上された。最近の原油高を背景とする燃料油の急騰にトラック業界などが「自助努力だけでは限界」と政府に支援を求めていたもの。冬柴国土交通大臣は記者会見などで「長距離を運行する大型トラックが(コストを少しでも抑えようと)下の道路(一般道)を夜中に走っているのでこれを高速道路利用に切り替えてもらうように環境対策の面からも料金を下げてキチンとしたものにしたい」などとトラック輸送対策の色合いが強いことを強調してきた。具体的な料金引下げの内容については未定だが、国交省ではこれまでETC車を前提に数多く行っている割引などの社会実験の結果などをもとに具体策作りを急ぐとしている。
国土交通省では、政府・与党の原油高対策を受けた高速道路料金の引下げについて「大口かつ多頻度利用者に対して深夜割引の時間帯の拡大」や「割引率の改定」など数々の引下げ策が考えられているようだ。昨年8月から東日本、中日本、西日本の3高速道路会社が管理する東名高速道路など一部区間では22時以降、段階的に割引する社会実験に取り組んでいるが、燃料費の高騰でコスト負担が増大しているトラック業界などの支援を主な目的にこれを全国に拡大することなども検討されているようだ。早ければ年度内にも具体化したい考え。
高速道路料金の割引は、東日本、中日本、西日本の3高速道路会社の場合、「大口・多頻度割引」、「早朝夜間割引」、「マイレージサービス」、「通勤割引」、「深夜割引」が設定されているほか、社会実験として期間や区間などを限定して「深夜割引の時間帯拡大」、「平日時間帯割引」、「平日夕方割引」、アクアラインETC割引による「東京湾料金割引」、「圏央道全線利用割引」、「中央道・圏央道連続利用割引」などETC車を前提とした割引実験が行われている。
また、10月から距離別料金に切り替える首都高速道路、阪神高速道路でも、「特定料金区間割引」、「環境ロードプライシング」、「マイレージサービス」、「大口・多頻度割引」などの割引料金を設定しているほか、社会実験として「距離別割引社会実験」、「首都高速湾岸線(横浜地区)社会実験」、「阪神高速多頻度割引(事業者向け)」、「平日時間帯割引」(土曜・休日終日割引、土曜・休日距離別割引)、新神戸トンネルと阪神高速北神戸線の連続利用に適用する「連続利用割引」など数々の実験が行われている。
こうした中で、割引の恒常化が図られるのはどれか。国交省は社会実験で高い効果をあげたものを中心に高速道路会社の料金引下げの一部を支援する形で本格採用に踏み切ることなどが考えられているようだ。
カーゴニュース1月10日号